〔為替見通し〕今週の注目ラインはこれでしょうか

年明けから大きく調整しているドル円。 2015年の安値を更新したものの、そこから切り返してきているユーロドル。 大きな上昇後、横這いの展開を見せているユーロ円。今年に入り、トレンド方向への展開が足踏みしているようです。 


相場を推し進めていく原動力は損切りです。 昨年末までの展開でこの損切りが一服し、今年に入ってからは利益確定によるプルバックを展開しています。

この調整局面はどこまで続いて行くのでしょうか。 今週の為替予想はドル円、ユーロ円、ユーロドルの動向を予想してみたいと思います。


その前にひとつ。 最近、「エリオット波動を学ぶには何から始めたらいいですか」というコメントを頂きました。 

エリオット波動は、とにかくカウントしてみることが大事です。衝撃波の簡単な3つのルールを覚えたら、まずカウントしてみてください。そのうち楽しくカウントできるようになり、またエリオット波動の凄さに驚かされると思います。

最初は、1波動目~2波動目を確認できた段階で、フィボナッチエキスパンションを使い3波動目の大きさを意識してみるといいかもしれません。特に1波動目の1.618倍ラインは世界中の波動使い最大の注目ポイントとなります。

エリオット波動を使わない方でも、このフィボナッチ比率1.618を意識しておくことは決して損にはなりません。 節目のポイントのひとつとして意識されてみてはいかがでしょうか。









ドル円3波動目の最終章がスタートか!


久しぶりに週足チャートを確認してみたいと思います。


長期では上昇トレンドのドル円為替相場

為替相場をトレンドに大きく押し進めるのは衝撃波です。衝撃波が発生している方向にトレンドがあります。※修正波のaやcにも現れます。

上の週足を見て頂ければ分かりますが、上昇衝撃波が現れています。つまり、ドル円為替相場は、長期的に見れば上昇トレンドであるわけです。 現在は、ABC展開のB波動の押し目が終了し、C波動の初動に位置しているものと思われます。

少なくとも2020年から2021年まで(8年サイクルでいくと2023年まで)は上昇トレンドは続くのではと予想しています。ただし、決して上昇し続けるわけではありません。 寄せては返しをくり返しながらトレンドは進んでいきます。 

2011年からの上昇衝撃波を見てもらえば、上昇途中の4波動目(トライアングル)5波動目の副次波の2波動目(複合調整波で最後のY波動はトライアングル)は、かなり時間を掛けた調整局面になっているのが確認できると思います。

今後のドル円は、このような大型調整局面をいくつか内包しながら進んでいくものと思われます。 そして、どこかの波動がエクステンションしてくるのかもしれません。

直近では、週足一目均衡表の雲を上抜けており、この雲にサポートされながら横這いの調整局面が続き、また上昇していくのではないでしょうか。先週は、下ヒゲを付けた形で終了しており、今後の上昇を予感させます。





3波動目の終点は?

ドル円日足チャート
上はドル円日足チャートです。 ひとつ下の段階で、3波動目を展開中と予想しています。先週はその内部波動の4波動目が終点を迎えた可能性があります。つまり、今週の展開は3-5波動目を展開してくるということです。

3-5波動目は、1-3チャネルラインを行き過ぎてからの反転で、エリオット波動の通常の展開をここまでは見せています。この週末の27日は、この1-3チャネルラインを挟んだ激しい攻防が行われ、ちょうどチャネルライン上で終了しています。今週はこの1-3チャネルラインに再び入ってこれるかどうかも注目のポイントになりそうです。

しかし、4波動目は終了していない可能性も残っています。4波動目がトライアングルなどの横這いの調整で、そのA波動が終点を迎え、今週はB波動を展開してくるというものです。この可能性も頭に入れておいた方がいいかもしれません。


ここからは3-5波動目がすでに始まっていることを前提として、終点の行方を予想して見ます。

前回の週間予想では、3波動目の内部波動の1波動目の大きさから終点を予想しました。
今回は、以下の2つのポイントから終点を予想してみます。

➀大きな段階の1波動目の大きさ
②フィボナッチ黄金比率

まず➀の視点から。衝撃波の3波動目は、1波動目の1.618倍、2.00倍、2.618倍、3.00倍、4.00倍でよく終点を迎えます。そうすると、3波動目の終点は、4.00倍ライン(赤点線)が注目されるポイントになりそうです。

次に②の始点から。通常の3波動目延長型の衝撃波は、4波動目の安値でフィボナッチ比率38.2でよく区分されます。そうすると、120.20付近が終点となります。

この2つのポイントは強く意識されますが、波動使いは特に②のポイントを重要視しています。 こちらの方が可能性が高いのかもしれません。 どちらにしても最後の衝撃波の波形を確認することが最も大切なポイントです。また、あわせてRSIを確認しておけば、利益確定ポイントの精度は上がってきそうです。



