米国雇用統計後の動きは、調整局面継続中を示唆する動きなのでしょうか。 もうすでに調整局面は終了して内部波動の5波動目に移行しているものと予想していましたが、もう一段下を目指す展開の可能性も出てきました。
調整局面が終了しているならば、雇用統計発表後の動きは衝撃波の完成を目指して上抜いていてもおかしくはありませんでした。しかし、雇用統計発表後は、5-3-5のジグザグで終了しています。
エリオット波動では基本的に衝撃波が発生している方向にトレンドがあります。年明けからの調整局面は下降衝撃波が続いています。 ドル円は大きな段階では上昇トレンドですが、小さな段階では下降トレンドの調整局面を展開しているためです。
上昇トレンドへの回帰は上昇衝撃波の発生がひとつの目安となります。 1/18からの上昇波形を衝撃波と判断していましたが、3波動構成の修正波なのかもしれません。
今回の週間為替予想は、この辺りを再考して今後の展開を予想してみたいと思います。
その前にひとつ。 エリオット波動のカウントに必要なトレードツールについてお話します。 トレードツールが無くてもカウントは出来ますが、精度を上げるためには3つのツールを使います。➀フィボナッチエキスパンション、②フィボナッチリトレイスメント、③チャネルです。この3つがあれば楽しくカウント予想することが出来ます。
波動がひとつ進むごとに、この3つのツールを使い次の波動の終点を予測していきます。 とても簡単な作業で、決して難しい作業ではありません(ただし、1分足や5分足を使ったスキャルピングトレードでエリオット波動を使う場合には、少し忙しくなるかもしれません)。
後は、普段使われているオシレータなどを合わせて使うと効果的です。 個人的には、RSIを使っています(ダイバージェンスを早く見つけるために、通常の(14)ではなく(9)を使用しています)。また、その他のツールとの組み合わせをいろいろ試してみるのも面白いかもしれません。
エリオット波動は難しそうに見えるかもしれませんが、実はとても簡単です。 ぜひみなさんも試してみてください。
売り方と買い方の激しい攻防
まずは調整波形全体を確認して見ます。
年明け後の修正波
上はドル円4時間足チャートです。
上の予想カウントの通りWXYの複合調整波で修正は終了して、赤点線枠の上昇衝撃波が1波動目であると考えていました。 その次の上昇波形が引き続き衝撃波であれば間違いなく調整局面が終了したと言えるのですが、3波動のジグザグ(5-3-5)で終了してしまいました。こうなると今後の展開に複数の波動パターンの可能性が出てくると同時に、調整局面が継続している可能性も出てきます。
雇用統計後は、ちょうど1波動目の始点ライン(黒丸)で終了しています。 時間足では実線が行き過ぎているものの、日足レベルで考えた場合には、まだ赤点線の上昇が1波動目である可能性はあります。 この赤点線の上昇を1波動目と考えているトレーダーによるサポートだと思われます。
1波動目の予想カウント
上のチャートは、1/22の投稿にアップした1/18からの上昇波形(先程の赤点線枠)の予想カウントです。フィボナッチ0.382の目標には到達していない段階でドル円の調整局が終了したのではと考えたのは、この上昇波動を3波動目延長型衝撃波と判断したからです。 この波動が衝撃波であるならば、この衝撃波の始点で上昇トレンドに回帰しているはずです。カウント的に不自然ではなく、またフィボナッチ黄金比率的に考えても衝撃波である可能性が高いと思われます。
ただ、3波動目が1波動目の1.618倍ラインちょうどで終了していることから、この3波までの流れが5-3-5のジグザグの許容範囲内でもあります。 その後展開から考えても、形は不自然ですがこの上昇波形はWXYなどの修正波なのかもしれません。
3波動目が1波動目の1.618倍を実線で越えてこない限り衝撃波と調整波の両方の可能性があることは、エリオット波動のカウントの一番難しいところです。
調整局面が継続している場合の予想カウント
調整局面が継続していると考えた場合の予想カウントは2つあります。
ひとつ目はジグザグ修正を展開しているというものです(青色のカウント)。 ただ、このカウントA波衝撃波の1波と4波が修復してしまいます。 これは一時的行き過ぎかもしれません。
ジグザグ修正であるならば、現在の下降はC波衝撃波の2波修正波であると思われます。また、続く3波動目で大きく下降していくことが予想されます。
もうひとつは、WXYの複合修正波を展開しているというものです。 この場合であれば、一時的行き過ぎの問題は無くなります。
雇用統計後の展開はトライアングル?
