波の数え方! 精度を上げるカウント手法



「エリオット波動の波を自動でカウントしてくれるMT4のインジケーターがないものか?」

たしかに、いくつかのMT4インジケータはあるのですが、どれも機能しないものばかりでした。


今のところは自分でカウントする以外はないようです。 

しかし、波を数えるのは本当に楽しいですよ。 カウントの精度が上がるとどんどん楽しくなっていきます。

そこで、今回はフィボナッチツールとチャネルを使った波動のカウントの精度を上げる手法を紹介したいと思います。 きっと楽しくエリオット波動のカウントが出来るようになると思いますよ。

※こちらをご覧になる前に「エリオット波動理論を使いこなす為の基礎知識」を読んでいただけると分かり易いと思います。




エリオット波動 波の数え方





実際のユーロドル為替相場チャートを使って推進波の波を数えてみます。

※この図は推進波動が終わった後に作成したものです。 実際はチャートが進行中に以下の作業を行っていきます。




波動の推移とひとつ上の段階の現在地を確認しておく

dollar_euro.chart


上の図はユーロドル為替相場日足のチャートです。

エリオット波動は、5波(推進波)+3波(修正波)の合計8波がひとつのサイクルとなり、このサイクルを繰り返しながらトレンド方向に進んでいきます。

今回は、推進波のひとつである3波延長型衝撃波の波動を、チャネルを使いながらカウントしてみたいと思います。

※推進波の種類については「まずはここから! エリオット波動の推進波」をご覧ください



まず、カウントに入る前には次のことを確認しておくことをお勧めします。


エリオット波動では、カウントを始める前にひと回り大きな段階の波動展開を見て現在地を確認しておくとカウントの精度が高まります。


「木を見て森を見ず」にならないよう、フラクタル構造を意識しながらカウントしていきましょう。


それではカウント作業に移ります。




2波動目が終了した時点で行う作業

dollar_euro.chart 0-2channel

1波動目の推進波を確認する


推進波の5つの波のうち、トレンドを押し進める1.3.5波動目はそれ自体が推進波で展開されます。

そこでまず、1波動目がひとつ下の段階の推進波(5波動構成)であることを確認します。

1波動目の推進波(5波動構成)が確認し難い場合は、時間軸を落として見ると確認しやすくなります。

ここで注意したいのは、1波動目の副次波が5波動構成でないケースです。その場合は推進波ではない可能性があります。

上のチャートの1波動目は、推進波のひとつであるリーディング・ダイアゴナルトライアングルなので問題ありません。



0-2チャネルラインを引く


次に、2波動目の終点を確認します。

修正2波動目の波の特徴は、1波動目の値幅を大きくリトレイスしてくることです。一般的に、1波のフィボナッチ比率50.0や61.8のリトレイスが多く、100.0までリトレイスしてくる場合もあります。

修正パターンを見極めると、2波動目終点を推定し易くなります。また、このポイントは、3波動目を狙ったエントリーポイントのひとつでもあります。


※修正波のパターンは「エリオット波動で知っておくべき4つの修正パターン」を参照してください


2波動目の終点を確認した後に、1波動の始点(0波)と2波動の終点を結び線を引きます。そして、その線と平行に1波終点から平行のラインを引きます(青色チャネル)。

ここまでが終わると、上のチャートのように0-2チャネルが引けていると思います。






3波動目が始まってからの作業



次に、3波動目がスタートしてから以下の3つの作業に入ります。


3波動目がチャネルラインを超えるか確認する


3波動目が始まってからの最初の作業は、3波動目が先程引いたチャネルラインを超えてくるかどうかを確認することです。

このチャネルは、衝撃波と修正波を見分ける目安のひとつとなります。3波延長型衝撃波(推進波)は、3波動目でこのチャネルラインを超えてきます。

このチャネルラインを超えられない場合は、3波構成の修正波(5-3-5のジグザグなど)の可能性が高くなります。



3波動目が1波動目の1.00倍、さらに1.618倍を超えてくるか確認する


次に、1波に対する3波の大きさを確認します。

フィボナッチエキスパンションを使用して確認します(おそらくほとんどのFX会社の取引ツールの中に入っていると思います)。


※使い方については「これだけは使いこなしたいMT4ツール」を参照してください


3波の大きさが1波の1.00倍を超えて、1.618倍も超えてくるかを確認します。

1.618倍を実線で超えてくれば、推進波に発展する可能性はかなり高くなります(超えた"しるし"を残した後は4波動目の修正に入る)。


※詳しくは「チャンスはこの5つの波にある」をご覧ください


さらに、ひとつ上の段階でも3波動目であるときには、2.618倍、3.00倍、4.00倍の大きさになることもあります(ひとつ上の段階を確認しておくことが大事)。


ここで1.00倍を超えてこれない場合は修正波の可能性が高くなります。1.00倍を実線で超えてくれば、1.618倍に届かなくても推進波である可能性は残されています。




