エリオット波動とダイバージェンス
為替の格言で「しっぽと頭はくれてやれ!」というものがあります。
これは、為替相場のトレンド始点と終点の判断は難しいので、トレンドの勢いが強いところだけでトレードして、序盤と終盤はトレードを見送れという格言です。
確かに為替トレンドの始点と終点の見極めは難しいのですが、それでは大きな収益は望めません。
逆にトレンドの始点でエントリーして、終点で利益確定できれば大きな収益が見込めます。
為替相場のトレンドの転換点を見極める手法はないのでしょうか。
エリオット波動では、トレンドの転換点を掴むために4つの手法があります。
- 波動を数えて終点を予測する
- チャネルラインで終点を予測する
- フィボナッチ比率で終点を予測する
- RSIのダイバージェンスで終点を予測する
今回は、その中でオシレーター系テクニカルRSIの「ダイバージェンス」を取り上げたいと思います。
テクニカルオシレータ系指標の代表格RSIとは?
J.W.ワイルダー氏によって考案されたオシレーター系テクニカルRSIは「相対力指数」とも呼ばれます。
買われすぎ、売られすぎを判断するのに役立ちます。
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一般に、RSIの値が20~30%を下回ったら買い、70~80%を上回ったら売りと言われています。
しかし、為替相場にトレンドが出ると、RSIの値が70%を上回ったまま価格が上昇したり、RSIの値が30%を下回ったまま価格が下降したりします。
オシレータ系の指標は横這いの動きには威力を発揮するのですが、強いトレンドが発生すると機能しなくなります。
それじゃトレンドが発生したらRSIは全く役にたたないかといえば、それは違います。
RSIはトレンドの終盤に「ダイバージェンス」という逆行現象が現れてきます。
私がRSIをツールとして使っているのは、この「ダイバージェンス」を確認するためだけです。
上のチャートはドル円為替相場週足(RSIの期間は9を使用)です。
赤い丸が始点となりトレンドが発生して、緑の丸でトレンドが終わっています。
終点の高値とひとつ前の高値を結んだ赤いラインを見てください。
右肩上がりで切り上がっています。
ここで注意して見てもらいたいのがRSIです。
同じ高値の部分を結んだ赤いラインは逆に切り下がっています。
この逆行現象を「ダイバージェンス」といいます。
このドル円為替週足チャートでは、ダイバージェンスが発生した後に、トレンドが転換しているのが確認できます。
つまり、このダイバージェンスが現れた場合は「もうすぐトレンドが転換するかもしれないよ!」ということを示唆してくれているわけです。
このダイバージェンスには、注意する点が2つあります。
ダイバージェンスのラインは、70以上、又は30以下から引き始める
ダイバージェンスは、少しずつ解消されながらトレンドが続くことがある
RSIはトレンドの終盤に「ダイバージェンス」という逆行現象が現れてきます。
私がRSIをツールとして使っているのは、この「ダイバージェンス」を確認するためだけです。
トレンド転換を示唆するダイバージェンスとは?
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赤い丸が始点となりトレンドが発生して、緑の丸でトレンドが終わっています。
終点の高値とひとつ前の高値を結んだ赤いラインを見てください。
右肩上がりで切り上がっています。
ここで注意して見てもらいたいのがRSIです。
同じ高値の部分を結んだ赤いラインは逆に切り下がっています。
この逆行現象を「ダイバージェンス」といいます。
このドル円為替週足チャートでは、ダイバージェンスが発生した後に、トレンドが転換しているのが確認できます。
つまり、このダイバージェンスが現れた場合は「もうすぐトレンドが転換するかもしれないよ!」ということを示唆してくれているわけです。
このダイバージェンスには、注意する点が2つあります。
ダイバージェンスのラインは、70以上、又は30以下から引き始める
RSIの高値(安値)から高値(安値)へライン引く場合、その始点は必ず30%以下、又は70%以上から引き始めてください。
価格がそこまで達していないのであれば、たとえ逆行現象が現れたとしても、それはダイバージェンスとはなりません。
上のチャートのRSIのラインの始点は、70%を大きく超えているのが確認してもらえると思います。
ダイバージェンスは、少しずつ解消されながらトレンドが続くことがある
ダイバージェンスが発生した場合、必ずトレンドが転換するわけではありません。
たとえダイバージェンスが発生しても、横這いの調整で、少しずつダイバージェンスが解消されて、トレンドが続く場合もあります。
ただ、エリオット波動で波動を数えていれば、その判断はある程度できるようになります。
以上が注意点です。
このダイバージェンス、実はエリオット波動と相性がいいんです。
それぞれ単体で使うよりも組み合わせた方が、はるかに精度が上がってきます。
たとえダイバージェンスが発生しても、横這いの調整で、少しずつダイバージェンスが解消されて、トレンドが続く場合もあります。
ただ、エリオット波動で波動を数えていれば、その判断はある程度できるようになります。
以上が注意点です。
このダイバージェンス、実はエリオット波動と相性がいいんです。
それぞれ単体で使うよりも組み合わせた方が、はるかに精度が上がってきます。
エリオット波動とダイバージェンス
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エリオット波動では、この上昇トレンドを5波動目が延長している上昇推進5波といいます。
カウントを入れると、一層トレンドの終点が分かり易くなります。
実はエリオット波動を使うと、この終点をピンポイントで狙うことができるようになります。
推進5波全体の波形や延長部分の推進波の波形を、カウントやフィボナッチ比率やチャネルなどを使って分析すると終点が見えてきます。
ダイバージェンスは、その担保として大きな仕事をしてくれます。
また、エリオット波動はフラクタル構造なので、時間軸を落として日足や1時間足チャートでひとつ下の段階でダイバージェンスを使うこともできます。
ここで、ひとつ前の話に戻ります。
先ほど、ダイバージェンスが発生しても横這いの調整で少しずつダイバージェンスが解消されて、トレンドが続くことがあるということを書きました。
そこで、もう一度上のドル円週足チャートを見てもらいたいのですが、3波動目の高値と5波動目の内部波動の1波動目(最初の黄色ライン)の高値を結んだラインは、ダイバージェンスが現れています。
エリオット波動では、ここで推進5波が終わってもおかしくありませんでした。
しかし、その後横這いの調整でダイバージェンスが解消され、5波動目が延長してトレンドが継続しました。
このようにダイバージェンスが発生してもトレンドが続く場合もあります。
しかし、エリオット波動の知識がある人であれば、横這いの調整が続いた時点で、延長が起こることが予想できたと思います。
以上でダイバージェンスの説明は終わりますが、ぜひみなさんもダイバージェンスとエリオット波動を組み合わせてトレンド終点を見つけてみてください。
※エリオット波動については「「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」」をご覧ください
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