どうやら直近のドル円のトレンドは上方向。
このトレンドがエリオット波動の推進波トレンド(5-3-5-3-5)であるならば、2020年のドル円は120円台に向けた展望が開けてきそうです。
衝撃波を展開しているとはいえ、このトレンドが推進波トレンドであることは確定していません。修正波トレンドである可能性もあります。
しかし、ドル円の週足段階の展開や、クロス円(円インデックス)の展開、そして米ドル(ドルインデックス)の展開から考えると、このトレンドは修正波トレンドではなく、推進波トレンドである可能性が高いのではないでしょうか。
2020年は円が売られドルが買われる展開になるイメージです(ドル円主導の相場)。
エリオット波動分析/ドル円とユーロドルの2020年を予想
FX/為替相場のエリオット波動分析は株式相場のそれとは少し手法が異なります。
各通貨ペア(各インデックス)は影響しあいながら波動が進んでいくため、その通貨ペアだけでエリオット波動分析するよりも、関連通貨の波動展開を見て総合的に分析する方がその精度が上がります。
これからエリオット波動を使って相場を分析してみようと考えられている方は、ぜひ関連通貨の波動展開も見るようにしてください。
難しいですが、「あれやこれや」と考えながら為替相場を分析するのはとても楽しいですよ。
さて、今回の月間為替予想はドル円とユーロドルの2020年の展開を予想してみたい思います。
まずユーロドルから。
ドルインデックスと連動して下降トレンドが継続
三つ巴の展開によくなるユーロドル、ユーロ円、ドル円。
現在はユーロ円が上方向にトレンド転換したので「ユーロドルも上では?」と考えたくなります。
しかし、ユーロドルは為替市場で最も注目されるドルインデックス(米ドル)の影響を大きく受けます(ドルインデックスの加重ウエイトの半分以上はユーロ)。
なので、ドルインデックスの上昇トレンドが終わらない限りユーロドルの下降トレンドが続く可能性は高いといえます。
ドルインデックスは週足の段階で推進波トレンドを展開中と予想していますが、現在はその最後の5波動目(直近では時間足段階で上昇推進波が現れている=トレンドは上方向)。
そして、その目標ポイントはまだかなり上にあります。
2020年のユーロドルはドルインデックと連動しながら逆相関で下方向に進んでいくのではないでしょうか。
ジグザグではなく、5波延長型衝撃波
この段階で注目されるポイントは、2017年からの上昇推進波トレンド(3波延長型衝撃波)が1波なのか、それともc波なのかというところ。
この捉え方の違いで中長期の売買戦略も変わってきます。
- 買い方の目線 1波動目→2波動目のジグザグ修正波
- 売り方の目線 c波→5波動目の推進波(5波延長型衝撃波)
売り方と買い方の目線はこんな感じではないでしょうか。
個人的にはc波→5波動目の推進波の展開が濃厚との予想。
もうひとつは、2018年2月から現在までの一連の下降波動がジグザク修正波のフォーメーションであるようには見えないというところ。
ジグザグ修正波のb波はそれ自体がよくジグザグ修正波となり、その多くはFR50.0~FR79.0のリトレース。
たしかにジグザグ修正波のb波はときに浅いリトレースとなることもあるのですが、その場合のb波はジグザグではなく、複合型修正波やランニングトライアングルなどのトライアングル系修正であることがほとんどです。
ユーロドルの展開はそのようには見えません。
なので、直近はユーロ円がトレンド転換している影響でかなり下げ難く複雑な波形となってはいますが、個人的には推進波トレンドの5波動目がエクステンションをしてきている可能性が高いのではとのイメージです(5-3を展開中と予想)。
2020年のユーロドルはドルインデックと逆相関で下降トレンドが続いていくのではないでしょうか(ただし、5-1終点ラインを実線で越えてきた場合にはカウント修正が必要)。
ドル円、ジグザグのC波で120台を目指す
次は2020年のドル円の予想。
ユーロドルとは異なり、ユーロ円が上方向にトレンドが変わったこと、ドルインデックがの目標ポイントがまだ上にあることから、2020年のドル円はかなり上げやすい環境になるのではと予想しています。
ただし、ドル円、各クロス円はいずれも推進波が現れているといえど、その波動展開が微妙に異なっているようです。
たとえば、ユーロ円はすでに1波動目の推進波が完成していて、修正2波動目を展開中である可能性があり、またポンド円も同様。
ドル円は各クロス円の展開を注視しておく必要がありそうです。
ドル円、2020年は推進波の展開が予想される
2020年のドル円は推進波の展開で大きく上昇してくるイメージ。
そのイメージの根拠をこの段階のエリオット波動サイクルを確認しながら説明します。
ドル円月足段階の波動展開
ドル円は、長期下降トレンドが最後のエンディング・ダイアゴナルトライアングル(以下EDT)で終了(EDTはトレンド転換を示唆するフォーメーション)。
その後、5波動目がエクステンションをした5波延長型衝撃波で、EDTの始点ラインまで上昇。
※エリオット波動のガイドライン EDTからの反転1発目はその始点までプルバックしてくる。
