エリオット波動における波の特徴



世界的にはメジャーで高い評価を受けているエリオット波動も、日本では「そんなの信じられないよ」という人も多く、とてもマイナーな存在になっています。

しかし、為替相場はエリオット波動のルールの中で動いています。2011年からのドル円為替相場上昇衝撃波においても、驚くほど正確に波動の行く先を教えてくれました。

それにしても、なぜエリオット波動のルール通り相場は動いて行くのでしょうか。「エリオット波動がトレーダーに意識されているから」と考える人もいるようです。

ただ、エリオット波動の産みの親のR.Nエリオットが波動理論を発表したのは1938年です。しかも、彼はそれ以前の米国株式相場の中からその法則を見つけ出しています。

そう考えるとエリオット波動は、「フィボナッチ」と同じく、いつの時代でも、またどんな相場でも使える「普遍的な法則」であるようです。

そんなエリオット波動の推進波(1波~5波)と修正波(a.b.c)の各波動には、それぞれ特徴があります(この特徴は、トレーダーの群集心理が大きく影響を及ぼしていると言われています)。

この各波の特徴を知っておけば、相場の展開がとてもイメージし易くなり、エントリーや利益確定も適切なタイミングで行えるようになってきます。

そこで今回はトレーダーが知っておいて損はない「各波動の特徴」を掘り下げてみます。


「これからエリオット波動を始める方へ」を読んで頂くとより分かり易いと思います。








寄せて返す8つの波動


エリオット波動1サイクルイメージ


上はエリオット波動の展開イメージです。 エリオット波動は、トレンド方向に進む5つの波からなる衝撃波(推進波)と、その動きを調整する3つの波からなる修正波の合計8つの波動で1つのサイクルを構成します。

今回は、トレンド方向に大きく進んでいく衝撃波に絞って各波動特徴を掘り下げてみます。





衝撃波各波動の特徴

エリオット波動の各波動特徴



上は3波動目延長型衝撃波の波動特徴です。 1波動目がエクステンションする1波動目延長型衝撃波や、5波動目がエクステンションする5波動目延長型衝撃波もあります。

しかし、その多くは3波動目がエクステンションするため、今回はこの3波動目延長型に絞ってお話します(上昇トレンドのケース)。




足掛かりの1波動目


まず、1波動目の特徴。 一般のトレーダーはこのトレンド転換を掴むことはほとんどできません(波動使いは別ですよ)。 いつもそうですが、「えっ! こんなところから」というところからトレンドは変わっていきます。 今回のドル円の反転もそうでした。 ニュースやネットでは80円を割り込むのではというものをよく見られたのではないでしょうか。

この1波動目がスタートする時には、その多くでRSIのダイバージェンスが現れます(トレンドの最後は、ほとんどが衝撃波で終わるため)。 そして、トレンド終盤は意外と出来高が少なくスピードはありません。

また、トレンド転換は、相関・逆相関関係にある通貨の反転のタイミングが重なるポイントで一斉にスタートしてくる傾向にあります(他通貨の波動を確認しておくとタイミングよくエントリーすることができることが多い)。

そして、1波動目が始まるとトレンドの最後にエントリーしたトレーダーの損切りを巻き込んで勢いよく上昇していきます。 

エリオット波動はフラクタル構造となっているため、この1波動目の副次波は、そのほとんどが衝撃波となります。 波動使いは、この衝撃波の確認によりトレンドの転換を予感します。






疑心暗鬼からリトレイスが深くなる2波動目


1波動目で足掛かりを掴んだものの、まだこの時点でトレンド転換を意識しているトレーダーはほとんどいません。 「いい押し目だ!」というトレーダーがほとんどです。

そのため、1波動目終点では多くの売りが浴びせられます。1波動目でロングポジションを建てたトレーダーも、この勢いから疑心暗鬼になり、損切りの連鎖から大きくリトレイスすることになります。

この深いリトレイスは修正2波動目の大きな特徴で、フィボナッチ比率61.8~100.0まで大きく押し目を付けてきます(稀にヒゲの部分だけトレンドの始点を行き過ぎることもあります)。 

修正波のパターンは、ジグザグ修正やダブルジグザグ、そしてトリプルスリーなどの急こう配の調整局面となることが多いのが特徴です。

トレンド転換ポイント付近以外でロングポジションを建てた場合には、1波動目の終点で一度利益確定して、修正2波動目の終点付近で再度ロングポジションを建て直すといった戦略も有効です。





エリオット波動で最も勢いのある3波動目


エリオット波動では、この3波動目を狙うのが定石とされます(トレンド転換ポイントを狙う波動使いの方も多い)。なぜなら、この3波動目はエクステンションして、エリオット波動で最も勢いがあり、大きくトレンドを押し進める波動であるからです(内部波動は衝撃波)。

しかし、この3波動目で大きく上昇するまでには、副次波1波→副次波2波の段階を踏まないといけないためかなり時間が掛かります。

また、この3波動目の序盤においてもトレンド転換していることが分かっているトレーダーはほとんどいません。このため副次波2波もリトレイスが深くなることが多くなります。

この3波動目の序盤はまさに「絶好の買場(一度利が乗れば、その後一度も損益がでない=長期保有が可能となる)」となるわけですが、焦りは禁物です。 1波の始点(トレンド転換ポイント)をバックにしっかり引き付けてからのエントリーが理想的です。

