仕込むならここ! 衝撃波ポジション考察

トレンド方向に勢いよく進んでいく衝撃波。どのようなタイミングでポジションを仕込むのが理想的なのでしょうか。



波動使いの多くは、展開の読みづらい調整局面の修正波ではなく、トレンド方向に勢いよく進んでいく5つの波の推進波でトレードを行います。

そのトレード手法は、トレンド転換ポイントをピンポイントで狙う衝撃波終盤の5波動目を狙うなどいろいろあります。

今回の売買戦略は、どのようなポイントでエントリーすればリスクが少なく、また、収益を上げることができるのかという辺りを中心にはなしを進めてみたいと思います。


エリオット波動のアイキャッチ画像


トレンドを勢いよく押し進める衝撃波を狙う


トレードは、展開が読み難く動きの小さい修正波ではなく、展開が読み易くトレンド方向に勢いよく進んでいく推進波でおこなうのが理想的。

この推進波の波にタイミングよく乗ることが、為替相場で収益を上げる大きなポイントになりそうです。



どの波が延長波になるかは正確には読み切れない


3つの衝撃波イメージ


推進波の多くは衝撃波の形で現れてきます。そして、この衝撃波のほとんどは、トレンド方向に進む、1波動目、3波動目、5波動目の副次波のいずれかひとつがエクステンション(延長波)してきます。

延長波が内包される場所の違いによって、1波延長型衝撃波、3波延長型衝撃波、そして、5波延長型衝撃波に区分されます。

トレードにおいて、どの衝撃波が現れるか事前に予測できれば、これほど楽なことはありません。

しかし、残念ながら上位の段階の流れから「次は衝撃波が来るぞ! トレードチャンスだ!」ということが予測できても、この3つの衝撃波のどれが現れるかまでは正確に予測することはできません。




3波延長型衝撃波が一番よく現れる?



ただ、3つの衝撃波には幾つかの特徴があるようです。


1波延長型衝撃波

トライアングルなどの収束から抜け出す推進波は1波延長型衝撃波が現れやすいとされています。なぜかユーロ円は1波延長型衝撃波がよく現れる?


3波延長型衝撃波

一般的に、3波延長型衝撃波が一番よく現れるとされ、この3波動目を狙うのが効率が良いとされています。


5波延長型衝撃波

3波動目の大きさがそれほど大きくない場合や、目標のポイントに届いていない場合は、5波動目がエクステンションしてくる可能性があるとされています。


このように、3つの衝撃波にはそれぞれ特徴があるようです。また、いずれの衝撃波が現れるにせよ、衝撃波の3波動目は一番小さな波動にならないというルールがあるので、3波動目は狙っていきたいところです。





3波延長型衝撃波を基本に臨機応変に対応


ポジションを仕込んだ後に、陽線(又は陰線)が続きながら1波動目が延長波となる1波延長型衝撃波が現れた場合はラッキーです。

ただ、基本的には一番現れるとされる3波延長型衝撃波をイメージしながら、5波延長型衝撃波にも臨機応変に対応してくいというトレードがいいのかもしれません。


このように、衝撃波の種類は正確には予測できません。しかし、次に現れるのが推進波であることは予測できます。ここを押さえておけば、そこまで間違ったトレードになることはないのではないでしょうか。

※推進波の予測は「エリオット波動の見つけ方 横と縦で次の展開を見極める」をご覧ください






3波延長型衝撃波ポジション考察


ここからは、衝撃波の基本である3波延長型衝撃波でのポジションの仕込みどころなどを考えてみたいと思います。


1波動目は早めに利確?


波の特徴



トレンドを勢いよく押し進めていく衝撃波。しかし、一直線にトレンドが進んでいくことはありません。

エリオット波動は、8波1サイクルとなっているので、このサイクルを繰り返しながら波のように進んでいきます。また、相場はフラクタル構造になっているので、週足チャートでも分足チャートでもこの8波1サイクルは同じです。

衝撃波の波でトレンド方向に進むのは、1波動目、3波動目、5波動目です。そして、その動きを調整するのが2波動目と4波動目です。

この衝撃波の展開の中で、ポジションを仕込む場合どこが理想的か?

