エリオット波動において難易度が高くとても厄介な波動である修正4波。この修正4波は、売りと買いが激しく交錯するため、なかなか思惑通りには動いてくれません。
修正4波の調整パターンは豊富で、単純なフォーメーション、またときに複雑なフォーメーションが姿を現し、そして思いもよらず深くリトレイスしてくることもあります。
ひとつのシナリオだけでトレードしてしまうと、大きな落とし穴はまってしまうことになりかねません。
優先順位を付けながらできるたけ複数のシナリオ描いておく、そしてその後の展開にフレキシブルに対応していく。修正4波攻略のヒントはこの辺りにありそうです。
そこで今回は、修正4波の基本的な特徴と典型的な展開、リスクを減らしながら次の5波動目の波にタイミングよく乗る方法などについて綴ってみたいと思います。
※エリオット波動については「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧ください
修正4波の基本的な特徴と典型的な展開
5つの波で展開されトレンドを力強く押し進めていく推進波トレンドには、ダイアゴナルトライアングルと衝撃波の2つのフォーメーションがありますが、今回は衝撃波における修正4波に的を絞って話を進めていきます。
4波は調整(押し)でトレードチャンス
上の図は推進波のひとつである衝撃波の展開図です(上昇トレンド)。
トレンドは一直線に進んでいくことはなく、必ず修正波を挟みながら波のように進んでいきます。
上図の衝撃波ではトレンドと逆方向の動きとなる2波動目と4波動目が修正波で、それぞれ前の波動を調整する役割を果たします。
メジャートレンドに進む1波・3波・5波が5つの波で展開されるのに対して、修正波の2波・4波は3つの波(又はその変形)で展開され、決して5つの波になることはありません。
あくまでも前の波動に対する調整のための波動であり、調整が終わればメジャートレンドの方向に再び戻っていきます。
つまり、2波・4波の押し(戻り)は、トレードの絶好のチャンスとなるわけです。
少し話が逸れますが、皆さんは「損切りした後に爆上げした! 残念」という経験はないでしょうか。
そうなんです。たとえエントリーする方向が合っていたとしても、そのタイミングが良くないと、修正波の押し(戻り)でどうしても損益を抱えることになってしまいます(上図の黒点線枠内のエントリーは一時的に損益を抱えてしまう)。
しかし、2波・4波の終点付近にトレンド転換ポイント(0波付近)を加えた3つのポイントはそうではありません。
この3つのポイントの反転付近からトレンドの波にうまく乗ることができれば、その後一度も損益を抱えることなく大きく稼ぐことができてしまいます。まさに絶好のエントリーポイントというわけです。
リスクマネジメント、また精神的な面から考えても、このようなポイントを狙うのが理想的と言えるのではないでしょうか。
修正4波の調整パターン
エリオット波動の調整パターンは、3つの波(abcで表記)で構成されるジグザグ系修正波、フラット系修正波、その変形で構成される複合型修正波、トライアングル系修正波(単純)4つの系統があります。
衝撃波の5つの波はそれぞれ「波の個性」を持っていて、修正4波に現れ易い調整パターンというものがあります。
修正2波が深いリトレイスによくなるのに対し、修正4波は浅いリトレイスになり易いという個性があります。
なので、修正4波は横這いの展開となるフラット系修正波、トライアングル系修正波、そして複合型修正波が現れ易いという特徴があります。
なかでもトライアングル修正波はその代表格。
なぜなら、トライアングル修正波は修正2波に現れることはほとんどなく、修正4波を示唆する調整パターンであるからです(ただし、トライアングルはジグザグのb波や複合型修正波の最後などにも現れる)。
逆に、修正4波で急こう配となるジグザグ修正波を目にすることはあまりありません(ただし、株式相場とは異なり、関連通貨が影響し合いながら進んでいく為替相場においては、修正4波でジグザグ修正波が現れてくることが少なからずあります)
修正4波の許容範囲
次は修正4波の許容範囲です。
エリオット波動において衝撃波には3つの種類があり、その許容範囲は変わってきますが、上の図はその中で最もよく現れる3波延長型衝撃波の許容範囲。
