ドル円は、ユーロドルが下降ターンであるため、とても上値が軽いようです。来週以降もこの勢いが続いて行くのでしょうか?
雇用統計の結果からみて、12~13日に開かれるFOMCでの利上げが濃厚となってきました。普通に考えればドル買いの流れです。ネット上での為替予想も、「ドル円はこのまま堅調に推移する」との見解が多いようです。
ただ、波動的にはその逆で、ドル円は大きく下降、ユーロドルは大きく上昇してくる展開を示唆しているように見えてしまいます。
大勢と異なり気持ち悪いのですが、今回はなぜそのようなイメージを描くのか?、また雇用統計後の動きは何だったのか?などをユーロドルとドル円に絞って綴ってみたいと思います。
ユーロドル、EDTからの反転?
3波延長型衝撃波の可能性が高い
衝撃波の5波動目を展開中と予想していますが、今週の修正状況から考えると、5波動目は1波延長型衝撃波ではなく3波延長型衝撃波であることが濃厚となってきたようです。
既に1波動目の半値以上を戻しており、また期間的にみても5-3に移行したとしてもおかしくない現在地です。
ただ、予想に反して1波目がかなり大きな波動展開となっているため、5-3波動目が1.618倍まで延びてくれば、理想的な終点ポイント付近まで到達してくることになります。
そうすると、5-5はフェイラー気味に終わる可能性もあるのかもしれません。
トライアングルチャネル実線越え
今週の調整バターンを検証してみると、c波がエンディング・ダイアゴナルトライアングルで調整が終了した可能性がありそうです。 今週の終値は、そのトライアングルチャネルを実線で越えてきています。
EDTは、衝撃波の5波動目、又は修正C波に現れる特殊推進波で、内部波動は3-3-3-3-3の5波動構成です。
また、その後の大きな反転を示唆するフォーメーションで、反転の1発目はその始点付近まで戻るのが一般的とされます。そうすると、5-3-1波動目でこの付近まで戻ってくるのでしょうか(青丸のポイント)。
今回の1波動目は5波延長型衝撃波ですが、この5波延長型衝撃波の修正軌道にはセオリーがあります。それは、5-2波(延長波修正2波動目)安値付近でサポートされるというものです。
大きな段階になればなるほどその傾向が強くなります(ドル円の週足段階の修正波も5-2の安値でサポートされています)。
現在のポイントは
- 5-2安値ライン
- EDTチャネルラインタッチポイント
- ウィークリーF.Pivotサポート3
以上、3つのポイントが重なっていることになります。
FOMCでの利上げが予想されますが、このポイントから3波動目が始まるのではないかとイメージしています。
ユーロドルの5-3波動目が始まれば、逆相関のドル円は下への動きになることが予想されます。
5-2ラインのサポート
5波延長に続く展開のイメージ図を掲載しておきます。参考にしてみてください。
ちなみに、5-2波終点でサホートされた後には、必ず3波(又はC波)が始まるというわけでなく、右側のようにもう一度下を試しにくる展開もあります(その場合は4波の終点ラインでよくサポートされます)。
オレンジの点線軌道は主にフラット系修正で、紫点線の軌道はジグザグ系修正で現れます。
今回のユーロドルは、修正1発目が衝撃波でないので、5-3-5のジグザグの可能性はありません。また、EDTで終わっていることから、左側のそのまま上抜けていく展開になることが予想されます。
雇用統計後の動きは?
小さな段階の5分足で見ると、足掛かりの1波動目(2つ下の段階の1波動目)の展開ではないでしょうか。
雇用統計後の上昇はその3波動目。
一度0-2チャネルを越え、また1波動目の1.618倍も大きく越えてきていることから衝撃波の可能性が高いようです。5波動目が2-4チャネル(2波動目は行き過ぎなので実線で見ています)1波ラインタッチで衝撃波が完成したのではないでしょうか。
衝撃波は常にひとつ上の段階のトレンド方向に現れるので、トレンドが変わった可能性が高いのではと予想しています。
次にドル円為替相場を予想してみます。
ドル円、ジグザグ完成?それとも・・・
トライアングルである場合の予想カウント
ドル円は、9/8からの上昇(D波と予想)が衝撃波でなく3波構成のジグザグで終わったことから考えて、トライアングルを展開してきている可能性がさらに高くなったのではと予想しています(現在は最後のE展開中と予想)。
ただ、まだD波の途中である可能性も少し残っているのかもしれません(その場合、Dは3-3-5のフラット展開などが考えられる)。
今週はE-bジグザグのc波を展開?
ドル円FX4時間足チャートです。
先週の週間為替予想では2つの展開をイメージしていましたが、後者の展開であったようです。
つまり、E波の内部波動のb波はジグザグ5-3-5で、今週はそのc波衝撃波の上昇であったということです(予想)。
今週、再び一目均衡表の雲を上抜けてきています。 ボリンジャーバンドにはまだタッチしておらず、まだ上昇の余地が残っているように見えます。
まだ、E-bは継続中なのでしょうか?
1波延長型衝撃波の1波動目の可能性も有り
ジグザグの内部波動b波はそれ自体がジグザグになることが最も多く、今回のE-b波もジグザグではないかと予想しています。
ただ、このa波がユーロドルの影響からかなり複雑な展開になっています。
予想としては3波延長型衝撃波。
3波動目延長波5-ⅳはユーロドルの急激な上昇の影響から下へ行き過ぎ、また、4波動目は拡大フラット(c波がa波の2.618倍)でヒゲの部分1波動目と重複しています。やはり、ユーロドルの波動はチェックしておかないと怖いですね。
そして、今週の上昇はそのc波。
5波延長型衝撃波でc波完成した、又は1波延長型衝撃波の1波動目が終わった。このどちらの可能性もありそうです。
ユーロドルの状況を考えると、すでにC波が終了した可能性が高いとイメージしているのですが・・・。
既にC波が完成しているのであれば、青点線の軌道でトライアングルE-cへ、また、1波延長型衝撃波であるならば、紫点線の軌道でもう一段上を試した後にE-cへと移行していくのではと予想しています(その場合は、a波の1.00倍、又は0-2チャネルタッチが目標?)。
最後に雇用統計後の動きは何だったのか確認してみます。
延長波4波動目の下降?
今週の上昇は5波延長型衝撃波ではと予想しています。
- 1波 リーディング
- 2波 ジグザグ
- 3波 5波延長型衝撃波
- 4波 トライアングル
- 5波延長波 3波延長型衝撃波
- 1 5波延長型衝撃波
- 3 5波延長型衝撃波
- 5 1波延長型衝撃波
雇用統計後の展開は、5波延長波の4波動目の下降ではないでしょうか。
ユーロドルの3波動目の上昇と重なり大きく動いたため、1波動目と4波動目がヒゲの部分重複するルール破れが発生しています。
最後は、ユーロ円とともに1波延長型衝撃波で上昇して、5波延長型衝撃波黄金比率0.618区分でトランケーション気味に終了といった流れだとイメージしています。
ユーロドルとすり合わせると、衝撃波は完成したと考える方がいいのかもしれません。1波延長型衝撃波の1波動目である可能性はありますが、もしそうであったとしても上値はかなり限定的ではないでしょうか。
以上、週間為替予想でした。
※エリオット波動については「エリオット波動理論を使いこなす為の基礎知識」をご覧ください。