エリオット波動入門/おすすめ本でエリオット波動を効率的に学ぶ手順

エリオット波動のイメージ図



「エリオット波動って難しいんでしょ!」と考えている、また実際に始めようとしても「エリオット波動はどうやって学べばいいの?」という壁にぶつかってしまう方は多いようです。

そこで今回は、エリオット波動を学ぶための「おすすめ本」や、理論を効率的に学ぶコツを紹介したいと思います。



この記事を投稿するにあたり、私が所属しているサークルのメンバーにエリオット波動について聞いてみたところ、「エリオット波動はとてもシンプルな理論で楽しい。しかも驚くほどよく機能する。」という意見がほとんどでした。

そして、おもしろいのはメンバーの全員がほぼ同じ道のりでエリオット波動を学んでいたということです。


これからエリオット波動を始める方は参考にしてみてください。






エリオット波動はシンプル【おすすめ本で効率的に学ぶ手順/概要】



エリオット波動を効率的に学ぶための道のりといっても、決して難しいものではありません。道のりはとてもオーソドックス。


まずはその概要です。




  • 手順1: 教科書となる「おすすめ本」

  • 手順2: エリオット波動のサイクルとフラクタルを学ぶ

  • 手順3: エリオット波動の推進波を学ぶ

  • 手順4: エリオット波動の修正波を学ぶ

  • 手順5: エリオット波動のガイドラインを学ぶ

  • 手順6: 優先順位をつけてカウントする





エリオット波動理論はとてもシンプルです。たったこれだけ学ぶだけで波動使いになれます。

「でも、カウントができるようになるまで時間がかかるんでしょ?」と考えている方もいるかと思いますが、そんなことはありません。

取り組む時間によって違いがありますが、早い方であれば数週間で自分なりのカウントができるようになります。




エリオット波動を短期間にマスターするコツは、まずおぼろげながらでもかまわないので、まず上の手順の全体像を把握しておくことです。


理論の全体像を把握してから学び始めると混乱することなく効率的に学べる


波のコンセプトにはかなりバリエーションがあり、同じような章が続いてあらわれてきます。

「いま、エリオット波動理論のこの部分だ!」という意識をもっておくと、混乱することは少なくなるはずです。

そして、各手順を少しずつつまみ食いするのではなく、できるだけ順番通りに手順をこなしてから次の手順を学ぶことです。

「まずは修正パターンから勉強しよう! サイクルは後からサラッとでいいや。」

このような手順は一見効率がよさそうに思えますが、実は効率がわるく、結果、「エリオット波動って、難しくてよく分かんないや!」ということになってしまいます。





手順1: 教科書となる「おすすめ本」


おすすめ本のイメージ



エリオット波動を学ぶためには、まず教科書となるものが必要で、これがないと何も始まりません。

まずは、自分に合う教科書を見つけることからです。




R・N・エリオットが創り出したテクニカル


エリオット波動は、ラルフ・ネルソン・エリオット(1871~1948)が創り出した相場分析のテクニカルです。

「The Wave Principle 波動原理」、のちに出版された「Nature's Law 自然の法則」にその理論がまとめられています。



邦訳版はありませんが、本来はこの本を教科書にして学ぶのが正解なのかもしれません。

とはいえ、エリオット波動を学ぶ上で、さらによい本があります。




おすすめ本「Elliott Wave Principle (エリオット波動入門)」


この理論が発表されたのは1930年代とかなり古く、古典的なテクニカルの部類に入ります。

しかし、その後、熱心な研究者によってさらに洗練された理論になって現在に至ります。

その熱心な研究者であるA・J・フロストとロバート・R・プレクター・ジュニアが共著で出版してベストセラーとなった本があります。


波動使いのバイブル「Elliott Wave Principle」


この本は、エリオットの波動原理を検証して、いくつかの修正が加えられ、またエリオット波動理論を学び易いように体系化してあります。

まさにエリオット波動の教科書のような本です。

おそらく、世界中の波動使いの多くは、この本でエリオット波動理論を学んだのではないでしょうか。


波動使いのバイブル「Elliott Wave Principle」はこちら


そして、この本には幸いなことに邦訳版があります。