3波動目が本格的に動くのは内部波動の3波動目、いわゆる3-3波動です。この3-3波動はチャートを確認するとすぐにそれと分かるほど勢いがあります。 ひとつ下の段階では、衝撃波→abc修正→衝撃波→abc修正→衝撃波のサイクルのくり返しで高値をどんどん更新していきます(この特徴を利用したピラミッディングトレードは爆発的な利益を生み出します)。

特に、トレンド転換が認識され始める1波動目の高値ブレイクや0-2チャネルラインブレイクからはロングの注文が雪だるま式に増えていき、大きな陽線が出始めます。また、テクニカル指標で反転のサインが出る3波動目中盤になると出来高を伴いさらに大きく上昇します。 この頃になってやっとニュースなどで報じられるようになりクライマックスを迎えます。

3波動目は、1波動目の1.618倍、2.00倍、2.618倍、3.00倍、4.00倍のフィボナッチ比率まで大きくなることが多く、また、この3波動目衝撃波の終点では、RSIのダイバージェンスが現れます(利益確定の目安になる)。 3波動目の内部波動を確認すると(チャネルを使ったカウントなど)、その終点を正確に推定できるようになってきます。




利益確定と新規エントリーが入り乱れる4波動目


修正4波動目は、利益確定とその押し目を狙う新規エントリーが入り乱れます。 そのため修正波形は横這いの修正波(トライアングル、複合修正波、フラット系)になるのが一般的です。トライアングルが現れた場合は、修正4波動目であるサインとなると言われています。

ただ、修正2波動目が横這いの修正パターンの場合、オルタネーションの法則からこの4波動目は急こう配の修正になることもあります。

修正4波動目は、3波動目のフィボナッチ比率0.382や、1~3波動目の0.382までリトレイスしてくるケースが多いのが特徴です。




群集心理からの買い注文が入る5波動目


衝撃波のスライマックスの5波動目。修正4波動目からの反転が確認されると、そこまで買いそびれていたトレーダーが、群集心理からエントリーして、さらにトレンドを押し進めます。

この5波動目の終盤には、その多くでRSIのダイバージェンスが現れ、トレンドの終了を示唆します。しかし、この頃ネット上では、さらに大きくトレンドが進んでいくという予想が大勢を占めます。

5波動目の衝撃波は、3波動目の衝撃波とは異なり、出来高を伴い大きく上昇していくことは少なく、そのスピードも3波動目には及びません。また、その大きさも、1波動目の1.00倍や1.618倍で終了するのが一般的です。

以上が、3波動目延長型衝撃波の波動特徴です。


※FXではこの5波動目がさらにエクステンションしてくることがあります(5波動目延長型衝撃波)。エリオット波動の各波動は目標を達成しようとする力が大きく働きます。3波動目が小さな波動になった場合や、その前の反対方向のトレンドがあまりにも大きい場合などがその理由だと思われます。




ドル円為替相場の衝撃波

ドル円為替相場波動特徴
上はドル円為替相場2011年からの衝撃波です。 このチャートは一見するとランダムに上昇しているように見えます。 しかし、この上昇はエリオット波動のルール通り正確に展開しています。

信じて頂けないかもしれませんが、5波動目がエクステンションしてから、現在(2017/3)までの展開は、ほぼ私かイメージしていた通りに展開しています(残念ながらエクステンションしてくることは予想できませんでした)。

1波動目

足掛かりの1波動目は、損切りを巻き込みながら、それまでのEDTチャネルと一目均衡表の雲を越えて大きく上昇しています。

2波動目

修正2波動目はWXYの急こう配の調整パターンで、1波動目の0.79まで大きくリトレイスしています。オルタネーションの法則から、修正4波動目は横這いの調整局面であることを示唆しています。

3波動目

3波動目は、1波動目の高値と0-2チャネルラインブレイクから、上昇の勢いに拍車がかかり、最終的には1波動目の3.00倍まで大きく上昇しています。1.618倍や2.618倍を越えた時点で、この波動が衝撃波に発展していくことが推定できました。

また、この3波動目終盤には、その特徴であるRSIのダイバージェンスが現れているのが確認できます。

4波動目

修正波形は、オルタネーションの法則から予想していた通り、横這いのトライアングルを展開しました。 リトレイスの大きさは、典型的な3波動目の0.382。

5波動目

5-1が1波動目の1.00倍の大きさで終了。 当初はここで衝撃波が終了したと予想していました。 しかし、この5-1の高値をブレイクして5波動目がエクステンションしてきました。360円から75円の大きな下降トレンドに対するリトレイス達成のためだと思われます。この5波動目は、フィボナッチ黄金比率で、そのセオリーである0.618(4波動目の安値)でピッタリと終点を迎えています。

また、この5波動目終盤では、RSIのダイバージェンスが現れ、このインパルスが間もなく終わることを示唆してくれています。


このように、このドル円週足の衝撃波は、エリオット波動のルールの中で動いており、そして、各波動の特徴がよく現れています。








波動の特徴を知ればイメージできる




この波動の特徴を知っていれば、相場の展開がイメージできるようになり、トレーダーに様々な恩恵をもたらせてくれます。

ぜひこのエリオット波動各波動の特徴を意識してトレードしてみてください。きっと勝率は上がっていくと思いますよ。

以上、波動の特徴を掘り下げてみました。 


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