エリオット波動の数え方! 精度を上げるカウント手法


エリオット波動の波イメージ画像

「エリオット波動の波を自動でカウントしてくれるMT4のインジケーターがないものか?」

たしかに、いくつかのMT4インジケータはあるのですが、どれも機能しないものばかりでした。

今のところは自分でカウントするしかないようです。 

しかし、「エリオット波動のカウントは難しい」、「波はどうやって数えるの?」と考えられている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、フィボナッチとチャネルを使って波動のカウントの精度を上げる手法を紹介したいと思います。

きっと楽しくエリオット波動のカウントが出来るようになると思いますよ。

※こちらをご覧になる前に「エリオット波動理論を使いこなす為の基礎知識」を読んでいただけると分かり易いと思います。




カウント精度を上げる推進波の基礎知識

dollar_euro.chart
エリオット波動は、5波(推進波 Motive Waves)+3波(修正波 Corrective Waves)の合計8波がひとつのサイクルとなり、このサイクルを繰り返しながらトレンド方向に進んでいきます。

今回カウントするのは推進波で、そのうち最もよく現れてくる3波延長型衝撃波です(Impulse Waves)。※上はユーロドル日足チャート

推進波には、

  • 5つの波で構成され、トレンドを力強く押し進めていく
  • 推進波のほとんどは衝撃波の形で現れる(他はダイアゴナルトライアングル)
  • 内部波動の1波動目、3波動目、そして5波動目は同じ方向に進み、それ自体推進波で展開される
  • 常にひと回り上の段階のトレンド方向に現れる
  • ほとんどの衝撃波は延長波が内包され、内包される場所の違いによって3つの種類に分けられる
  • 3つの衝撃波には共通の簡単な3つのルールがある
  • 5波動目が3波動目の終点を越えてこれないことがある(トランケーション)
  • 衝撃波の多くはチャネルラインに沿って進んでいく
  • 衝撃波には、波動の倍率、リトレイス、全体の黄金区分など、至る所にフィボナッチが現れてくる

などの特徴があります。

以上のポイントを理解しておくと推進波のカウント精度は高くなってきます。


※推進波の種類と特徴については「エリオット波動の推進波 その種類と特徴のまとめ」をご覧ください

今回は、この中のチャネルラインとフィボナッチを使ってカウント精度を上げる手法を紹介します。


それではカウント作業に移ります。




エリオット波動 波の数え方



2波動目が終了した時点で行う作業

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※上のチャートのカウント作業は推進波動が終わった後に作成したものです。実際は相場が進行中に以下の作業を行っていきます。


1波動目の推進波を確認する


推進波の5つの波のうち、トレンドを押し進める1.3.5波動目はそれ自体が推進波で展開されます。

そこでまず、1波動目がひとつ下の段階で推進波(5波動構成)であることを確認します。

1波動目の推進波(5波動構成)が確認し難い場合は、時間軸を落として見ると確認しやすくなります。

ただ、トレンドが変わった後の最初の推進波は、

  • その前のトレンドの勢いが強い程、ヒゲの部分の行き過ぎなどが現れ易くなる
  • その時に市場をリードしている通貨の影響を受ける

などで複雑な展開となり、推進波の判断が難しくなることがあります。

※エリオット波動における時間足の使い方は「エリオット波動における時間足の選び方と使い方」をご覧ください


ここでのポイントは、1波動目と予想していた副次波が5波動構成の推進波ではなく明らかに3波動構成であるケースです。

推進波は、常にひと回り上の段階のトレンド方向に現れてきます。つまり、3波構成で推進波ではない場合には、それまでのトレンドがまだ継続している可能性が高いということになります。

この辺りは注意する必要がありそうです。

上のチャートの1波動目は、推進波のひとつで、トレンドの始点に現れるという特徴を持つリーディング・ダイアゴナルトライアングル(Leading Diagonal Triangle 5-3-5-3-5)なので問題ありません。


2波動目終点を確認して0-2チャネルラインを引く


次に、2波動目の終点を確認します。

修正2波動目の波の特徴は、1波動目の値幅を大きくリトレイスしてくることです。一般的に、1波動目のフィボナッチリトレイス50.0や61.8付近のリトレイスが多く、100.0(始点)付近までプルバックしてくることもあります。

ここで威力を発揮するのが修正パターンです。

修正波のフォーメーションを見極めることが出来れば、2波動目終点付近を事前に予想することができるようになってきます。つまり、タイミングよく相場に参入できるようになるわけです。