エリオット波動の衝撃波には3つのルールがあり、そのひとつに「1波と4波は重複しない」というものがあります。
なので、たとえ1波終点付近までプルバックしてきたとしても、1波と4波が重複しないかぎりエリオット波動でその動きは正当化されます。
つまり、このルールに照らし合わせると、修正4波の許容範囲は3波動目の終点から1波動目の終点ラインまでとなり、その範囲はかなり広いものとなるわけです。
※拡大フラットやランニングトライアングルなど3波動目の終点を越えてくる修正波もある
「修正4波は修正2波に比べて圧倒的に難易度が高い!」と言われるのは、この許容範囲の広さが要因のひとつであることは確かです。
とはいえ、衝撃波には理想的な形があり、またそれに近づこうとする傾向が強くあります。
3波延長型衝撃波の典型的な展開
上の図は3波延長型衝撃波の理想的な展開図です。
4波の許容範囲が広く、1波終点付近までプルバックしてくることがあると言っても、その多くは横這いの浅いリトレスで終わります。
まず注目されるのが、1波終点と3波終点を結んだラインと平行に2波終点からラインを引く1-3チャネルです(青色チャネル)。
修正4波はもみ合いとなり、ある程度時間をかけた展開になることが多く、そのほとんどは1-3チャネルを越えてきます。
※ただし、トレンドの勢いが強い場合は、1-3チャネルにタッチと同時に4波が終了することもある。このパターンでは、次の5-2波動目で1-3チャネルを越えてくることがよくある。
1-3チャネルにタッチすることなく3波終点を越えてきた場合には、拡大フラットやランニングトライアングルの展開、また3波動目が継続している可能性があります(カウントの再考が必要)。
そして、修正4波終点の目標によくなるのが、
- 3波動目のFR38.2付近
- 衝撃波始点→3波動目のFR38.2付近
- 前の3波動目副次波4波最安値付近(上昇トレンドの場合)
- 0-2チャネル1波ライン付近
などのポイントです。
エリオット波動では、修正4波は前の3波動目副次波4波最安値までで終わるのがセオリーとされています。
※ただし、このセオリーは3波動目がエクステンションした3波延長型衝撃波の場合で、1波動目や5波動目がエクステンションした衝撃波である場合には異なるポイントになるので注意が必要です。
株式相場などでは、このように1波終点のかなり手前で終わるのが修正4波の典型的なパターンです。
しかし、為替相場は少し異なります。
相場を主導している通貨(例えば延長波を展開している)は理想的な展開になり易い反面、そうでない通貨はその通貨に引っ張られ深くなることがよくあります。関連通貨が影響し合いながら波動が進んでいく為替相場特有の特徴と言えます。
次に実際のチャートで修正4波の理想的な展開を見てみます。
実際のチャートで見る修正4波
トレンド転換ポイントから0-2チャネル内で2つの谷を作り(見込み波)、3-3波動目で勢いよく下降。そして、0-2チャネルを越え、3波動目が1波動目×3.00で衝撃波の要件をクリア(要件については後ほど説明)。
ここまでの展開で「この後に4波→5波と続いていく」、そして「修正4波終点付近がトレードチャンスになる」というシナリオが描けます(優先順位が高いイメージ)。
ここから修正4波です。
修正4波の展開を見ると、まず既述のとおり1-3チャネル(オレンジ色のチャネル)を明確に越えてきていることが確認できます。
その後、衝撃波始点→3波動目のFR38.2(緑色のライン)、前の3波動目副次波4波最高値(赤色のライン)、0-2チャネル1波ライン(黒色のチャネル)の3つがほぼ重なるポイントで反転。
理想的な展開であるならば、新規に売りポジションを建てる、また2波終点付近ですでにポジションを建てている場合には売り増しするポイントです。
上は、その後の5波動目の展開です(5波動目が延長の可能性あり)。波動終点を予測するために使うもうひとつの2-4チャネルを表示してあります。
5波動目は1波延長型衝撃波(一時的な行き過ぎあり)で、2-4チャネルの1波ラインにタッチして終了(利益確定ポイント)。
やはり先程のポイントが修正4波終点でした。
もし先程のポイントでエントリーしていれば、その後一度も損益を抱える来なく収益を上げられていたことになります。まさに絶好のエントリーポイントであったわけです。
