【波の数え方】横と縦でカウント精度を上げる

第1回目のエリオット波動入門からここまでは、8波1サイクル、フラクタル構造、推進波、そして、修正波の要点を綴ってきました。




ここまでで「エリオット波動の理屈は簡単だな!」、また、「相場は波のように動いていくのか!」ということが分かっていただけ、実際のチャートで波を数えてみたという方もいるのではないでしょうか。

エリオット波動のカウントは、自分で数えることによりその楽しさが味わえ、また、それがカウント上達の近道でもあります。他の人のカウントは、「参考に見てみる」という程度にとどめておいて、ぜひ自分で波を数えて頂ければと思います。

しかし、「チャートを見てもどこからカウントしていいか分からない」などのメッセージを頂くことが最近とても増えてきました。

そこで、今回は実際のチャートを使いながら、エリオット波動におけるカウントのコツについて綴ってみたいと思います。

「これからエリオット波動を始める方へ」をご覧になった後に読み進めて頂くと分かり易いと思います。






チャートで横の流れを確認する



相場は波のように進んでいく

8波1サイクルイメージ

エリオット波動のカウントは難しいと思われがちですが、実はその理論はとても単純で簡単なものです。

エリオット波動の基本は8波1サイクルです。簡単ですがとても大事なポイントになります。

8波1サイクル

相場は5波の推進波と3波(又はその変形)の修正波の合計8波が1つのサイクルで、このサイクルを繰り返すことにより相場は波のように寄せては返しながら進んでいきます。

この5波推進波と3波(又はその変形)の修正波については、ここまでのエリオット波動入門でまとめていますが、おさらいで簡単に説明します。


推進波と修正波


推進波は全て5波動構成で展開されますが、その推進波には幾つか種類があります。

5波動構成で展開される推進機

  • 衝撃波
  • ダイアゴナルトライアングル(リーディングとエンディングの2種類)
があります。しかし、相場で現れるほとんどの推進波は衝撃波の形で現れてきます。


衝撃波のルール

衝撃波には3つの種類がありますが、これらには共通の簡単なルールがあります。

  • 2波の終点は1波の始点を越えない
  • 1.3.5波の中で3波は一番小さな波動にならない
  • 1波と4波は重複しない
たったこれだけの簡単なルールです。 上の図の推進波は衝撃波ですが、これらのルールがすべて守られているのが確認できると思います。

ダイアゴナルトライアングルも5波動構成の推進波なのですが、こちらはあまり現れることはなく、1波と4波が重複するという特徴があります。

※推進波については「まずはここから! エリオット波動の推進波」をご覧ください。


次に3波(又はその変形)の修正波を簡単におさらいしてみます。


3波、又はその変形で展開される修正波

修正波は、推進波よりそのパターンも多く少し難しくなります。単純な3波動構成で展開されるものや、その変形で現れるものもあります。


  • ジグザグ(abcの単純な3波構成、5-3-5)
  • フラット系(abcの単純な3波構成、3-3-5)
  • トライアングル系(基本A~Eの変形型、3-3-3-3-3)
  • 複合型修正波(W~YやZまでの変形型)

以上、修正波には4つの系統があります。

※詳しくは「エリオット波動で知っておくべき4つの修正パターン」をご覧ください。

上の図には単純なabcのジグザグを入れてありますが、ときにより複雑な展開になることもよくあります。

以上、簡単に8波1サイクル、そして、推進波と修正波のまとめを振り返ってみました。


ここまでを理解しておけば、チャートを見た段階で推進波と修正波がどのように現れているかを確認することにより、どこからカウントしていけばいいのかおそよの判断が付くようになると思います。

それでは、実際のチャートで推進波と修正波がどのように現れてくるのか確認して見ましょう。



推進波と修正波の現れ方を確認する

ユーロドル為替相場30分足チャート
トレードスタイルによって、メインで使うチャートの時間足は違ってくると思います。例えば、スキャルピングトレードをするのであれば、5分足や1分足を使うという方が多いのではないでしょか。

エリオット波動はどの時間軸でも機能するので、どんなトレードスタイルにも使うことがてきます。

上のチャートはユーロドル為替相場30分足です。

チャートを見て波を数える場合、まず推進波と修正波の現れ方(横の流れ)を確認することで、どこが節目かということが分かるようになってきます。

上のチャートでは、パッと見て横這いの展開から大きく上方向に抜けて、修正波(3波、又はその変形)→推進波(5波衝撃波)の流れであると予想でき、しかも横這いの展開は単純な3波構成の修正波ではなく、その変形ではないかという予想が付きます。

そして、その変形の修正波をよく確認すると、3波構成の波動がラインに沿って収束していることが分かります。つまり、修正パターンはトライアングル〔A(3)-B(3)-C(3)-D(3)-E(3)〕の収束型で、最後のEがチャネルを越えてきている?ということが推定できる訳です。

そうすると、修正波は青丸のポイントで終了していると考えられることから、ここから次の波動(ここでは推進波)のカウントをスタートしていけばいいということなります。

このように、推進波と修正波の現れ方で横の流れを確認すると、どこからカウントしていけばいいのかが分かるようになってきます。


これで、この実際のチャートは、修正波(トライアングル)→推進波(衝撃波)という流れだということが分かりました。しかし、このチャートからだけでは衝撃波の次の展開は正確に読み切ることはできません。

ジグザグbがトライアングルになっているのか? 衝撃波の内部波動4波動目が衝撃波になっているのか?それとも複合型修正波の最後がトライアングルになっているか?

