【エリオット波動/中長期展望】ドルインデックス、主要通貨ペア、2020年~のトレンドはどっち?

今回の月間為替予想は、エリオット波動でドルインデックス、主要通貨ペアの2020年以降の展開を予想してみたいと思います。


FX/為替相場は各通貨(各通貨ペア)が影響しあいながら波動が進んでいきます。FXでエリオット波動を使う場合、この辺りが難しく、また面白いところでもあります。

個人的には専業ではないのでチャートを見る時間は限られるのですが、

「ドルインデックスが2-4チャネルにタッチした!」

「ということは、ユーロドルはこの辺りから反転してくるぞ!」

日々こんな感じでエリオット波動を使いながら楽しく相場の展開を推理しています。


しかし、現在は各通貨ペアの波動展開がバラバラ。「あちらを立てればこちらが立たず」で、かなり複雑で神経質な展開となっています。


そこで今回は少し視点を広くして「各通貨ペアの大きな流れ(トレンド)はどちらの方向にあるのか?」という中長期のイメージを綴ってみたいと思います。

あくまでも個人的なイメージですが、参考になれば幸いです。






注目のドルインデックス、目標はもう一段上?



FX/為替相場の予想は、「現在はどの通貨(通貨ペア)が市場をリードしているのか?」
この見極めがとても大事です。

トレードで収益を上げるための大きなポイントになります。

では、市場を主導することが多いのはどの通貨か?

それは、基軸通貨の米ドル(特に、ニューヨーク時間)。


まずは、最も注目されるそのドルインデックス(米ドル)から予想してみます。


ドルインデックス月足チャート

上は、ドルインデックス月足チャートです。


ドルインデックスは、2008年3月に3波延長型衝撃波(c波)が2-4チャネル1波ラインにタッチ→下降修正波トレンド(ジグザグ)が終わり上方向へトレンド転換。


それ以降の強気相場の展開は、


  • ジグザグ修正波(ひと回り上の段階のaやWの可能性あり)
  • 衝撃波(推進波)


この2つのどちらの可能性もあると考えています。

展開を確認すると、2008年3月からがa波、または1波。そして、2011年4月からがc波、または3波。

そして、直近はそのc波、または3波の衝撃波内部波動の5波動目。4波動目の拡大フラットで、一度全体の0-2チャネル内(黒点線チャネル)に戻っていましたが、次の5波動目で再び0-2チャネルを上抜けてきているという状況です。



前回3/15の為替予想のあと、ドル円とともに勢いよく上昇してきましたが、この上昇で内部波動衝撃波2-4チャネル(青色チャネル)の1波ラインタッチ→ヒゲを付けてa波、または1波×1.618ラインまでプルバック。

「ここでc波、または衝撃波の副次波3波動目が完成?(売り手のイメージ)」と考えたくなります。

しかし、4波動目の拡大フラットで1波動目の終点付近までプルバック、そしてその後の反転で拡大フラットのb波も越えていないことから考えると、終点はまだ上の可能性ありそうです。

たしかに、市場を主導できていない通貨ペアの場合、このよう形で5波動目が終わってしまうことがあります。

とはいえ、通常このようなケースでは、5波動目が延長波となり一番大きな波動となるのが一般的です(経験から言えば、延長波になることがほとんど)。

ドルインデックスもエクステンションで5波動目が一番大きな波動となるのではないでしょうか?


当初は5-5波動目がエクステンションと考えていましたが、直近の展開を見ると現在は5-3波動目かもしれません(カウント修正が必要)。


5波動目の目標は、


  • 2-4チャネルの3波ライン
  • 4波動目の最安値で0.618と0.382で黄金区分されるポイント


この2つのポイントと予想。

当初の予想(黄色丸)よりもさらにもう一段上(水色丸)へと優先的なイメージを変更しておきます。ただし、0-2チャネル内に戻ってきた場合にはカウント修正が必要です。




ユーロドル、買い手と売り手の目線



次は、通貨ペアで特に注目されるユーロドル。


ユーロドルの特徴は、ドルインデックスとの連動性の高さです。

ドルインデックスの加重ウエイトはユーロ>円>ポンド。なかでもユーロは加重ウエイトの半分以上を占めるため、どうしても連動性が高くなります。

ただし、ユーロドルはユーロインデックスの影響も受けるため、その波動展開は微妙に変わってきます。

ユーロドル月足チャート
上は、ユーロドル月足チャートです。


ユーロドルもドルインデックスと同じく2008年3月にトレンド転換しています。

その後はドルインデックスと逆相関で同じような展開。ただ、副次波の大きさなどが微妙に異なります。


売り手目線と買い手目線でカウントを考えてみます。


  • 売り手目線: ドルインデックスと同じジグザグ修正波
  • 買い手目線: ダブルジグザグで既に上方向にトレンド転換している(黄色カウント)