こうしてみると、まさに典型的な展開であったことが分かります。ユーロドルは取引量が最も多く特に注目される通貨ペアなので、市場をリードすることが多く理想的な展開になり易い通貨ペアであると言えそうです。
ここまで修正4波の基本的な特徴やその典型的な展開を確認してきましたが、実は修正4波はなかなか一筋縄ではいきません。
売りと買いが激しく交錯するこの波動は、理想的なポイントから切り返すことができず、ときにルールギリギリの1波終点付近まで深くリトレイスしてくることもあります。
そこでここからは、売りと買いが交錯する理由、またリトレイスが深くなる要因について考えてみます。
新しいトレンドが始まって最初の推進波(1波又はa波)を確認できれば、遅かれ早かれ次の推進波が展開されることを推定できます(3波又はc波)。
これは、3波又はc波を狙うトレードは優位性が高いということを意味しています。
しかし、5-3-5と続いた後の展開は可能性のあるいくつかの展開があり(リーディングなど、また段階の違う推進波が並ぶこともある=見込み波)、トレーダーによってその後の描くイメージは変わってくることもあります。
その中で特に意識されるのが、衝撃波とジグザグの2つの展開です。
上の図は上方向に5-3-5と続いた局面。
売り方から見ればジグザグ(5-3-5)で「この上昇は一時的なプルバックだ! 売っていこう!」となります。
逆に買い方から見れば衝撃波(5-3-5-3-5)で「まだ5波動目が残っているぞ! 買っていこう!」という戦略になります。
売り買いが交錯する理由のひとつはここにあり、ときに修正4波はその許容範囲いっぱいの1波終点付近まで深くリトレイスしてくることになります。
この他にも理想的なポイントから切り返せない要因はいろいろあります。
通常、修正2波は急こう配の調整パターン、そして修正4波には横這いの修正パターンによくなりますが、ときに修正2波が横這いの修正パターンになることがあります。
そのような場合、次の修正4波がジグザグなどの急こう配の調整パターンとなり、理想的なポイントから切り返せないことがあります(オルターネーションの法則)。
3波動目の衝撃波の種類が5波動目に延長波を内包する5波延長型衝撃波である場合、次の修正4波はリトレイスが深くなることがあります。
為替などの大きなレバレッジをかけられる市場の相場はこの傾向が強くみられます。
株式相場などとは異なり、為替相場は関連通貨が影響し合いながら波動が進んでいくため、その影響で理想的なポイントから切り返せないことがあります。
市場をリードしている通貨(たとえば、延長波を展開している)に引っ張られて深くリトレイスしたなどという展開はよく目にするところです。
市場を主導している通貨は理想的な展開なり易く、そうでない通貨ペアは引っ張られ理想的な展開になり難いというわけです。
このように、修正4波はときに思いもよらない道のりで深くプルバックしてくることがある難しい波動です。
しかし、修正4波が深い場合、次の5波動目は往々にして大きなチャンスとなります。
なぜなら、深い4波動目の後の5波動目はエリオット波動で最も勢いのある延長波(エクステンション)に発展する可能性が高くなるからです。
5波動目の延長波を予めイメージして、その頭でエントリー、そして尻尾で利益確定。このようなトレードができれば波動使いの強者です。
※5波動目のエクステンションについては、エリオット波動「衝撃波のエクステンション」を徹底解剖!をご覧ください。
修正4波は理想的な展開ばかりではなく、ときに深いリトレイスとなる難易度の高い波動であることがおわかりいただけたと思います。
ここからは「いかにリスク減らして4波を攻略するか」について考えてみます。
まずは5-3-5と続いた後の展開。
先程も触れましたが、衝撃波(5-3-5-3-5)とジグザグ(5-3-5)がイメージできる流れです。
ただ単に複数のイメージだけを描いているだけではトレードはできません。それらのイメージに優先順位を付ける必要があります。
海外の多くのトレーダーは衝撃波とジグザグを見分けるため、修正波の特徴である以下の2つのポイントに注目しています。
ということは逆に、3波動目がこの2つのポイントをヒゲではなく実線で越えてくれば衝撃波である可能性がグッと高くなるわけです。
