〔長期為替予想〕ドル円為替相場 125円超えのシナリオ!

今回の「来週の為替予想」は、ドル円為替相場を長期的視点から今後の展開を予想してみたいと思います。

それにしてもドル円の米国の雇用統計後の動きは力強さがありましたね。


それぞれの数字が当初の予想より悪い結果にもかかわらず、ドル円のみならず、クロス円も初動の下降から一気に捲り上げ、逆に高値を更新してくるとは恐れ入りました(しかし、そろそろ調整の修正波が展開してくるのではと予想しています)。

いよいよダブルボトムの完成に向けての上昇、つまりC波動がスタートしている可能性が高まっているのではないでしょうか。


もしエリオット波動のC波動初動であるならば、今後2020年以降に125円を超えて150円付近を目指すことが予想され、このトレンドの波にうまく乗ることができれば、かなりの見返りが待っているものと思われます。

個人的にも2015年6月のトレンド転換からは、エリオット波動のセオリーである2011年からの推進波の5-2波の安値付近をトレンド転換の重点ポイントと予想して、このポイントからのC波動の初動の波にタイミングよく乗ることにだけを考えていました。



そこで、C波動であると可能性が高まってきていることから、この場合の今後のシナリオにを綴ってみたいと思います。

※エリオット波動については「エリオット波動理論を使いこなす為の基礎知識」をご覧ください






2020年以降に125円を超えてくるドル円為替相場




今後のドル円為替相場のシナリオの前に、ここまでの推移を簡単におさらいしてみたいと思います。

2011年10月の75円を起点とする衝撃波から、現在までの推移をチャートで確認してみましょう。



ドル円為替相場 2011年~の推移

ドル円チャート
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このブログは9/4に投稿したものです。

ドル円為替相場の推移を週足チャートで見てみると、2011年6月の75円(黒丸)で、それまでの大きな下降からトレンド転換して、その後上昇推進波(5波動構成)で2015年の125円(黄丸)まで約50円上昇しています。



ひとつ上の段階の(A)波


この大きな上昇は、5波動目がエクステンションした衝撃波で、ひとつ上の段階の(A)波になります。

エリオット波動では、5+3の合計8波がひとつの波動サイクルになりますが、この波動サイクルはフラクタル構造になっています。つまり、この衝撃波はひとつ上の段階の(A)波となるわけです。




ひとつ上の段階の(B)波


2015年の125円でのトレンド転換後は、現在の100円付近まで約25円下降してきており、(A)波動の半値戻し(フィボナッチ比率50のリトレイス)となります。

この下降は、エリオット波動の5+3の波動サイクルの3波動構成修正波部分にあたり、ひとつ上の段階の(B)波となるわけです。



エリオット波動のセオリー


エリオット波動では、5波動目がエクステンションした推進波に対する修正波の終点は、その延長した5-2波の安値付近になることが最も多く、上のドル円為替相場チャートを見てもらうと、この(B)波も5-2波の安値(青ライン)でサポートされているのが確認できます。



ここまで2011年~の推移を振り返ってみましたが、トレンド転換して(C)波動がスタートしている可能性が高くなっているドル円為替相場の今後の展開を予想してみます。



ジグザグを構成してくる可能性が高い!?




現在までの(A)5波動、(B)3波動の波動構成から考えると、この後いくつかの波形の展開が考えられますが、その中で最も可能性が高いのがジグザグではないかと予想しています。


エリオット波動のジグザグ

ジグザグ修正 イメージ
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エリオット波動のジグザグの波動構成は5-3-5で、特徴として以下のポイントがあります。


ジグザグの特徴



  • A波動のフィボナッチ比率61.8までのリトレイスから、(C)波動がスタートすることが多い(現在のドル円為替相場は50.0のリトレイス)。
  • (C)波動の大きさは、(A)波動の1.00倍(同じ大きさ)になることが多く、フィボナッチ比率1.272倍や1.618倍になることもある。
  • (C)波動は、よくチャネルラインにタッチした後に終了することが多い。
  • (B)はトライアングルになることがある。

ジグザグには以上のような特徴があります。 

ドル円為替相場において、(B)波がトライアングルを構成してくる可能性も残っているのでしょうか。





ドル円為替相場のジグザグ展開

ドル円チャート
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上の図は、現在のドル円為替相場の波形展開で、最も可能性が高いと思われるジグザグをチャート上に落とし込んだものです。

現在地は赤丸のポイントで、B波がトライアングル構成でなければ、C波動のまさに初動といえる場所に位置しています。



ドル円為替相場ここからの波動構成

ジグザグのC波動が既にスタートしているとするならば、ここからの波動構成は、ジグザグの5-3-5の最後5ということになります。

つまり、5波動構成の衝撃波で大きく上昇してくることになります。



衝撃波の大きさ

ジグザグを展開してくるのであれば、C波の上昇の大きさはA波とのフィボナッチ比率で予想することができます。

A波動は75円から125円の約50円の力強い上昇でしたが、ジグザグのC波はA波のフィボナッチ比率1.00倍で終了するのが一般的で、1.272倍や1.618倍等の大きさになることもあります。

つまり、C波のスタート地点と予想される100円を基準にすると、1.00倍であれば150円の終点が推定でき、またそれ以上の可能性もあることになります。



C波動の終点


ジグザグのC波終点は、一般的にチャネルにタッチして終了することが多く、このケースにおいても125円を大きく超えてくることが推定できます。

チャネルラインを超えてくることもありますが、その場合は衝撃波の波動の形から判断することができると思われます。

※チャネルラインについては「チャネルラインはこの3つを使え! 引き方と目的まとめ」をご覧ください




推進波の可能性もある!?

ドル円チャート
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上のチャートはドル円為替相場月足です。

エリオット波動の波動理論で考えた場合、2011年からの展開はABCではなく、5波動構成の推進波の可能性もあります。

その場合、将来は200円を超えてくる展開が予想されます。つまり、現在の上昇はC波動ではなく、3波動目の初動ということになります。

しかし、推進波であるならばいろいろな展開が想定でき、より複雑になります。

たとえは、直近の安値はフラット系(3-3-5)のa波の可能性も出てきて、赤点線のフラットや青点線の拡大フラットも考えられることになります。

この推進波の可能性も頭に入れておいた方がよいかもしれません。







ドル円為替相場長期予想のまとめ


現在のドル円為替相場がトレンド転換していてジグザグのC波動がスタートしているとするならば、A波動は2011年~2015年までの約4年続いていることから、少なくとも今後4年間は上昇トレンドが続き、125円を大きく超えて150円付近で終点を迎える可能性が一番高く、場合によってはそれ以上の大きさになることも考えられることになります。

ひとつ注意しておくことは、2011年からの波動構成は、ABCの波動構成ではなく、5波動構成の推進波の可能性もあるかもしれないというところです。

その場合、現在の上昇はC波動ではなく、3波動目やフラット系のb波の可能性があり、もう一度100円を割ってくるかもしれませんが、最終到達地点は200円を超えてくる可能性も出てきます。

以上、来週の為替予想でした。