ここは3波動目を狙ったエントリーポイントのひとつなので、リスク管理を万全にした上で狙っていきたいところです。

※修正波のパターンは「エリオット波動で知っておくべき4つの修正パターン」を参照してください

そして、2波動目の終点を確認できた段階で最後に0-2チャネルラインを引きます。

1波動の始点(0波)と2波動の終点を結び線を引き、そしてその線と平行に1波終点から平行のラインを引くと0-2チャネルは出来上がりです(青色チャネル)。

ここまでが終わると、上のチャートのように0-2チャネルが引けていると思います




3波動目が始まってからの作業



次は3波動目がスタートしてからの作業です。


3波動目がチャネルラインを越えるか確認する


3波動目が始まってからの最初の作業は、3波動目が先程引いたチャネルラインを越えてくるかどうかを確認することです。

このチャネルは、推進波トレンドと修正波トレンドを見分ける目安のひとつとなります。3波延長型衝撃波(推進波)は、3波動目でこのチャネルラインを越えてきます。

但し、一気にチャネルラインを抜けていくのではなく、このチャネル付近でよく2つの山を作った後に抜け出していきます。

つまり、1波動目⇒2波動目⇒ひとつ下の段階の3-1波動目⇒ひとつ下の段階の3-2波動目という展開です。

こうしてみると、トレンドが変わり勢いが出てくる(3-3波動目)までにはかなり時間が掛かるということがよく分かります(1波動目 に延長波を内包する1波延長型衝撃波を除く)。

実際のトレードにおいては、3-2波動目終点付近が絶好のエントリーポイントになるのは言うまでもありません(このポイントは、参入して利が乗れば、その後一度も損益を抱えない)。


3波動目の1波動目×1.00、1.618超えを確認


次は波動の倍率です。

3波動目の大きさが1波動目の1.00倍を超えて、1.618倍も超えてくるかを確認します。

※フィボナッチエキスパンションを使用して確認します(おそらくほとんどのFX会社の取引ツールの中に入っていると思います)。使い方については「これだけは使いこなしたいMT4ツール」を参照してください


単純なabc修正波のc波は、c波=a波×1.00がひとつの目安となり、またその多くはc波=a波×1.618以内に収まります。

つまり、1.618倍をヒゲではなく実線で超えてくれば、進行中のフォーメーションが衝撃波(推進波トレンド)である可能性はグッと高くなるわけです。

ただし、1.618倍を超えてきた場合は必ず衝撃波というわけではなく、また逆に超えてこれないからといって衝撃波ではないということではありません。

修正波のc波が、ひと回り上の段階の目標を達成するために、a波×1.618を超えてくることもあれば(例えば拡大フラットのc波)、また逆に、5波動目に延長波を内包する5波延長型衝撃波は、3波動目で1波動目の1.618倍を超えてこないこともよくあります(衝撃波には3つの種類があります)。

あくまでも衝撃波と修正波の見極めの目安と捉えてください。

※フィボナッチによる衝撃波と修正波の見極めについて詳しくは「エリオット波動 フィボナッチの基礎知識とその手法」をご覧ください


副次波3波動目にも同様の作業を行う

dollar_euro.chart
エリオット波動はフラクタル構造で、推進波の内部波動1波動目、3波動目、そして5波動目も同じく推進波で展開されます。

つまり、この投稿で紹介する「フィボナッチツールとチャネルを使ってカウント精度を上げる手法」は、内部波動の3波動目自体にも使えるわけです。

少し手間ですが、3波動目の終点を先読みできるようになるので、時間軸を落としたチャートを使って出来るだけ副次波3波動目にも同様の作業を行うことをお勧めします。

※上の図は、3波延長型衝撃の内部波動3波動目(延長波)に2-4チャネル(赤色チャネル)を引いたものです。この内部波動は5波動目がエクステンションした5波延長型衝撃波で、4波動目の最安値で0.618と0.382でフィボナッチ黄金区分されています。 

※エリオット波動のフラクタル構造については「エリオット波動 泣けるほど使えるフラクタル構造とは?」をご覧ください




3波動目が終了した後に行う作業


次は、3波動目が終わった後に行う作業です。ここからの作業は、次の4波動目が5波動目に移行したがどうかを見極めるために行います。
dollar_euro.chart 1-3channel

4波→5波への移行を見極めるために1-3チャネルラインを引く


4波動目から5波動目へ移行したかどうかを見極めるために1-3チャネルを引きます。

1-3チャネルラインは、1波動目の終点と3波動目の終点を結び、その線と平行に2波の終点から線を引いたチャネルラインです(黒色チャネル)。

修正4波動目から5波動目の移行は、

  • 1-3チャネルを越えてきたポイント
  • 3波動目のFR38.2(又は0波動目→3波動目のFR38.2)
  • 前の衝撃波の4波動目安値付近(3波延長型衝撃波の場合)
  • 0-2チャネルにタッチしたポイント

この辺りが節目のポイントによくなります。


ここでは、ほとんどの修正4波動目は1-3チャネルを越えてくるということが大きなポイントになります。

4波動目の終点予測は、その修正パターンの見極めが重要なポイントになりますが、それと同時に1-3チャネルを越えてきているかどうかも大きなポイントになります。

1-3チャネルタッチと同時に次の5波動目が始まるということもあるのですが、多くはこのチャネルを明確に越えてきます。

よくあるのは、4波動目が1-3チャネルを越えて3波動目のFR38.2(又は衝撃波始点~3波動目のFR38.2)で終了し、そこから5波動目で反転してくるというパターンです(トレンドの勢いが強い場合や下降推進波トレンドでは、リトレイスが浅くなることもあります)。