「トレンド転換したポイントに近ければどこでも同じでしょ」。 たしかに長期的に見ればその通りで、最終的には収益が上がります。

しかし、修正2波動目は、ジグザグ系や拡大フラットなどの修正パターンでトレンド転換ポイント付近まで急こう配で大きくリトレイスしてくることが多いという特徴があります(衝撃波副次波の2波動目のリトレイスは浅くなることもあります)。ポジションを仕込むタイミングが良くないと、一時的ではあるにせよ損益を抱えてしまうことになってしまいます。

1波動目でポジションを仕込んだ場合、修正2波動目の深いリトレイスを考慮して、内部波動の推進波が完成した段階(2-4チャネルなどで確認)で早めに利確するか、また、トレンド転換付近で仕込めていると考えられる場合には両建てにするなどの戦略をイメージしておくといいかもしれません。




3波動目の序盤でタイミングよくポジションを仕込む


衝撃波ポジション考察イメージ


「相場は3波動目を狙え!」と昔からよくいわれます。なぜでしょうか?

衝撃波が3波延長型であるならば、その3波動目(延長波)はエリオット波動で最も勢いのある波動となります。なので、この勢いのある3波動目を狙うと収益が上がり易いという意味だと思われます。

そして、この他にもうひとつ理由がありそうです。それは、損益を抱えるリスクが少ないということです。

上は3波延長型衝撃波のイメージ図ですが、青枠の中でポジションを建ててしまうと、修正波のリトレイスで一時的に損益を抱えてしまうことになります。

しかし、3波動目の序盤でタイミングよくポジションを仕込むことが出来れば、一度も損益を抱えることなく収益を上げることが出来てしまいます。

リスク管理の面から考えても、エントリーの理想的なポイントといえそうです。






さらに深くエントリータイミングを計る


山が2つ並んだ後にトレンドが進む

3波延長型衝撃波サイクルイメージ



ここからは、3波延長型衝撃波の3波動目でのエントリータイミングをさらに深く探ってみたいと思います。

エリオット波動は8波1サイクルで進むので、3波動目の内部波動も当然5波+3波を繰り返しながら展開していきます。

3波動目序盤の展開をサイクルで見ると、3波-13波-2、そして、3波-3でトレンド方向に勢いよく進んでいくという流れになります。

そうすると、1波動目からの展開で推進波の山が2つ並ぶ形になるわけです(見込み波)。
※この2つの山は、副次波の衝撃波の種類によっていろいろな形になります。また、見込み波は、ジグザグ修正波5-3-5の可能性もあるので、上位の段階の波動展開を確認しておく必要があります。

3波動目序盤でのエントリータイミングは、2波動目終点付近、3波-2終点付近、3波-1終点を再びブレイクしたポイント、この辺りが狙いどころとなりそうです。



実際の3波延長型衝撃波チャート

ユーロドル日足チャート
最後に、実際のチャートで、3波動目序盤の展開までを簡単に確認して終わりたいと思います。ユーロドル日足チャートの3波延長型衝撃波(現段階では予想)です。

紫丸のポイントでトレンド転換(最後は1波延長型衝撃波の下降)。その後の1波動目のリーディングで大きく上昇。

しかし、続く修正2波動目は、1波動目の大部分をリトレイスしてきています。1波動目の青枠の中でのエントリーでは、この修正2波動目の下降で一時的に損益を抱えてしまうことになります。

延長波の3波動目は、5波動目がエクステンションした5波延長型衝撃波で勢いよくトレンド方向に進んでいます。そして、3波動目の序盤までで、1波動目→2波動目→3波-1→3波-2の展開で推進波の山が2つ並ぶ形となっているのが確認できると思います(黒点線丸)。

こうしてみると、3波動目の序盤でタイミングよくポジションを仕込み、その後、勢いのある延長波3波動目、また、5波動目でポイントごとにポジションを増やしていくという戦略が、リスクの少ない理想的なトレーディングと言えるのかもしれません。

※エリオット波動については「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧ください