「どのようなタイミングでエントリーすればいいのですか?」というご質問を最近よくいただきます。「買えば下がり、売れば上がる」、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
エントリーの手法は、ネットや専門誌などで数多く紹介されています。デモトレードでいろいろ試してみて、自分に合ったエントリー手法を使うのが一番だと思います。
私は波動使いなので、エリオット波動を基本に、チャネルラインやフィボナッチを組み合わせながらエントリーしています。
具体的には、
■2-4チャネルの1波(3波)ラインタッチ、またその反転後の最初の押し目でのエントリー
■フィボナッチ黄金比率を使ってのエントリー
■修正c波がa波の1.618倍になるポイントでのエントリー
■見込み波の3-2波終点、また3-1波ブレイクポイントでのエントリー
※エリオット波動はフラクタル構造になっているため、各段階の波動が目標に向かって同時進で進んでいきます。上の3つは、各段階を通してよく重なります。
以上4つのエントリー手法を主に使っています。
上の2つは既に紹介しましたので、今回は1.618でのトレード手法を紹介したいと思います。 参考になるか分かりませんが、最後までお付き合いください。
「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」を読んでから、読み進めていただくと分かり易い思います。
衝撃波後の修正波終点をタイミングよく狙う
私が、FXトレードにおいて最も意識しているのは、「押し目でタイミングよくエントリーする」というポイントです。
ただ、「どういう展開が押し目なの?」と思われている方も多いのではないでしょうか。たしかに、一般的には「押し目」の概念はあいまいで、どうなれば押し目なのか解説してある専門書は少ないと思います。
しかし、エリオット波動においての「押し目」の概念はとても明確です。 それはズバリ「衝撃波後の修正波終点付近」です。
FXトレードでは、高値掴み(安値掴み)することなく、衝撃波後の修正波終点付近でタイミングよくエントリーできれば、経験上まず負けることはありません。
衝撃波が現れる1波や3波、そしてジグザグのa波を探し、その押し目(修正波終点)を狙うのが収益を上げる近道だと考えています。
衝撃波の押し目
エリオット波動においてトレンドは波のように寄せては返しながら進んでいきます。5つの波でトレンド方向に大きく進み、3つの波でその動きを調整します。
上の図は、3波延長型衝撃波(※衝撃波には3つの種類があります)とジグザグの展開イメージです。このように、5つの波の衝撃波の後には基本3つの波の修正波が続き、その後5つの波で再びトレンド方向に大きく進んでいきます。
この3つの波の修正波が押し目となるわけです。
この押し目で、いかにタイミングよく参入することができるかがFXトレードではとても重要なポイントになります。
では、どうやってそのタイミングを探るか。
私がよく使う手法のひとつに、フィボナッチの1.618を使ったエントリーの方法があります。
修正波c波がa波の1.618倍でエントリー
この手法は、基本3波動構成の修正波の特性を利用するものです。
※例外として、複合修正波やトライアングルなどの3波動構成以外の修正波もあり
abc修正のc波(又はWXYのY波)が、a波の1.618倍に達したポイントでピンポイントにエントリーします。
なぜ1.618倍なのか?
衝撃波(3波延長型)は、3番目の波動が1.618倍を実線で越えてくると衝撃波に発展する可能性が極めて高くなります。
逆に言えば、修正波の3番目の波動(c波)は1.618倍を実線では越えてこないことになります(つまり、衝撃波【3波延長型】と修正波の分岐点は1.618倍となる)。
衝撃波に続く波動は修正波です(例外として、トレンド転換ポイントでは衝撃波が現れます)。 であるので、そのc波は高い確率でa波の1.618倍は越えないわけです。
修正2波の一例
上は、修正2波動目展開の一例で、修正波動は5-3-5のジグザグです。
第1波で衝撃波が確認できれば、その後は修正波が現れてくることが予想することがてきます。 この修正波終点終点付近(押し目)がエントリーのチャンスとなります。
修正2波のリトレイスは深くなるという特徴があり(大きな段階)、1波の50.0、61.8、そして1.00までリトレイスしてくることもよくあります(3波副次波修正2波動目は0.382などの小さいリトレイスが多い)。
abc修正のc波がa波の1.00倍で、リトレイスの目標に届かないとき、c波は修正波の限度ギリギリの1.618倍まで大きくなります(その場合の多くは、c波衝撃波の5波目がエクステンションした5波動目延長型衝撃波がよく現れる)。
ここがエントリーのポイントです。上のイメージのように、1.618倍と目標のリトレイスポイントが重なれば、強力な反転ポイントになります。
また、2-4チャネルラインとフィボナッチ黄金比率のポイントがさらに重なれば、かなり強力な反転ポイントになるのは言うまでもありません。
※この手法は、b波の内部波動のc波でも使用することができます(その場合はc波狙い)。しかし、a波で使うとリスクがあります。a波の内部波動は、3波動構成だけではなく、5波動構成(衝撃波)の両方の可能性があるためです(5波動構成であればジグザグ)
注意点
■修正波のc波は、a波の1.00倍になるのが基本です。1.618倍まで延びてこないとこの手法はつかえませんが、これはあきらめるしかありません(しかし、なぜかFXでは1.618倍までよく延びる)。■abc修正のc波は、a波が小さい場合、稀にa波の2.618倍まで大きくなることがあります。また、関連通貨の影響で2.618倍まで大きくなることもあります(特に小さな段階)。
■1.618倍ラインピッタリで反転してくることもあれば、ヒゲの部分行き過ぎることもある。
■修正c波と考えていても、実はa波の内部波動c波だったということがあるので注意。
私がこのトレード手法を使う場合、1.618倍ラインを実線で越えてきた時には、損切するようにしています(リスクはとても少ないですよ)。
修正4波の一例
次に、修正4波動目展開の一例です。 修正波動は3-3-5の拡大フラットです。
修正4波動目の理想的リトレイスポイントは、3波動目の0.382、又は1波~3波動目の0.382です。
c波が1.00倍で目標に通達しないときには、先程の修正2波動目と同じくc波が1.618倍まで大きくなってきます。
注意点などは、修正2波動目と同じです。
実際のチャートで確認すると
ユーロ円為替チャート
上はユーロ円に現れた3波動目内部波動(予想)の拡大フラットです(6/21の為替予想に掲載の展開)。1波動目は3波延長型衝撃波ではなく、1波延長型衝撃波が現れています(関連通貨の影響で、3波が一番小さいルール破れが現れています)。
3波動目の内部波動であるため、修正2波動目であっても0.382の浅いリトレイスになっています。
c波の1.618倍と0.382のリトレイスが重なるところがエントリーポイントです。
ポンドドル為替チャート
修正4波動目で、1波~3波動目の0.382リトレイスポイントから反転してきています。このポイントは、c波がa波の1.618倍になるポイントで、2-4チャネルの3波ラインタッチも重なっています。
このように、c波1.618倍や目標のリトレイス、そしてチャネルや黄金比率がいくつか重なるポイントは強力な反転ポイントになり、このようなポイントを探してエントリーしていけば、勝率は上がっていくと思います。
また、エリオット波動はフラクタル構造になっているため、分足などの小さな段階でもよく機能しますが、日足などの大きな段階を使うとより見返りが大きくなってきます。
ぜひ、皆さんもc波1.618倍のトレード手法をデモトレードで試してみてください。きっと驚かれると思いますよ。
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