エリオット波動における時間足の選び方と使い方

時間足の選び方イメージ

エリオット波動を使い始めて間もない方は、「どの時間足を使ってカウントすればいいの?」と迷ってしまう方が多いようです。

たしかに、ネット上などでは様々な時間足を使ったカウントを目にします。日足チャートを使ったものもあれば、4時間足チャートを使ったものもあります。

実際、エリオット波動の産みの親であるラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)は、手書きでダウ平均の1時間ごとの終値チャートを付けることを習慣にしていたそうです。

人によりメインで使っている時間足は異なるようです。

そこで、今回のエリオット波動入門では、エリオット波動のカウントはどの時間足でするのが最善なのか? また、時間足はどのように使えばいいのか? について考えてみます。





エリオット波動ではどの時間足を使う?


どの時間足でも機能するエリオット波動



フラクタルイメージ
フラクタル構造イメージ



エリオット波動は「特定の時間足にしか機能しないのでは?」と考えている人もいるようですが、そうではありません。

相場はフラクタル構造になっているので、分足、時間足、日足、週足、どのチャートでもエリオット波動の8波1サイクルが現れ、そして各段階のサイクルは密接に連動しています。

つまり、基本どの時間足でもエリオット波動を使った相場の分析手法は機能し、その戦略も変わりなく使えるわけです。

※フラクタル構造については「エリオット波動 泣けるほど使えるフラクタル構造とは?」をご覧ください

そうすると、どの時間足をメインで使うかはトレードスタイルによって変わってくるのかもしれません。


トレードスタイルに合った時間足を選択


トレードスタイルは、ポジションを持つ期間の長さから大きく分けて4つのスタイルに分けられます。

  • スキャルビング    数秒~数分
  • デイトレード     数時間~1日
  • スイングトレード   数日~数週間
  • ポジショントレード  数ヶ月~数年

トレードスタイルは自分の生活スタイルや性格によって変わってきます。

また、それに伴い時間足の選択も、小さな利益を積み重ねていくスキャルビングであれば1分足や5分足など、長期トレンドに沿って順張りで収益を上げていくポジショントレードは週足や日足など、それぞれのトレードスタイルによって変わってきます。

たとえば、専業トレーダーではない私の場合、日々仕事があるためチャートが見れるのは週末の休日のみで、トレードスタイルはポジショントレードがメイン。なので、エリオット波動を使った分析は、主に日足チャートで行っています。

このように、自分に合ったトレードスタイルを見つけ、それによってどの時間足をメインで使うかを決めていくというスタンスが最善。

ただ、小さな時間足ではエリオット波動の分析が難しくなるケースがあります。


下の段階は時に判断が難しくなる?


為替市場は流動性が高いので、一部の投機的な動きが大きく影響してくることはほとんどなく、とてもフェアーな市場です。そして、段階が大きくなればなるほどその傾向は強くなります。

群集心理が投影されていると言われるエリオット波動も、時間足が大きくなればなるほどその精度を増していきます。

しかし、逆に小さな時間足では、

  • 高レバレッジのFXでは、損切りの連鎖で一時的な行き過ぎが現れやすい
  • 各通貨ペアには相関性があり、時にその影響を大きく受ける

以上のような要因で、エリオット波動のカウントが難しくなることがあります。

エリオット波動の衝撃波には3つのルールがありますが、高レバレッジのFXでは損切りの連鎖が起こり易く、小さな時間足では一時的な行き過ぎでこのルールが破れるケースが増えてきます(例えば、1波動目と4波動目がヒゲの部分重複)。

また、FXは通貨を通貨で売買する取引なので相関性があり、各通貨ペアは影響し合いながら波動が進んでくため、時にその影響を大きく受けフォーメーションの判断が難しくなることもあります。

たとえば、ドル円は東京時間ではメインで取引されるため、5分足などの小さな時間足でもエリオット波動が驚くほどよく機能しますが、欧州時間に入るとユーロやポンドなどがメインとなるため、ユーロドルやクロス円の影響を受けてドル円のカウントは難しくなってきます(たとえば、ダブルジグザグが衝撃波のように見える)。

分足などの小さな時間足を使ってトレードする場合、相場をリードしている通貨ペアを選んでトレードする必要がありそうです。


ここまで、エリオット波動におけるメインで使う時間足の選び方を考えてきましたが、次に時間足の使い方について考えてみます。




エリオット波動における時間足の使い方


ひとつの時間足だけで他の時間足はあまり見ないというトレーダーもいますが、波動使いの強者は上位、又は下位の時間足を巧に使いながら相場を分析しています。


上位の段階の時間足の使い方


まずは、上位の時間足の使い方を考えてみます。

上位の相場の現在地とトレンドを確認

エリオット波動は8波1サイクルのフラクタル構造になっていることは先に触れました。

この構造を利用して上位の時間足を確認すると、ひと回り上の段階の相場の現在地とトレンド方向が見えてくるようになります。

ひとつの時間足だけで相場の流れを掴もうとするのではなく、上位の時間足も確認しながら中長期のトレンドがどう動いているのかを多面的に捉えることが出来れば、トレードの勝率は格段に高くなってきます。

