【エリオット波動】収益を上げるジグザグトレード

エリオット波動のアイキャッチ画像

エリオット波動を用いたトレードでは衝撃波を狙うのが最も勝率が高く、また効率的です。一方の修正波はどうなのか。

修正波は、その目標のリトレイスポイント到達するまでの道のりが数多くあり、なかなか自分の思い通りに進んでくれません。

修正波はパターンが幾つかあり、時にその修正パターンが複合で現れてくるためです。エントリーのタイミングが非常に掴み難いため、トレードの勝率は悪くなり、また動く値幅が小さくなるため効率的でもありません。

しかし、そんな修正波の中でも「ジグザグ」は狙っていける修正パターンです。

今回のエリオット波動入門は、このジグザグ修正を掘り下げてみたいと思います。また、最後には参考になるかどうか分かりませんが、ジグザグトレード例も紹介したいと思っています。少し難しいかもしれませんが最後までお付き合いください。

読み進める前に「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧いただけると分かり易いと思います。








エリオット波動のジグザグ修正



修正波のツートップは、ジグザグ修正とフラット修正です(フラット系修正は、また次の機会に掘り下げてみたいと思います)。この2つの修正波は、為替チャートの至る所に現れてきます。

まずは、ジグザグ修正の基本的な波動パターンと特徴を見てみましょう。

ジグザグ修正の基本パターンと特徴

ジグザグ展開イメージ

上はジグザグ修正の基本的な展開イメージ図です。

波動構成は修正波なのでabcの3波動構成です。ジグザグ修正は他の修正波と違い、内部波動に特徴があります。 フラット系の修正波などの3-3-5とは異なり、ジグザグ修正は5-3-5という内部波動を構成します。

最後のc波だけではなく、最初のa波も衝撃波を展開してきます。ジグザグが狙い易いのはこの特徴にあります。つまり、a波の衝撃波を確認できれば、ジグザグ修正であることが予測できるわけです(後で書きますが、衝撃波を展開している可能性もあります)。

エリオット波動には「c波を狙え!」というセオリーがありますが、分かり易いこのジグザグのc波を狙えば収益が上がり易いということを表しています。

また、ジグザグ修正は他の修正波と違い、大きくリトレイスしてくる時に現れるという特徴があります(特に修正2波)。そのため、ジグザグのトレードは時に大きな収益に繋がり易く、とても効率がよいトレードになります。

ジグザグの副次波b波は、同じく5-3-5のジグザグになることが多いのですが、上のイメージ(左下)のようなトライアングルやフラット系修正を展開してくることがあります。注意しておきたいポイントです。

ジグザグ修正のa波とc波は衝撃波であると前述しましたが、これらの衝撃波は3波動目延長型衝撃波になるとは限らず、1波延長型衝撃波や5波延長型衝撃波であることもあります。このため、上のイメージ図のような綺麗なジグザグになることはあまりありません(特に小さな段階)。上の図はあくまでもイメージとして捉えてください。


エントリーポイントはどこか? 


c波を狙うので、b波からc波にトレンドが変わるポイントがエントリーするタイミングになりますが、a波の始点からエントリーするトレーダーの方も多いのではないでしょうか。c波の始点からのエントリーを狙う場合の急所は、a波の0.618リトレイスポイントです。ジグザグのc波は、このリトレイスポイントから始まることが一番多く狙いどころになります。

ただ、0.382などの浅いリトレイスや、0.970などの深いリトレイスからc波が始まることもよくあります。FXでは、関連通貨がタイミングを合わせて一斉に反転してくるという傾向があるため、どうしても反転ポイントにバラつきが出てしまうようです(関連通貨の波動を確認しておくとエントリータイミングが計り易いですよ)。


利益確定ポイントはどこか?