また、前の衝撃波(3波動目)の4波動目安値付近で反転することもよくあります。ただ、これは前の衝撃波が3波延長型衝撃波である場合です。

1波延長型衝撃波であれば2波動目安値、また5波延長型衝撃波の場合は5-2波動目の安値付近までリトレイスしてくることがあり、特に前の衝撃波が5波延長型衝撃波の場合には、ときに大きくリトレイスしてくることもあるので注意する必要があります。

また、ひとつ前に説明した0-2チャネル(青色チャネル)が、4波終点で意識されることもあります(このユーロドルチャートの4波動目は0-2チャネルでサポートされています)。




4波動目が終了した後に行う作業


最後は、3波動目が終わった後に行う作業です。ここからの作業は、5波動目の終点、つまり衝撃波全体の終点を予測するために行います。

dollar_euro.chart 2-4channel

5波の終点を予測するために2-4チャネルラインを引く



4波動の終点が確認できた段階で、5波動目終点を予測するために2-4チャネルを引きます(緑色チャネル)。

2-4チャネルは、2波動目の終点と4波動目の終点を結び、それと平行の線を1波動目の終点と3波動目の終点からそれぞれラインを引いたチャネルラインです。

ここでのポイントは、3波延長型衝撃波の5波動目終点は(トレンド転換ポイント)、2-4チャネル1波終点、又は3波終点から引いたライン付近でよく終点を迎えるというところです。

ただ、次のようなことも起こります。

  • 出来高を伴ってチャネルに近づいてきた場合「Throe-over 上放れ」で一時的にチャネルを上抜けてくることがあります
  • 3波動目がそこまで大きな値幅でない場合や、ひと回り上の段階の目標を達成できていない場合などは、5波動がエクステンションしてくる可能性がある
  • 逆に3波動がかなり大きな値幅となった場合は、5波動が3波動の終点を越えられない場合がある(この現象をフェイラーといいます)

2-4チャネルを使った5波終点予測は、この辺りに気を付けてながら慎重に行う必要がありそうです。

また、3波動目内部波動に行う作業と同様に、5波動目の内部波動をチャネリングすることで、さらに深く終点を予測することが出来ます。


フィボナッチ黄金区分で5波動目終点を予測する

フィボナッチ黄金区分イメージ図



さらに、衝撃波5波動目終点の予測精度を上げるためにフィボナッチを使う手法もあります。それはフィボナッチ黄金区分です。

※この作業は、取引ツールの「フィボナッチリトレイスメント」を使います。

衝撃波には3つの種類がありますが、それぞれにフィボナッチでの理想的な形というものがあります。

3波延長型衝撃の場合、衝撃波全体が4波安値(又は終点や高値)で0.382と0.618に区分される形が理想的。

また、5波動目が延長波となる5波延長型衝撃波では、衝撃波全体が4波安値(又は終点や高値)で0.618と0.382に区分される形が綺麗であるとされます。

このフィボナッチ黄金区分を先程の2-4チャネルと併用して使うと、5波終点(トレンド転換ポイント)をかなり高い精度で予測することが出来るようになります。

実際のトレードにおいては、この付近は利益確定の絶好のポイントであり、またドテンのポイントでもあります。



副次波推進波もカウントした完成形

dollar_euro.chart completed form

5波動目までの作業が終わると、最終的には上のようなチャートが出来上がります。

この投稿ですでに触れましたが、相場はフラクタル構造になっているので、推進波の1波、3波、5波は、それ自体が推進波(そのほとんどは衝撃波)です。したがって、今回の一連の作業はその内部波動にも行えます。

時間軸を落として、内部波動をチャネルやフィボナッチを使ってカウントすると、さらにカウント精度が高くなるのは言うまでもありません。

また、エリオット波動サイクルにおいての各段階の波は、上位の段階の目標に向かって同時に進んでくため、波の節目が何重にも重なってくることになります。

つまり、今回の手法を使ってチャネルやフィボナッチが重なるポイントが見つかれば、「ここが5波動目終点では?」等と、波の節目を見通すことができるようになるわけです。





エリオット波動 波の数え方まとめ



為替市場において各通貨ペアの波は、関連通貨に影響を与えたり、また逆に影響を受けたりしながらエリオット波動サイクルが進んでいきます。

なので、為替市場では今回カウントした衝撃波のような綺麗で理想的な推進波ばかり現れることはありません。

しかし、フィボナッチとチャネルを使って波を数えることにより、恣意的要因を排除して、カウント精度をかなり上げることが出来るようになるはずです。

 エリオット波動を始めたばかりで「波はどうやって数えるの?」と思われている方は、この手法を試してみてください。

 きっとエリオット波動の波が数えられるようになり、また相場がエリオット波動サイクルで進んでいると確信できるようになると思いますよ。

 以上、チャネルとフィボナッチを使った精度を上げるカウント手法でした。

※フラクタルを利用してカウント精度を上げる手法は「エリオット波動の見つけ方 横と縦で次の展開を見極める」をご覧ください