※トライアングルの現れるポイントは「トライアングルはE波終点を狙え」をご覧ください

カウントをする場合には、横の流れだけではなく、第3回エリオット波動入門で綴ったフラクタル構造を利用して、縦軸を確認しておくとその精度は各段に上がってきます。





縦軸で相場の現在地を確認する


この推進波に続く展開は?

ユーロドル4時間足チャート
ユーロドル4時間足チャートです。

上のチャートは、4波動目の安値で0.618に区分され、2-4チャネル3波ラインで終点を迎えた、5波動目がエクステンションした5波延長型衝撃波(推進波5-3-5-3-5)です。

「この次の展開は推進波? それとも修正波?」。実は、このチャートの段階だけで次の展開を予測することは出来ません。

なぜなら、衝撃波は、衝撃波自体の1波動目・3波動目・5波動目、他にもジグザグ系のa波やc波、そして、フラット系のc波などにも現れてくるからです。

この辺りをエリオット波動のサイクルイメージで見てみましょう。


フラクタル構造を利用する

3波延長型衝撃波のサイクルイメージ



上は3波動目がエクステンションした3波延長型衝撃波のサイクルイメージです。

※エクステンションについては「波の延長 エクステンションとは?」をご覧ください

エリオット波動は、5波動構成の推進波と3波動構成の合計8波が1つのサイクルとなって、そのサイクルを繰り返しながらトレンド方向に進んでいくことは既に触れました。

このサイクルは、上の段階でも、逆に下の段階でも同じように進んでいきます。つまり、エリオット波動は8波1サイクルのフラクタル構造になっているわけです。


衝撃波はこんなところに現れる


  • 衝撃波の1波動目、3波動目、5波動目
  • ジグザグ系修正波のa波、c波
  • フラット系修正波のc波

そして、衝撃波はこのようなポイントに現れてきます。

先程のユーロドル4時間足チャートに続く展開は、チャートの衝撃波がこの内のどれに該当するのかが分からいと次の展開を読み切れないということになります。



延長波副次波の3波動目

ユーロドル3波延長型衝撃波日足チャート
上はサイクルイメージと同じユーロドル3波延長型衝撃波(現段階ではまだ予想)の日足チャートです。

上のチャートの黒点線枠の波動が、先程のユーロドル4時間足チャートの部分です。

こうして縦軸で上の段階を確認すると、先程の4時間足5波延長型衝撃波は、日足段階の3波延長型衝撃波3波動目(延長波5波延長型衝撃波)副次波3波動目であるということが分かります。

ここがポイントで、もし先程の4時間足チャートの衝撃波が、3波動目副次波3波動目の衝撃波であることが事前に分かっていれば、副次波4波動目の修正波(3波、又はその変形)が続くという次の展開が予測ができていたわけです。

このように、カウントや次の展開の予想に迷った時には、フラクタル構造を利用して上の段階を覗いてみるとその答えが分かることがよくあります。


次は逆に下の段階を覗いてみたいと思います。赤点線枠の波動を4時間足チャートで確認してみます。この波動は3波延長型衝撃波5波動目副次波3波動目です。もうお分かりだと思いますが、この波動は衝撃波の3波動目なので当然推進波であるはずです。




赤点線枠は3波延長型衝撃波

ユーロドル4時間足チャート
上は先程の赤点線枠部分のユーロドル4時間足チャートです。

やはり、推進波。 2-4チャネル3波ラインを一時的に行き過ぎていますが(「Throw-over」上放れ)、4波動目(トライアングル)の終点で0.382で区分される3波延長型衝撃波です。

このように相場は、縦軸の上の段階でも、また、逆に下の段階でも正確に8波1サイクルでトレンド方向に進んでいくようです。

ちなみに、この投稿の序盤に掲載したトライアングルからの推進波が現れているチャートは(ユーロドル30分足)、上の黒点線枠部分です。上の段階を確認してはじめて5-3波動目の衝撃波4波動目のトライアングル→5波動目の衝撃波であったことが分かるようになってきます。そうすると、次には5-4波動目の修正波が続くということが予測できるようになるわけです。


波を数える場合、横の流れだけではなく、フラクタル構造を利用して縦軸を確認するようにすれば、カウントの精度が格段に上がってきます。積極的に利用してみてはいかがでしょうか。




カウント上達の近道は?



カウント上達の近道は、とにかく波を数えてみることです。最初は苦戦するかもしれませんが、あれやこれや考えながらカウントしているとあっという間に自分なりのカウントができるようになってきます。

「思っていた流れと違うなぁ」ということもあると思いますが、全然気にしなくても大丈夫です。 もともと修正波は、「フラットではなく複合型修正波だった!」などと後から修正パターンが分かることの方が多いものです。

修正しながらカウントしていくという意識が大事なんですね。

そしてなにより、エリオット波動は自分でカウントすることによってはじめてその楽しさが味わえます。他の人のカウントは参考程度にとどめ、ぜひご自身で波を数えてみてください。きっと楽しく相場を予想することができるようになると思いますよ。



波の数え方まとめ



  • 相場は8波1サイクルを繰り返しながらトレンド方向に進んでいく
  • 推進波と4つの修正波パターンの特徴を理解しておく
  • まずは横の流れを確認してみる(推進波と修正波がどのように現れているか)
  • カウントに迷った時は、縦軸の上や下の段階を確認してみる
  • カウント上達の近道は、とにかく波を数えてみること


この他にもチャネルや黄金比率などを使って波を数えると、エリオット波動のカウント精度は上がっていきます。この辺りは次の機会に掘り下げてみたいと思います。

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