ジグザグc波は、0-2チャネルのa波ラインタッチ(又は行き過ぎて)がひとつの目安になることがあり、このポイントはトレーダーに強く意識されます。 

また、a波の1.00倍(又は行き過ぎて)で終点を迎えることが多いのも特徴です。 しかし、FXでは、a波の1.618倍(稀に2.618倍)までc波が大きくなることがよくあり、逆に0.618倍で終点を迎えることもよくあります。

最も大事なポイントはc波の衝撃波を狙っているということです。 つまり、衝撃波の利益確定ポイントを意識しておけばいい訳です(2-4チャネルの1波ラインタッチなど)。そして、a波の1.00倍や0-2チャネルのa波ラインタッチと重なるようであれば、そこは強力な反転ポイントとなります。


ジグザグの特徴は以上です。次にジグザグを実際のチャートで見てみましょう。





ジグザグの現れるポイント


ドル円為替相場のジグザグ
上はドル円日足チャートに現れたジグザグ修正です(時間軸を落とすと至るところに現れてきます)。

ジグザグチャネルに沿って下降して、c波はチャネルにタッチして終了しているのが確認できます。そして、c波a波の1.00倍の大きさであることも併せて確認できます。

また、ジグザグのb波の内部波動は5-3-5のジグザグになることが多いことは前述しましたが、このドル円チャートでもジグザグのb波がひとつ下の段階のジグザグを展開しています(為替予想では、ここを衝撃波の副次波と予想していました)。

ジグザグで注意しておくポイントがあります。 それは、ジグザグはあくまでも修正波であるということです。メイントレンドを動きを調整するための逆方向の波動であり、ジグザグ修正(ジグザグトレンド)が終点を迎えた場合、その多くはメイントレンドへと回帰していきます。適切なポイントで利益確定する必要があります。


ジグザグはどこに現れる?


ジグザグは、衝撃波の修正2波動目や修正4波動目(圧倒的に修正2波動目の方が多い)、abc修正(フラット系やジグザグ系)のb波やトライアングルの内部波動、そして複合修正波のWXY等々至るところに現れてきます。

また、ジグザグ1つだけで目標に到達しないときは、2つ(ダブルジグザグ)や3つ(トリプルスリー)と複合修正として続けて現れることもあります




衝撃波の押し目にチャンスがある


衝撃波は、その衝撃波の内部波動の1.3.5波動目やジグザグ修正のa波とc波(5-3-5)、そしてフラット系などのc波(3-3-5の最後の5)などに現れます。

衝撃波内部波動の5波動目と修正波c波の衝撃波以外は、その押し目にエントリーチャンスがあります。衝撃波内部波動1波動目の衝撃波とジグザグ修正a波衝撃波の押し目でエントリーするようにすれば、間違いなく勝率は上がっていきます。

押し目買いについては「売れば上がり買えば下がるのなぜ?」をご覧ください

実は、このジグザグと衝撃波は、途中まで波動展開が同じ構成になります。衝撃波は5-3-5-3-5、そしてジグザグは5-3-5。

どういう場合にジグザグになり、またどういう場合に衝撃波になるのか。この2つの違い(分岐点)を知っておくと、トレードのシナリオがとても描きやすくなり、また適切なポイントで利益確定できるようになります。


ジグザグと衝撃波


ジグザグと衝撃波の分岐点
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エリオット波動では、次は間違いなく修正波が現れるというターンと、次は修正波と衝撃波のどちらの可能性もあるというターンがあります。後者でトレードする場合、衝撃波と修正波の分岐点を知っておくと冷静にトレードすることができるようになります。

エリオット波動の衝撃波のルールには、「3波動目は一番小さな波動にならない」というルールがあります。つまり、3波動目が1波動目の1.00倍を越えてこれない場合、その波動は修正波(ジグザグなど)であることになります。※例外として1波動目延長型は1>3>5となるため、3波動目は1波動目の1.00倍以下になります。

「もっと大きくなり1.618倍を越えてきた!」。 そうなんです。0-2チャネルを抜け、3波動目が1波動目の1.618倍を実線(ヒゲの場合は行き過ぎの可能性もある)で越えてきた場合、その波動は衝撃波である可能性がかなり高くなります。※ただし、abc修正(ジグザグなど)のc波は、稀にa波の2.618倍まで大きくなることがあります。