エリオット波動で5つの波でスタートするフォーメーションは、衝撃波(5-3-5-3-5)とジグザグ修正波(5-3-5)。※リーディングもあり
つまり、5つの波の推進波が現れたことにより、ドル円は中長期では上方向に進んでいく可能性が高いということが分かるわけです(ただし、衝撃波の可能性は低い。おそらくジグザグ)。
そして、2015年6月からがb波。
その1発目が前の5波延長型衝撃波の5-2最安値でサポート。
※エリオット波動のガイドライン 前の推進波が5波延長型衝撃波である場合、次の調整はその一部または全部が5-2の安値でサポートされる。
このb波の展開で優先順位が高いイメージはトライアングル修正波です(E終点は2019年8月の最安値、もしくはそのひとつ前の2019年1月の最安値のどちらか)。
「オレンジ枠の波動が1波動目では?」とのメッセージをいただくこともあるのですが、この波動はよく見ると3波構成です。
また、この波動を1波動目とすると推進波完成時には200円を超えてくることになり、現実的に考えて難しいのではないでしょうか。
そして、2020年のドル円が推進波を展開するというイメージを後押ししてくれるものがあります。
それは関連通貨のエリオット波動サイクルです。
ドル円は5波延長型衝撃波でしたが、ユーロ円もほぼ同時期に推進波の1波延長型衝撃波を展開していて(円インデックスも下降5波延長型衝撃波を展開)、ドル円と同じく中長期ではトレンドは上方向。そしてさらにドルインデックスも上。
やはり、2020年のドル円はa波と相似の推進波で大きく上昇してく可能性が高いのではないでしょうか。
2020年のドル円/注目のテクニカルポイント
次は2020年のドル円/注目のテクニカルポイントです。
3つの衝撃波で高値を切り上げながら前の2-4チャネルを上抜けてきたことから、ドル円は上方向にトレンドが変わったことがほぼ確定(5波延長型衝撃波と予想)。
ただし、推進波トレンド(5-3-5-3-5)だけではなく、修正波トレンド(ジグザグ5-3-5)である可能性もあります。
ここからのポイントは2つ。
- 0-2チャネルを越えてこれるか
- 1波×1.618ラインを越えてこれるか
ジグザグと衝撃波の分岐点となるのがこの2つのテクニカルポイント。
2020年のドル円は、まずこの2つのポテクニカルポイントを越えてこれるかが焦点になってきそうです。
では、直近の波動展開はどうか。
修正2波のリトレースがかなり浅いですが、その調整期間、また再び推進波が現れていることから考えて、現在はすでに3波動目がスタートしている公算が大きいようです(修正2波動目はM.F.Pivotサポート3で終了)。
そして、直近の上昇は逆にM.F.Pivotレジスタンス3で抑え込まれているようです。
ドル円の直近の波動フォーメーション
修正波トレンドと同じように、推進波トレンドの序盤の展開でも「その推進波がどの段階の展開であるのか?」を見極める必要があります。
しかし、これが意外と難しい。
なので、ここからは参考程度に見ていただければと思います。
ドル円の直近の波動フォーメーション
直近の上昇はある程度の勢いはありますが、「これは延長波だ!」といった力強さはまだありません。
予想としては、ドル円の直近の上昇は3波動目内部波動の1波動目で、それがM.F.Pivotレジスタンス3で抑え込まれているという展開ではないでしょうか(衝撃波は0-2チャネルライン内で段階の違う2つの山をよく作る。いろいろな形の見込み波あり)。
その3-1波動目のフォーメーションは1波延長型衝撃波(波の大きさ1>3>5)。
この週末に2-4チャネル1波ラインにタッチして売り込まれましたが、まだ最後の5-5が残っていてもおかしくない波動展開(最後の5-5の判断は難しくなるのが常)。
ユーロ円がすでに調整に入っているとすれば引っ張られる可能性もありますが、3波動目の値幅を越えない範囲でもう一度上昇してくる可能性もありそうです(もし、3波動目の値幅を越えて上昇した場合はカウント修正が必要。この付近が1波延長型衝撃波の内部波動1波動目の可能性もあり)。
個人的には、この2-4チャネルを下抜けたときに3-2がスタートしたと判断したいと考えています。
3波延長型衝撃波サイクルイメージ
ちなみに、上が3波延長型衝撃波のサイクルイメージ(ドル円が3波延長型衝撃波かどうかは現段階では分かりません)。
次の調整局面はカウントが合っているとすれば3-2の修正波。
3-2修正波のプルバックは、前の1波延長型衝撃波の2波最安値ラインがひとつのポイント。この他にも日足の一目均衡表の雲や200日移動平均線などが考えられそうです(一番大事なのはフォーメーションの見極め)。
いずれにしても、ひと回り上の段階の0-2チャネルを下抜けることはないとのイメージです。
そして、その次にくるのが3-3波動目(予想)。
「ヅルッ」とすべるように上昇する各段階の延長波が、通常より明らかに大きな値幅で、ユーロ円やドルインデックと連動した動きであるならば3-3波動目である期待大です。
以上、2020年の優先順位の高いイメージを綴ってみました(ドル円主導の相場を期待!)。
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