また、各段階の波動展開は、エリオット波動だけではなく、その他のテクニカルでも分析しておくことをお勧めします。

例えば、1時間足をメインで使っている場合、1時間足のRSI、MACD、Pivot、一目均衡表、ボリンジャーバンド、チャネルライン等々の確認だけではなく、4時間足や日足でもこれらのテクニカルを確認しておきたいところです。

少し手間がかかりますが、トレードの勝率は間違いなく上がってきます。


※エリオット波動サイクルを使った分析手法については「エリオット波動サイクルで読み解く相場の現在地とトレンド」をご覧ください



大きな時間足にすると見えてくるフォーメーション

4時間足と日足の見え方の違い
次はフォーメーションの判断での時間足の使い方です。

高レバレッジのFXでは時間足が小さくなればなるほどエリオット波動の一時的な行き過ぎが現れ易くなることは先に触れましたが、一時的な行き過ぎかどうかの判断は時間足を大きくすると分かることがよくあります。

右上の4時間足チャートでは、3つの下降衝撃波が続けて現れ、波の大きさ1>3>5の1波延長型衝撃波のフォーメーションであることが疑われます。

しかし、1波動目と4波動目が実線で重複しているため、この4時間足チャートではエリオット波動衝撃波のルールが破れてしまうことになります。

このような場合、時間足を大きくするとフォーメーションがはっきりと見えてくることがあります。

左下のチャートは4時間足チャートを日足チャートに変更したものですが、時間軸を大きくした日足チャートでは、右上の4時間足チャートとは違い、1波動目と4波動目の重複が解消されています。

そうすると、「一時的な行き過ぎを伴う1波延長型衝撃波の可能性が高いなぁ!」と、そのフォーメーションの確認が出来るようになってきます。

行き過ぎかどうかの判断は、大きな時間足に変えてみると分かり易くなるようです。また、ロウソク足ではなく一時的にラインチャート表示にしてみるのもいいかもしれません。



下位の段階の時間足の使い方


次に下位の時間足の使い方を考えてみます。

早い展開は時間軸を落としてカウントする


相場をトレンド方向に力強く押し進めていく衝撃波(Impulse Waves)。中でも最も勢いがあるのはその延長波です(エクステンションした波動)。

この延長波の展開は、スピードが速く、また大きく進んでいくため、チャートには往々にして長い陽線や陰線が続けて現れてきます。

こうなると、その段階の時間足ではカウントすることが困難になってしまいます。

このような場合には、ひと回り小さな時間足に変えると、延長波のフォーメーションがはっきりと確認出来るようになってきます。

たとえば、衝撃波の延長波で日足の長い陽線が現れてきた場合、その日足チャートだけでは延長波が完成したのかどうかというところまでは判断することはできません。

しかし、時間軸を落として1時間足チャートにすると「延長波副次波の3波動目が終わったところで、この後に最後の副次波5波動目でもう一段上方向に進むぞ!」というようなことが分かるようになってきます。

また、延長波の他にも米国雇用統計などの経済指標でもよく早い展開になります。

経済指標後の早い展開は、5分足や1分足等の小さな足を使うと波動展開がはっきりと見えてくることがよくあります。


エントリーは下位の時間足でタイミングを計る


次はエントリーでの時間足の使い方です。

ポジショントレード、スイングトレード、そしてデイトレードで、メインに使っている時間足のみを見てエントリーする方もいますが、それではタイミングが計り難く少しロスも出ます。

このような場合には、時間軸を落とし小さな時間足に変更するとタイミングを計り易くなります。

下の段階の波動展開を確認することで、更に深くタイミングを計れるようになり、ピンポイントでエントリーすることができるようになります。

また、損切りのポイントも近くに設定できるようになることからロスも少なくなってきます。


以上、エリオット波動における上位と下位の時間足の使い方でした。




時間足の選び方と使い方のまとめ


時間足の選び方
  • 相場はフラクタル構造になっており、どの時間足でもエリオット波動は機能する
  • 自分のトレードスタイルからメインで使う時間足を選ぶのが最善
  • ただ、小さな時間足は一時的な行き過ぎが起こりやすい

時間足の使い方
  • 上位の時間足を使えばひと回り上の段階の現在地とトレンドが見えてくる
  • 時間足を大きくするとフォーメーションが判断し易くなることがよくある
  • 早い展開は時間足を落とすとカウントし易くなる
  • エントリーは小さな時間足で深くタイミングを計るとよい

エリオット波動は特定の時間足にしか機能しないということはありません。自分に合った時間足を見つけて相場を分析していただければと思います。
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