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エリオット波動を学ぶためのおすすめ本

「Elliott Wave Principle」の邦訳版

「エリオット波動入門」







エリオット波動を学ぶのであれば、この邦訳版「エリオット波動入門」がおすすめです。

ちなみに、サークルの仲間に聞いてみると、全員がこの本を教科書にしていました。



次は、この「エリオット波動入門」を使った理論の学び方のコツです。





手順2: エリオット波動のサイクルとフラクタルを学ぶ



「エリオット波動を学ぶ上で重要なポイントはどこですか?」

このような質問を受けることがたまにあります。


そのような質問には「重要なポイントはサイクルとフラクタルです」と即答しています。


サイクルとフラクタルのイメージ図



エリオット波動理論は、最初にその理論の根幹をなすサイクル(5つの波で進み、3つの波で調整する)とフラクタル(相場には段階がある)を学ぶことになります。


とてもシンプルな理論なのですが、意外と奥が深いのがポイント。


その後の手順はすべてこのポイントに結びついてくるので、ここをしっかり理解しておくとその後の手順が効率的に理解できるようになってきます。


エリオット波動理論の土台となる部分なので、時間をかけてしっかりと学びたいところです。



単純であまり重要なポイントに思えないかもしれませんが、実際のトレードで勝率を上げるためのヒントは、実はサイクルとフラクタルに隠れていたりします。

また、この手順をしっかりと理解できれば「どこからカウントをスタートすればいいの?」などの疑問もきっと解消するはずです。





手順3: エリオット波動の推進波を学ぶ




次は相場を5つの波で力強く押し進めていく推進波。ここからはフォーメーションを学んでいきます。

エリオット波動理論全体だけではなく、推進波にも同じことが言えますが、最初に全体像を把握しておくと、すっきりして効率的に学べます。




推進波の全体像を把握する




推進波の種類の説明図





エリオット波動には2種類の推進波があります。




エリオット波動 2つの推進波


  • 衝撃波(インパルス)
  • ダイアゴナルトライアングル






そして、さらに衝撃波とダイアゴナルトライアングルにはそれぞれ以下のようなフォーメーションがあります。





3つの衝撃波


  • 1波延長型衝撃波
  • 3波延長型衝撃波
  • 5波延長型衝撃波


2つのダイアゴナルトライアングル


  • リーディング・ダイアゴナルトライアングル
  • エンディング・ダイアゴナルトライアングル





まとめると、推進波は、2種類、あわせて5つのフォーメーションから成り立っているというわけです

最初に全体像を把握しておけば、その後のごちゃつきはなくなります。




次はその5つのフォーメーションの特徴とルールです。




フォーメーションの特徴とルールをマスターする




衝撃波の3つのルールの説明図




衝撃波とダイアゴナルトライアングルには必然的なルールがあり、そしてそれぞれのフォーメーションには特徴があります。


エリオット波動はとてもシンプルな理論。ルールは「えっ、たったこれだけ?」というくらい簡単です。



ただ、衝撃波とダイアゴナルトライアングルは5つの波で構成されるなど、共通する部分が多いのですが、ルールは少し異なり、またそれぞれのフォーメーションの特徴も微妙に違います。

ここはとてもごちゃごちゃしてくるところ。


違うポイントはどこか? 


この点を意識するとすっきりして効率的に学べます。

違うポイントをノートに書き出してみるのもいいかもしれません。




手順4: エリオット波動の修正波を学ぶ



次は、推進波の5つの波の動きを調整する3つの波(またはその変形)の修正波。

修正波には必然的なルールはありません。

修正波では、4つの調整パターン、またそれから派生するフォーメーションの特徴を学びます。


4つの調整パターンのイメージ






エリオット波動理論の修正波は、3つの波で展開されるもの、その変形で展開されるもの、合計4つの調整パターンしかありません。





エリオット波動の4つの修正パターン


  • ジグザグ修正波(5-3-5 3つの波のabc修正)
  • フラット修正波(3-3-5 3つの波のabc修正)
  • トライアングル修正波(3-3-3-3-3)
  • 複合型修正波(上記の修正波が複合で現れる)