上のチャートはドル円30分足です。 雇用統計後、もし上に抜けていれば調整局面は終了している可能性が強かったドル円為替相場。 しかし、0.618倍のトライアングルチャネル内にきれいに押し返され、5-3-5のジグザグとなってしまいました。
このトライアングルチャネルは、売り方と買い方それぞれの思惑があります。
まず、売り方目線から考えます。売り方からみると2つの可能性があります。 ひとつ目は、赤点線枠の下降波動を1波動目とした修正2波動目がトライアングルになっているというものです。もうひとつは、5-3-5のジグザグのB波がトライアングルになっているという思惑もあります(赤色のカウント)。
この売り方目線のトライアングルであるならば、対称型ではなく下降型のチャネルでトライアングルを展開しているものと思われます。
次に買い方目線から考えます。買い方からみると、青点線枠の上昇波動を1波動目とした修正2波動目がトライアングルになっていると見ることができます(青色のカウント)。雇用統計後は、C波展開の途中と考えることができます。
週明けの注目ポイントは、直近の下降が赤ラインまで下降して、下降型トライアングルチャネルになるのかどうかというところではないでしょうか。 下降型になるようであれば下に抜けていく可能性が高まってきそうです。
ただ、この一連の波形はトライアングルではないかもしれません。 あくまでも参考程度に考えてください。
フィボナッチ比率0.382、0.50のリトレイスライン
上はドル円日足チャートです。 現在の状況からは上、下とどちらに抜けていく可能性も出てきました。 そこで、もし下に抜けた場合の終点を考えてみます。
3波動目の大きさが1波動目のほぼ4.00倍に達しており、この上昇波形は衝撃波であることが決定的です。 エリオット波動のルールで考えれば、この後には1波動目の高値を下回らない範囲で5波動目の衝撃波が展開してきます。
しかし、多くの場合、衝撃波修正4波動目は3波動目のフィボナッチ比率0.382(青ライン)、また1~3波動目のフィボナッチ比率0.382(赤ライン)で終了します。 ただ、稀にフィボナッチ比率0.500までリトレイスしてくることもあります。
現在のドル円は、3波動目の0.382の直前で反転しています。 まずは、この3波動目の0.382がサポートラインとなります。 次は、すぐ下にある1~3波動目の0.382がサポートラインとなりそうです。
すでに日足RSI(9)ではダイバージェンスが発生しています。 ここから0.500のリトレイスを目指す展開はまずないのではないでしょうか。
週明けは、まず赤点線枠の上昇波動始点ライン(緑点線)を日足の実線でキープできるかに注目しています。
また、個人的には0.382付近でのロングポジションは、5波動目狙いの急所であると考えています。リスク管理を徹底しながら、少しづつでもポジションを建てていく予定です。
ただ、その前提条件としてユーロドルの5波動目が継続中である必要があります。
難解なユーロドル波動
上のチャートはユーロドル日足チャートです。 小さな段階の時間足レベルの波動はとても難解な展開を見せています。 そこで、大きな段階の日足チャートで現在地を確認してます。トライアングルから5波動目がスタートし、現在は3-2の修正波展開していると予想しています。上の予想カウントは、2波動目の終点を実線で上抜けた時点でカウント間違えとなります。
可能性は低いと思うのですが、その場合は拡大フラットを展開していると考えることもできます。 赤点線を上抜いて実線を確定した段階で利益確定しようと予定していましたが、拡大フラットの展開も考えて様子を見ることにしました。
トライアングルからの5波動目が、3波動目の安値を少し下回った段階で終点を迎える可能性はほとんどないと思います。 遅かれ早かれ5波動目の3-3波動が動き出すのではないでしょうか。
直近の小さな段階で衝撃波かもしれない波動が発生しており、ひょっとするとその波動が内部波動の1波動目かもしれません。
ドル円為替相場の展開は、ユーロドルの5波動目の展開が大きく影響してくるものと思われます。週明けは、直近の下降が衝撃波なのかどうかを見極めることがポイントになりそうです。
以上、週間為替予想でした。