こんな感じではないかと考えています。

現在の為替市場は、この2つの目線のせめぎ合いになっているのではないでしょうか。


個人的には売り手目線のイメージで、ドルインデックスと同じ展開ではと予想しています。

直近の反転(赤枠)もリーディングからのジグザク(3波構成)で終わった可能性が高く、またドル円やポンドドルの展開から考えてもその可能性が高いとのイメージ。

いずれにしても全体の0-2チャネル(黒点線チャネル)を上抜けるまでは下目線です。




ドル円、エリオット波動のセオリーで考える2つの展開



次は、ドル円の中長期予想です。

ドルインデックスにおいて円の加重ウエイトはユーロの次ですが、その割合は高くはなく、ドルインデックスとの連動性はあまり高くはありません。

とはいえ、相対的にはドルインデックスと似ている展開になるといえます(当然ですが、ドル円が市場をリードしているときには連動性は高くなる)。

ドル円月足チャート
上は、ドル円月足チャートです。

ドル円はもみ合いが続き難解な展開が続いていますが、フラクタルの縦軸を使って視点を広げてみると、意外とエリオット波動のセオリー通りの展開で進んでいることがよく分かります。

まず、エンディング・ダイアゴナルトライアングルで2012年1月にトレンド転換。


  • セオリー1: EDTはトレンドの最後に現れ、その後の反転を示唆するフォーメーションである


その後、反転1発目の推進波で大きく上昇。この推進波が現れたことにより、今後の展開はジグザグ(5-3-5)か、衝撃波(5-3-5-3-5)かのどちらかであることが予想されます。


  • セオリー2: EDT後の反転1発目はその始点でサポートされることが多い


通常の3波延長型衝撃波ではセオリーの目標ポイントに届かないため、5波動目がエクステンションしてきたものと思われます(5波延長型衝撃波)。


  • セオリー3: 5波延長型衝撃波の修正は、その一部または全部が前の5波延長型衝撃波の5-2の最安値でサポートされる


5波延長型衝撃波後の反転は、5-2最安値でサポートされ横這いの展開が続いている(ジグザグのb波がトライアングル、又は複合型のYがトライアングルと予想)。

トライアングルは修正2波動目にはほとんど現れないので、ドル円の月足段階のフォーメーションは衝撃波ではなくジグザグであることが予想できるようになる。


このように、ドル円はここまでエリオット波動のセオリー通りに動いているといえます。

問題はここから。

5-2のサポートは、その一部だけの場合もあり、5-2でサポートされた後に4波動目の安値までさらに修正が続いてもエリオット波動ではおかしくはありません(紫色の波動)。

しかし、個人的にはその可能性は低いと考えています。

  • クロス円はすでにトレンド転換している可能性が高い。
  • 修正波の期間は、前の推進波に対して3/5(黄金比率)がひとつの目安。すでに1.00倍を超えている。
  • 直近の下降からヒゲを付けて反転してきている(もし落ちていくのであればヒゲを付けて反転してくることはない。また、反転後の波動はドルインデックスと同じく推進波の可能性が高い)
  • ドルインデックスの展開を考えると、このタイミングしかない

上がその理由です。


おそらく、もう一段下であると考えているトレーダーは、2015年6月からの下降を5つの波の推進波と捉えているのだと思います。

確かにドル円のチャートではそのようにも見え、個人的にも以前熟考した部分ではあります。しかし、円インデックスチャートで検証して3波構成である可能性が高いとの結論です。


「ドル円が市場リードをしながら上昇していく展開」。これからの為替市場は、この展開が一番しっくりくるような気がします。

ドル円主導でドルインデックスやユーロ円と連動しながらこのまま上昇していく可能性が高いのではないでしょうか?





ポンドドル、5波動目が延長波?


最後はポンドドルを簡単に。

ポンドドル月足チャート
上は、ポンドドル月足チャートです。


ポンドドルは、ドルインデックスより少し早い2007年11月にトレンド転換。月足の段階は難解ですが、予想はジグザグ修正波。

a波(3波延長型衝撃波)の5波動目はフェイラーで終了(このような形のフェイラーはよく現れます)。そして、2014年7月からがc波。

既に2-4チャネルの1波ラインタッチ(青丸)してきていますが、ドルインデックスと同じくここで衝撃波が終わる可能性は低いと思われます。

「衝撃波の4波動目が1波動目終点付近までプルバック→5波動目がフェイラー(3波動目は1波×1.618と大きくない)」

a波のようなフェイラーはよく現れますが、上のような展開のフェイラーはあまり目にすることはありません。

このようなケースでは、5波動目が延長波となり一番大きな波動となるのが一般的です。


ポンドドルの目的は、


  • c波=a波×1.00のポイント
  • 2-4チャネルの3波ラインタッチのポイント
  • 4波動目最高値で0.618と0.382で黄金区分されるポイント

この辺りとのイメージです(緑丸)。



直近大きくプルバックしているポンドドルですが(abc修正のc波と予想)、全体のジグザグチャネル(点線の0-2チャネル)を上抜けるまでは下方向目線です。



以上、各通貨ペアの中長期の展開を予想してみました。

最近の為替市場を見ていると、衝撃波の内部波動の4波動目のリトレースが深くなる傾向があるようです(c波がグッと伸びてくる。特にドル円はその傾向が強い)。

5波動目を狙ったトレードは、慎重にタイミングを計る必要がありそうです。