ボリンジャーバンドのバンドウォークを狙う!


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多くのトレーダーが使っているテクニカル指標「ボリンジャーバンド」。多くの人は逆張りでのエントリータイミングを計るために使用しています。 たしかに、バンドタッチの逆張り戦法は効果的で、特に調整局面において抜群の威力を発揮します。

しかし、このボリンジャーバンドを考案したジョン.ボリンジャーによると、このテクニカル指標は逆張りに使うのではなく、トレンドの発生を確認してそのトレンドをフォローするために使うのが正しいそうです。

つまり、バンドウォークによりトレンドを見つけ、その波に乗るために使うのが本来の考案趣旨であるとのこと。

スクイーズからのバンドウォークはよく知られています。しかし、どのようなポイントで、またどのような流れでバンドウォークが発生するのかを解説してあるネット上の投稿は見当たりません。

そこで、どのような上昇(又は下降)がバンドウォークに発展していくのか、またそのバンドウォークの波にどのように乗ればいいのかという問題を掘り下げてみたいと思います。









バンドウォークはこうして現れる





バンドウォーク

ボリンジャーバンド
上は2016年11からスタートしたドル円為替相場に現れたボリンジャーバンドのバンドウォークです(赤点線丸)。

とても勢いよく平均移動線+2σ沿いに上昇しているのが確認できます。 こうしてみると、ジョン.ボリンジャーの言うようにトレンドの発生を察知するためにこのボリンジャーバンドを使用するのが理想的なのかもしれません。

しかし、バンドウォークに発展しかけたものの失敗して大きく下降してしまうことはよくあります(青点線丸)。 こういう展開がよくあることから、なかなかバンドウォークの波にうまく乗ることができない方が多いのではないでしょうか。

いったいどのような上昇(又は下降)がバンドウォークに発展し、またどのような上昇は失敗してしまうのでしょうか。

この違いを知れば、どの波について行けばいいのか、またどの波にはついて行ってはいけないのかが分かるようになる、言い換えればリスクが少なくトレンドの波にうまく乗ることが出来るはずです。



バンドウォークは3波動目と5波動目に現れる

バンドウォークイメージ


結論から先に言うと、バンドウォークが発生するのは、主にエリオット波動の衝撃波3波動目と5波動目です。 ※ジグザグのa波やc波でも発生することもある

エリオット波動についてはエリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめをご覧ください。

為替相場においてトレンドを押し進めていくのは衝撃波です。 この衝撃波の発生がそのままボリンジャーバンドのバンドウォークに繋がっていきます。

衝撃波は5つの波で構成され寄せては返しながら大きくトレンド方向に進んでいきます。その中でも、3波動目がエクステンションして最も大きく勢いのある波動になるのが一般的です(3波動目延長型衝撃波)。

また、為替相場では5波動目もよくエクステンションして大きな波動となります(5波動目延長型衝撃波)。この5波動目のバンドウォークは、トライアングルや横這いの複合修正波でボリンジャーバンドがスクイーズした後に発生するのが一般的です。

しかし、3波動目と5波動目は、全体がバンドウォークするわけではありません。現れる主なポイントは、その3波動目と5波動目の内部波動の3波動目に現れます。

5波動目のスクイーズを伴うバンドウォークはよく知られていますので、今回は3波動目のバンドウォークに絞って考えてみたいと思います。




内部波動の3波動目

バンドウォークまでの流れイメージ

為替相場において最も勢いがあり、また大きくなるのは、衝撃波の3-3波動です。この3-3波動が発生するまでの流れをイメージしたものが上の図です。

緑色のラインが3-3波動です。 衝撃波はスタートして、この3-3波動がスタートするまでには、かなり時間がかかります。

➀まず足掛かりとなる最初1波動目、そして修正2波動目が現れます。 この1波動目のほとんどは、バンドウォークすることなくバンドに跳ね返されてしまいます(例外は1波動目延長型衝撃波)。 この上昇について行くとやられてしまうことになります。 

②次に3波動目が始まります。 しかし、この3波動目全体がバンドウォークするわけではありません。 3波動目の内部波動のⅰとⅱがその前に現れます。 この上昇もついて行くとやられることがあるので注意する必要があります。

③そしてこの次にやっと3-3波動が始まります。この波動がバンドウォークするので、ついて行くのはこの3-3波動です。


実際のチャートでその流れを見てみましょう。





ドル円為替相場のバンドウォーク

ドル円チャートのバンドウォーク

最初にバンドウォークを確認したドル円チャートをもう一度見てみます。

3波動目内部波動の3波動目で大きく上昇しているのが確認できます。1波動目と3波動目内部波動の1波動目は、バンドに跳ね返されています。

2波動目修正パターンの見極めと内部波動1波動目の衝撃波を確認できた場合、このように2つ山が並んだ形はトレンドの波に乗るチャンスになります。

しかし、この2つ目の山である3波動目副次波のⅰとⅱは、大きな山になることもあれば、とても小さな山になることもあり判断が難しくなる場合もあります。






副次波の形とエントリーのタイミング

副次波のいろいろな形


副次波は、その修正波動パターンや相関関係・逆相関関係の通貨の影響からいろいろな形になります。

また、2波動目はリトレイスが深くなることがほとんどであるのに対し、副次波のⅱは深くなることもあれば浅くなることもあります。そして、下降トレンド場合はリトレイスが全体的に浅くなる特徴があります。

エントリーのポイントも形により変わってきますが、基本は2波動目又はⅱの終点付近で打診買い、1波動目又はⅰの高値ブレイクで本気買いが一般的です。

トレンド転換ポイント付近では、本格的な上昇がスタートするまでに時間がかかります。焦らなくてもエントリーチャンスは何度か訪れます。高値掴みをしないように、ついて行く波をしっかりと見極めたいものです。