とはいえ、この4つの調整パターンから派生するフォーメーションにはかなりのバリエーションがあります。

たとえば、フラット修正波は通常のフラットの他にもいくつかの類似フォーメーションがあり、また単純な修正波の組み合わせからなる複合型修正波もバリエーションがあり少し複雑。

ただ、基本は上の4つの調整パターンです。修正波のフォーメーションはあまり難しく考えすぎないことが上手に学ぶコツです。

修正波はこれ以外にも段階の見極めなどが必要で、「習うより慣れよ」というのが正直な感想です。





この手順4が終わった段階で、過去のチャートを使って波を数えてみてください。きっと自分なりのカウントができるようになっていると思います。

ただ、「はて、このような場合はどのようにカウントすればいいの?」という場面に出くわすこともあると思います。


そのような疑問の解決策が次の手順です。





手順5: エリオット波動のガイドラインを学ぶ


ガイドラインのイメージ



エリオット波動には、いくつかの「ガイドライン」があります。


必ずそのようになるというものではありませんが、その通りの展開なることがほとんどです。

このガイドラインが、波をかぞえるときに出くわす疑問の多くを解消してくれるはずです。


ガイドラインには以下のようなものがあります。




フォーメーションのガイドライン


  • オルターネーション(交互の法則)
  • フェイラー(トランケーション)
  • エクステンション(波の延長)
  • 波の個性
  • 波の均等性
  • チャネリング
  • エリオット波動の定石(5波延長に続く動きなど)
  • 比率の関係(フィボナッチ)

  など




カウントに迷ったときはガイドラインを利用してください。きっと優先的なカウントが見つかるはずです。



ガイドラインの現れ方を示した図



上の図は、ガイドラインの「チャネリング」、「オルターネーション」、そして「フィボナッチ(エリオット波動理論の数学的基盤)」がフォーメーションにどのようにあらわれてくるのかをイメージしたものです。


このイメージ図をみてもらうと分かると思いますが、ガイドラインはカウント手助けをしてくれるだけではなく、サイクルの波の節目(トレンド転換ポイント)を事前に示唆してくれます。

ガイドラインを使いこなせるようになってくると、実際のトレードで「トレンド転換ポイントでピッタリとエントリーできた!」というようなこともできるようになってきます。




手順6: 優先順位をつけてカウントする

優先順位をつけてカウントしたチャート
ここまでマスターしたら、エリオット波動のサイクルが顕在化してきます。


今までランダムに動いているようにしか見えなかった相場の波が、エリオット波動のサイクルで正確に動いていることが分かってくるはずです。


こうなれば あとはひたすらカウントするだけ。やった分だけその精度は上がっていきます。



さらにいえば、優先順位をつけてカウントしていくことができれば最高。



エリオット波動のカウントは、リアルタイムでカウントしていると、そのルールに照らし合わせたとしても、次の展開が絞り切れないといった展開がよくあります(行く先は分かっていても、その道のりはいくつもある)。

そのような場合、できるだけたくさんの展開をイメージして、優先順位をつけながらカウントするようにしてみてください(ガイドラインなどから導き出す)。

こうすることで精神的に余裕が生まれ、相場をさらに冷静に分析できるようになります。

実際のトレードでいざという時に臨機応変に対応できるようになったり、優位性のあるトレードポイントがつかめてきたりというのはその一例。


また、予想していた展開とならなかった場合には、そのまま放っておくのではなく「どこが間違っていたのか」をガイドラインなどを使いながら、あとから答え合わせをするようにしてください。

その経験があとからいきてきます。



ここまでくればバッチリです。きっとエリオット波動をマスターできているはずです。


以上、「おすすめ本でエリオット波動を効率的に学ぶ手順」でした。





エリオット波動理論はとてもシンプルですが、奥が深い理論です。一度だけではなく、何度も繰り返して学ぶのがおすすめです。

繰り返して学ぶことにより、それまで見えなかった新しい発見があるはずです。その発見はトレードの勝率を上げる大きなヒントになるかもしれませんよ。


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