逆に言えば、この1.618倍のポイントを越えてこれない場合は、ジグザグトレードにおいてこの付近は絶好の利益確定ポイントであり、また逆張りエントリーのポイントにもなるわけです。

しかし、もっと掘り下げると、実はこのタイミングではジグザグは確定しません。ここからは少し難しくなるのですが、イメージ図の左上の展開のように、2波動目の終点を下回るまでは衝撃波に発展する可能性があります。

1波→2波→3-1波→3-2波の見込み波がジグザグと同じ展開であるため、「ジグザグと思いきや実は衝撃波だった」ということがよくあります。

見込み波については「衝撃波の見極めと見込み波」をご覧ください


このように、2波の終点を下回ることなく再度3波動目(3-1波)を上抜いた場合、ジグザグは否定され衝撃波である可能性がかなり高くなります。 このポイントには、ジグザグがらの反転を期待してエントリーしたトレーダーの損切り逆指値と新規ロングの逆指値が並ぶことが多く、多くのトレーダーの注目のポイントになります(このポイントを越えるときは3-3波となり、勢いよく跳ねることが多い)。

最後に、実際のチャートでのジグザグトレード例を紹介して終わりたいと思います。




ジグザグトレード実例

ジグザグトレードの実例
あまり良いトレードではないのですが、参考程度にジグザグトレードの実例を紹介します。上はドル円の衝撃波5波動目内部波動修正4波動目に現れたジグザグ修正でトレードした例です。

3-5波動目が2-4チャネル3波ラインタッチで終点を迎えた場面です。 このポイントで、衝撃波全体が終了した、又3波動目が終了したのどちらの可能性もあると考えていました。

最初のエントリーは、2-4チャネルタッチ後、ひとつ下の段階での衝撃波を確認した後の押し目()で早めにエントリー(直近高値を越えたポイントに損切りを設定)。

次の波動では、3波動構成ではなく5波動目延長型衝撃波が現れて、ジグザグ、又はトレンド転換後の衝撃波のどちらかを展開してくることが推定されました。次の波動はb波のリトレイスがかなり浅いジグザグ。

この後ひとつ下の段階で衝撃波(1波)→トライアングル(2波)を展開してきたので、トライアングルのE波終点付近()で追加のショート。

3番目の波動は3波延長型衝撃波で1波動目の0.618倍まで下降。トレンド転換後の衝撃波であると確信していれば利益確定しませんが、ジグザグの修正4波動目の可能性もあると考えていたので、その後この衝撃波の2-4チャネルを越えたポイント()で半分利確。

この時点では、1波動目の1.00倍を越えていないものの、見込み波の可能性があるため、ジグザグは確定していません。しかし、続く1が衝撃波を展開してきたことからジグザグである可能性が高くなってきたため、ジグザグ確定ライン上抜けではなくジグザグチャネル(0-2チャネル)を上抜けたポイント()で残りを利益確定しました(見込み波である場合は0-2チャネルにサポートされることが多い)。

その後の展開は、3でジグザグ修正確定ラインを上抜け衝撃波を展開しています。このケースでは、ジグザグ確定ライン上抜けを待つことなく、31の1.618倍ライン(黒点線)を越えてきたところでほぼジグザグが確定したと考えていいのではないでしょうか。









ジグザグトレードまとめ

ジグザグの波動展開は5-3-5でa波とc波は衝撃波を展開してくる。このため修正波の中では一番狙い易い。

衝撃波の押し目はトレードチャンス。ジグザグa波や、衝撃波内部波動1波後の押し目は特にチャンスがある。また、この2つの波動展開は途中まで同じであるため、分岐点をマスターしておくとトレードのシナリオが描きやすい。

ジグザグはc波の大きさやジグザグチャネルが利益確定の目安になるが、最も重要なのはc波の内部波動を意識することである。


以上、ジグザグトレードを掘り下げてみました。 参考になれば何よりです。