今週の予想波動展開

ドル円4時間足チャート
上はドル円4時間足です。 ここからは小さな段階になるので参考程度にご覧ください。

3-4波動目は緑丸のポイントで終点を迎えたと予想しています(黒丸の可能性も残っている)。 直近では、4時間足の雲を上抜けて終了しています。

ここからは2つの展開を予想しています。

ひとつ目は、現在の上昇がエクステンションして、このまま上昇していく(青点線)。
ふたつ目は、副次波の1波を完成させた後、一旦調整に入り、その後の副次波3波動目で大きく上昇していく(赤点線)。

黒丸地点で仕込んだロングポジションは、3-5波動目の視点を下回るまではホールドしておき、3-5波動目の終点付近で利益確定したいと考えています。





ユーロ円3-5波動目がスタートしている?


次にユーロ円為替相場の今週の展開を予想してみます。 まずは大きな段階の週足チャートで現在地を確認してみましょう。


虎視眈々と雲抜けを狙う


ユーロ円週足チャート

ユーロ円は、2012年から1波動目延長型衝撃波を展開しています(フィボナッチ黄金比率できれいに区分されています)。 つまり、ドル円為替相場と同じく長期的には上昇トレンドであるわけです。

現在は、abc展開のB波動の調整が終わり、C波動の初動に位置しているものと思われます。ユーロ円の特徴は、一旦トレンドが発生するとダイバージェンスお構いなしにトレンドが進んでいきます。

年明けからは、一目均衡表の雲抜けを前に力を蓄えているといった様子です。すでにRSI(9)は買われすぎのゾーン入ってきていますが、この雲を上抜けてくるともう一段上を目指す展開になりそうです。



今週は上を目指す展開か!

ユーロ円日足チャート
上はユーロ円日足です。 ひとつ下の段階では、3波動目を展開中であると予想しています。波形は似ているのですが、ドル円とはトレンド転換ポイントが異なっています。

最も注目されている0-2チャネルライン(赤色チャネル)を再び上抜けて、この波動が衝撃波である可能性がさらに高くなっています。

当初ランニングトライアングルの展開を予想していましたが、どうも3波動目の終点がもう一段上のポイントであったようです。そこからは複合調整波で、最後のY(ジグザグ)で4波動目が終わったようです。

この週末は、ドル円と同じく1-3チャネルライン(緑チャネル)を挟んでの攻防が行われていました。今週は、1波動目の1.618倍(青点線)を目指して上昇してくる展開になるのではないでしょうか。




フラットのC波動がEDTで終了か?


最後に、簡単にユーロドルの状況を確認してみます。


トライアングルからの5波動目

ユーロドル週足チャート
上はユーロドル週足です。 ユーロドルは、トライアングルから最後の5波動目がスタートしています。 現在は、5-3波動目の副次波の修正2波動目がちょうど終点を迎えたところではないのかと予想しています。

ユーロドルが影響を受けるであろうユーロ円が上昇しているため、なかなか一気に下降していく展開は難しいようです。 しかし、直近安値の下には損切りと、売りの逆指値が並んでいると思われます。 このラインを次に下回ってくれば、一気に下降していく可能性があります。

フィボナッチ黄金比率から考えると、最終的な終点は0.9500付近が理想的であると思われます。



調整局面が終了した?

ユーロドル4時間足チャート

上はユーロドル4時間足です。 ユーロドルの調整波形を確認してみると、修正波のカウントは難しいとあらためて感じてしまいます。

当初、3-1波動が終点を迎えた後、3-3-5で調整局面は終了したのかと考えていました。しかし、その3-3-5は、フラット修正の内部波動A波動であったようです。そして、最後のC波動がエンディングダイアゴナルトライアングルになっているのではないでしょうか。

エンディングダイアゴナルトライアングルの現れるポイントは、ほとんどが衝撃波の5波動目です。 しかし、稀にabc修正のc波動にも現れます。 ユーロドルの直近の調整波は、フラット修正の最後のC波動がエンディングダイアゴナルトライアングルになっているのではないでしょうか。

この週末の波動でエンディングダイアゴナルトライアングルは終了しているように見えます。ただ、もう1波残っている可能性も少しあるかもしれません。

エンディングダイアゴナルトライアングルについてはこちらをご覧ください。


今週は、5-3動目が本格的に動き出す可能性がありそうです。 まずは、この4時間足雲の下抜けがポイントになりそうです。 この雲を下抜けてくれば、逆相関関係のドル円も大きく上昇していく可能性があります。 ドル円メインでトレードされている方も、このユーロドルの動きには注目しておいた方がいいと思います。

ただ、もし万が一2波動目の終点(黒点線)を上抜けてくることになれば、11/9に仕込んだショートポジションは利益確定したいと思います。

以上、今週の為替予想でした。




みなさん、今週もエリオット波動で楽しくカウント予想してください。