エリオット波動を使った分析手法では、中長期的なトレンドは読み易いのですが、調整の道のりが幾つかあるため、短期的な局面はなかなか思うようには進んでくれません。
米ドルもこのまま順調に上抜けていくかは分かりません。ただ、5波動目が延長波であることは濃厚になってきていると言えそうです。
衝撃波の延長波は強力な波動です。
延長した波動は、トレンド方向に進む1.3.5波動目の中で一番大きな値幅になり、またチャート上では明らかにそれと分かるような力強い動きとなります。
さらに言えば、延長波自体も衝撃波の形を取るため、エリオット波動で最も勢いのある波動となるのは「延長波内部波動のエクステンションした波動」です。
直近の展開から考えると、米ドル推進波5波動目の延長波は3波延長型衝撃波(5-3波動目が強力)か5波延長型衝撃波(5-5波動目が強力)。
この米ドルの「延長波内部波動のエクステンションした波動」が動き出せば、ドル円、ドルストレートはトレンド方向に力強く進んでいきそうです。
直近の波動展開は難解
上はユーロドル日足チャートエリオット波動予想カウントです。ユーロドルも米ドルと同じく今週末0-2チャネルに再び戻ってきています(M.F.Pivotレジスタンス3から反転→一目均衡表雲下限まで下降)。ただ、展開は難解。
このような展開では、予想カウントをひとつに絞るのではなく、優先順位を付けながらできるだけ複数イメージしておくようにしていますが、直近のユーロドルの展開で優先順位が高いのは上のようなカウントです。
直近の上昇はおそらく衝撃波。ただ、この推進波は新たなトレンドの足掛かりの1波動目ではなく、修正波トレンドの一部(c波推進波 フラット3-3-5の最後の5と予想)。
そうすると前の黒点線枠の下降波動は推進波のはずですが、この波動は一見するとジグザグの3波構成に見えます。
このような時には相関の米ドルの展開をよく参考にするのですが、米ドルの展開から考えると4波動目の修正が深くなった5波延長型衝撃波かもしれません。
イメージとしては、
- 5波動目 「1波延長型衝撃波」
- 副次波1波動目 「リーディング・ダイアゴナルトライアングル」
- 副次波3波動目内部波動1波動目 「5波延長型衝撃波」
このような推移ではないかと・・・。
ただ、もし黒点線枠の下降波動がジグザグであるならば、ランニングトライアングルなど、まだ2の調整が続いている可能性もありそうです。
遅かれ早かれユーロ円はドル円と上方向の展開になるとイメージしていますが(ドル円主導の相場)、その時にユーロドルがユーロ円の影響をどの程度受けるのか?
この辺りもしっかりと見極めていきたいと考えています。
黄金分割とチャネルの重なり
トライアングルからの推進波
上はドル円週足チャートエリオット波動予想カウントです。ドル円はトライアングルが終点を迎え、既にC波推進波がスタートしていると予想しています。
全体のフォーメーションはジグザグ修正波トレンドと予想。
ジグザグ修正は5-3-5の波動展開で、A波とC波の推進波は衝撃波だけではなく、ダイアゴナルトライアングルも現れてきます。
そして、B波はそれ自体ジグザグで展開されることが多いのですが、それ以外の調整パターンが現れてくることもあります。
このドル円ジグザグ修正波トレンドは、B波がトライアングルになっているのではないでしょうか。
トライアングルのE波がチャネルを行き過ぎて終了後の展開は、3波延長型衝撃波(1波動目)→拡大フラット(2波動目)で、そのc波がa波の1.618倍ライン付近でもみ合っているといった状況ではないかとイメージしています。
また、この付近はトライアングルA波終点(フェイラー)とC波終点を結んだトライアングルチャネル付近でもあります。
RSIは売られすぎゾーン付近にあります。どうやら力は充分溜まっているようです。
5波動目のエクステンション
前回の為替予想時点では、すでにc波が終了した可能性もあるとイメージしていました。
反転後、修正4波動目の理想的終点を越えて上昇してきていましたが、1波動目終点付近でピタッと勢いが無くなってしまいました(前の5-2?)。もう1波残っていたようです(米ドルの調整も足りなかった)。
4波動目が1波動目終点付近までプルバック。こうなると最後の5波動目は延長波となるのが常ですが、やはりエクステンション(延長波は5波延長型衝撃波)。
その後は横這いの展開が続いていますが、既にトレンドが変わっている可能性がありそうです(最初の青丸のポイント、またはその次の青丸のポイント)。
通常、波の節目ではポイントが幾つも重なって現れてきますが、
- 2-4チャネル3波ラインタッチ
- 5波延長型衝撃波黄金分割ラインタッチ(4波最高値で0.618と0.382)
- (c)=(a)×1.618ライン
- トライアングルチャネルライン
この下降衝撃波はこれらのテクニカルポイントが重なる付近から反転してきています。
「もう1波残っている」と考えている売り方がいる、またユーロ円の調整が終わっていない影響などから横這いの展開が続いていますが、すでに0-2チャネルライン内で2つの山を作っている可能性がありそうです(今週末は横這いの複合型修正波で窓埋め→反転の衝撃波?)。
今のところ推進波の力強さは全くありませんが、来週以降2-4チャネルを越えてくることができれば3波動目が本格的に動き出してくるのかもしれません。
米ドル0-2チャネル内に切り返す
上は米ドルDailyラインチャートエリオット波動予想カウントです。米ドルは0-2チャネルラインを割り込んでいましたが、再びチャネル内に切り返してきています(このようなパターンはトレンドが進んでいくトリガーになることが多い)。
※株式市場とは異なり、為替市場では各通貨が影響し合いながらトレンドが進んでいくため、一時的にチャネルラインを行き過ぎたり、衝撃波のルールが破れてしまうことがあります。
すんなりとは上昇しませんが、既に5波動目の終点を1度明確に越えてきているので、どのような道のりになるにせよ最終的には5波動目がエクステンションしてくることが濃厚。
この下降により、下位の段階の0-2チャネルで2つの山を作った可能性があります。
また、分足レベルの段階で、既に下降ターンのチャネルを明確に越えてきており、トレンドが上に変わっているようです。そうすると、このターンで上抜けていく可能性が高いのかもしれません。
米ドルが直近高値を勢いよく越えてくる時は、ユーロドルの売り、またドル円の買いのタイミングになりそうです。