3波の終点を見通すために、副次波にもチャネルを引く

dollar_euro.chart

3波動の終点を推定するために、3波動の内部波動にチャネルを引きます。

上の図は、3波延長型衝撃の3波動目延長波の内部波動に赤色チャネルを引いたものです。この内部波動は5波動目がエクステンション(延長波)しています。 

エリオット波動はフラクタル構造となっているので、ここまでの作業と同じことをひとつ下の段階の波動で行うわけです。





3波動目が終了した後に行う作業

dollar_euro.chart 1-3channel


3波終わった時点で、さらにひとつ新しくチャネルを引きます。



4波の終点を予測するために1-3チャネルラインを引く



1波動目の終点と3波動目の終点を結び、その線と平行に2波の終点から線を引きます(黒色チャネル)。

多くの4波動目は、この1-3チャネルを超えてきます。

4波動目の終点は、その修正パターンの見極めが重要なポイントになりますが、このチャネルを超えているかどうかということもポイントのひとつになります。

よくあるのは、4波動目が1-3チャネルを超えて3波動目の0.382リトレイスで終了し、そこから5波動目で反転してくるケースが典型的なパターンです(1波動~3波動目の0.382リトレイスで反転してくることもあります)。

また、3波動の内部波動の4波動の安値付近で反転することもよくあります(3波動の内部波動の1波動目や5波動目が延長波でない場合)。ただ、下降衝撃波の場合にはリトレイスが浅くなる場合もあります。

また、ひとつ前に説明した0-2チャネル(青色チャネル)が、4波終点で意識されることがあります。このチャートの4波動目は0-2チャネルでサポートされています。




4波動目が終了した後に行う作業

dollar_euro.chart 2-4channel


5波の終点を予測するために2-4チャネルラインを引く



4波動の終点が推定できた時点で、最後にもうひとつ新しい2-4チャネルを加えます(緑色チャネル)。

2波動目の終点と4波動目の終点を結び、それと平行の線を1波動目の終点と3波動目の終点からそれぞれ引きます。


3波延長型衝撃の5波終点(トレンド転換ポイント)は、2-4チャネルの1波終点からのラインか、3波終点からのライン付近となることがよくあります。

ただ、次に掲げるようなことも起こります。


  • 出来高を伴ってチャネルに近づいてきた場合「Throe-over 上放れ」で一時的にチャネルを上抜けてくることがあります
  • 1波動目と3波動目の値幅が大きく違わないケースなどは、5波動のエクステンション(延長)を示唆しているので注意が必要です。
  • 3波動がかなり大きく延長した場合は、5波動が3波動の高値を超えられないことがあります(トランケーション)。これは3波動が大きく延長した場合の5波動の値幅は、1波動の値幅と近似値なるために起こる現象です。


2-4チャネルを使った5波焦点予測は、この辺りに気を付けてながら慎重に行う必要がありそうです。

また、相場はフラクタル構造になっているので、5波動目の内部波動推進5波をチャネリングすることで、さらに深く終点を予測することも出来ます。



フィボナッチ黄金比率で終点を予測する



精度を上げるもうひとつの方法は、フィボナッチ黄金比率を使う手法です。この作業は、取引ツールの「フィボナッチリトレイスメント」を使います。

衝撃波には3つの種類がありますが、それぞれに理想的な形というものがあります。

3波延長型衝撃の場合、衝撃波全体が4波安値(又は高値)や4波終点で0.382で区分される形が理想的。

また、5波動目が延長波となる5波延長型衝撃波では、衝撃波全体が4波安値(又は高値)や4波終点で0.618で区分される形が綺麗であるとされます。

この黄金比率を、先程の2-4チャネルと併用して使うと、5波終点(トレンド転換ポイント)の強力な反転ポイントを見つけ出すことが可能となります。





副次波推進波もカウントした完成形

dollar_euro.chart completed form
5波動目までの作業が終わると、最終的には上のようなチャートが出来上がります。

先程も少し触れましたが、相場はフラクタル構造になっているので、推進波の1波、3波、5波は、それ自体が推進波(そのほとんどは衝撃波)です。したがって、今回の一連の作業はその内部波動にも行えます。

時間軸を落として、内部波動をチャネリングや黄金比率を使ってカウントすると、さらにその精度が高くなるのは言うまでもありません。



エリオット波動のカウントまとめ




エリオット波動のカウントでは、フィボナッチツールとチャネルを使うことにより、それぞれの波動終点を予測できるとともに、カウントの精度も上がっていきます。

つまり、為替相場の転換点を見通すことに繋がっていくわけです。

  • 0-2チャネル
  • 1-3チャネル
  • 2-4チャネル
エリオット波動で使われる上の3つのチャネルを試してみてください。きっと相場の転換点を見つけ出すことが出来るようになると思いますよ。

※縦軸(フラクタル)を使うカウント手法は「横と縦でカウント精度を上げる」をご覧ください