その根拠はエリオット波動の8波1サイクルです。この理論で検討すると、遅かれ早かれ2回目の衝撃波によって、このような展開になるのでは?ということが予測されます。
そこで今回は、ドル円為替相場の推移を2007年頃から振り返り、長期的観点でのサイクルの現在地を再度確認してみたいと思います。また、ドル円上昇トレンドの理想的な終点までの個人的イメージも綴ってみたいと思います。
このブログでは、定期的にドル円の長期見通しを掲載しています。 内容が重なっている部分も多々ありますがご容赦ください。
ドル円、大きな段階のトレンド方向
まずは、FX月足チャートを使用して、大きな段階でトレンドが現れている方向を掴んでみたいと思います。
2007年~の波動展開
このEDTは、くさび形の収束トライアングルで、トレンドの終わりを示唆する波動パターンです。つまり、最後の推進波であることが予測できたわけです。
エリオット波動では、ひとつ上の段階のトレンド方向に進む波動は、5波動構成の推進波が現れます。 そうすると、次の波動が推進波であれば、この75円付近で上昇トレンドに転換したことが濃厚となるわけです。
※推進波の現れるポイントについては「エリオット波動の見つけ方 縦と横で次の展開を見極める」をご覧ください。
EDTその後の展開は、1発目の反転でEDTの始まった地点まで戻るというガイドラインがありますが、まさにそのポイントの125円まで推進波である衝撃波で上昇してきています。
このことから、現在の大きな段階のトレンドは上方向にあると言ってよさそうです。また、反転の形は俗にいう逆三尊のパターンを形成してきており、今後の上昇を予感させます。
次に、トレンド転換からの反転がどのような衝撃波であるのか、また、その後はどのよな修正波を展開しているのかなどを確認してみます。
5波延長型衝撃波
トレンド転換からの上昇推進波は、5波動目に延長波が内包された(エクステンション)綺麗な5波延長型衝撃波を展開しています。
5波延長型衝撃波は、4波動目の安値(高値になることもある)で0.618で区分される形が理想的というガイドラインがありますが(フィボナッチ黄金比率)、このドル円の衝撃波はまさにその区分となっています(残念ながら2-4チャネルは機能していません)。
そして、2015年6月からは、この5波延長型衝撃波に対する修正波を展開してきました。
5波延長型衝撃波に続く展開として、延長波の修正2波動目(5波-2)の安値ラインで修正波は終了、又はa波が終了するというガイドラインがあります。
※詳しくは7月のドル円長期見通しをご覧ください
今回のドル円修正波も、この5-2安値でサポートされているのが確認できます。
修正パターンは意見が分かれるところだと思われますが、個人的にはa(3)-b(3)-c(5)の最後のc波衝撃波が目標ポイント到達のためエクステンションしてきたものであると予想しています(5波延長型衝撃波でa波の2.618倍。4波高値で0.618区分)。
ここまでは、衝撃波と修正波の推移の確認でした。
次に、大きな段階の上昇トレンドはどこまで続くのか、また、サイクル的にみての現在地は何処なのかを検討してみたいと思います。
この上昇トレンドはどこまで続く?
エリオット波動では、5波の推進波と3波(又はその変形)の修正波の合計8波が1つのサイクルとなり、そして、このサイクルを繰り返しながらトレンド方向に大きく進んでいきます。
前述したように、2012年のトレンド転換からの1発目の波動は5波延長型衝撃波の推進波です。エリオット波動において、5波から始まる波動パターンは衝撃波とジグザグです。
つまり、この5波の推進波は、衝撃波5-3-5-3-5、又はジグザグ5-3-5のどちらかの最初の5であることが濃厚なわけです。
現在の段階で、どちらの5であるかは分かりません。 しかし、日本の金融政策から検討すると、衝撃波5-3-5-3-5の展開で200円を越えてくるということは難しいのではと思われます。すると、現在のドル円はジグザグ5-3-5を展開していると考えた方がいいのかもしれません。
ただ、いずれにしても、遅かれ早かれ2回目の衝撃波で125円を越えてくるのではないでしょうか。
次に、直近の波動展開から、2018年以降の展開を考えてみたいと思います。
ジグザグのB波がトライアングルであった場合
過去のドル円長期見通しや週間予想でも触れてきましたが、ドル円はジグザグのB波がトライアングルを形成している可能性があります。そこで今回は、このトライアングルであった場合の展開を検討してみます。
※6/14の為替予想にジグザグのb波がトライアングルになっている実際のFXチャートを掲載しています。
ジグザグa(5)-b(3)-c(5)のb波は、それ自体ジグザグになることが多いのですが、トライアングルになることもあります。ドル円の展開にあてはめて考えると、現在はトライアングルのD波が進行、又はC波が複雑な展開で進行しているこのどちらかだと思われます(トライアングルの副次波のうち、ひとつの波動は複雑な展開になるというガイドラインがあります。C波がよく複雑になる)。
そこで、ユーロドルの展開と照らし合わせてみます。ユーロドルは修正4波動目→5波動目といった流れが予想されます。そうすると、ドル円は現在D波を展開している可能性の方が高そうです。
Dが進行していると考えた場合、チャネルの下側のラインは黒ラインで確定ですが、上側のラインはまだ確定していません。上側のラインは、(A)の終点とBの終点を結んだ黒点線ライン、又は、Cの0.618のリトレイス(赤ライン)に到達したところがDの終点となり、BとDを結んだラインとなる可能性がありそうです。
最後のE波はチャネルを行き過ぎることが多く、また、稀に届かないこともあります。行き過ぎるのであれば、緑色のジグザグチャネル(0-2チャネル)でサポートされるのでしょうか。
そして、このEでトライアングルは終わり、大きな段階のジグザグ5-3-5の2回目の(C)衝撃波がスタートしてくるといった流れになるのかもしれません。
※トライアングルとジグザグについては「エリオット波動で知っておくべき4つの調整パターン」をご覧ください
ドル円C波衝撃波の終点見通し
最後に、このトライアングル展開であった場合のC波終点を検討してみたいと思います。
ジグザグのC波はA波の1.00倍の大きさになるのが理想的ですが、0.618倍や1.618倍になることもあります。
ドル円のA波は、75円から125円までの約50円の上昇でした。先程のE終点から2回目の衝撃波がスタートするとするならば、A波1.00倍で157円付近がC波の理想的終点ということになります。また、A波の0.618倍であるならば138円付近、そして、1.618倍であるならば188円付近ということになります。
A波は約3年半の時間を掛けて上昇しました。C波が来年からスタートと仮定すると、東京オリンピック以降に頂点に到達というシナリオで進んでいくのかもしれません。
あくまでもジグザグのB波がトライアングルであった場合の予想ですが、エリオット波動の8波1サイクルで考えるのであれば、このような展開をイメージしています(しかし、本当に125円を大きく越えてくる?という思いも正直ありますが・・・)。
来年以降の力強い上昇を期待しながら、今回のドル円長期為替見通しを終わりにしたいと思います。
※トップページ下部に過去のドル円長期見通し一覧を掲載しましたので、ご興味のある方はご覧くださいませ。