ただ、残念ながら、この要件を満たせば必ず衝撃波であるとまでは言い切れません。
なぜなら、修正波のc波は衝撃波の3波動目の特徴をもつため、稀にc波=a波×2.618などの大きさになることもあるからです(ジグザグや拡大フラットのc波などによく現れる)。
※また逆に、1.618ラインを越えないから衝撃波ではなく修正波であるとも言い切れません(5波延長型衝撃波の3波動目は、1波動目×1.00~1.618によくなる)。
なので、あくまでも目安として捉え、実際は上位の段階の波動展開を確認しながらフレキシブルに対応していく必要があります。
※上位の段階を確認して衝撃波とジグザグを見分ける手法は「エリオット波動の見つけ方 横と縦で次の展開を見極める」をご覧ください。
また、たとえ短期のトレードだとしても、4波に現れる調整パターンは豊富で、そう簡単に展開を読み切ることはできません。
「1-3チャネルを越えるまではトレードは休む」という戦略はかなり有効です。
次は4波終点付近でのエントリー手法です。
「1-3チャネルにタッチしたタイミングでエントリー」、「3波動目のFR38.2リトレイスラインにタッチしたタイミングでエントリー」、「0-2チャネルにタッチしたタイミングでエントリー」、このようなタイミングのエントリーではかなりのリスクを背負うことになります。
なぜなら、優先されるのはあくまでもフォーメーションの完成だからです(よく理想的な目安をヒゲの部分行き過ぎる)。
上のポイントは修正4波終点の理想的なポイントですが、あくまでも目安に過ぎず、深いリトレイスになることも考えられます。
できれば、下位の段階の推進波(5つの波)を確認して、その押し又は戻り(3つの波、又はその変形)でエントリーするのが理想的。
■まず反転後の波動が推進波(衝撃波、又はリーディング・ダイアゴナルトライアングル)の5つの波の展開であることを確認。
■その推進波の押し(又は戻り)でエントリー(推進波の始点にできるだけ引き付けて)。
反転後、最初の推進波の押しや戻りでのエントリーはかなりの優位性があります。修正パターンを確認しながら、その推進波の始点にできるだけ引き付けてエントリーするのが理想的です(損切りは推進波の始点ラインを割ったポイント)。
その後は、以下を確認します。
■反転後の波動がひと回り上の段階の推進波(5-3-5-3-5)に発展するかに注目します。ジグザグ(5-3-5)で終わった場合には早めに利益確定。
■修正4波のチャネル(0-2チャネル)を抜けてくるかなどに注目。
推進波はひと回り上の段階のトレンド方向に現れます。なので、推進波の現れる方向を確認することはリスクマネジメントとしてとても有効です。
為替相場におけるトレードでは、関連通貨の展開にヒントがあることが往々にしてあります。
株式相場とは異なり、為替相場は各通貨、又は各通貨ペアが影響し合いながら進み、またタイミングを合わせて一斉に節目を折り返してくるということもよくあります。
なので、たとえばドル円の修正4波終点を狙う場合には、事前にクロス円やドルインデックスの波動展開を確認しておくことが望ましいわけです。
そして、反転後の波動が単独ではなく、関連通貨と連動した動きで推進波を展開してくるようであれば、期待大と言えそうです。
以上、修正4波の特徴と攻略のハウツーでした。
※エリオット波動の修正波については「エリオット波動で知っておくべき4つの調整パターン」をご覧ください。
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その後、衝撃波始点→3波動目のFR38.2(緑色のライン)、前の3波動目副次波4波最高値(赤色のライン)、0-2チャネル1波ライン(黒色のチャネル)の3つがほぼ重なるポイントで反転。
理想的な展開であるならば、新規に売りポジションを建てる、また2波終点付近ですでにポジションを建てている場合には売り増しするポイントです。
5波動目は1波延長型衝撃波(一時的な行き過ぎあり)で、2-4チャネルの1波ラインにタッチして終了(利益確定ポイント)。
やはり先程のポイントが修正4波終点でした。
もし先程のポイントでエントリーしていれば、その後一度も損益を抱える来なく収益を上げられていたことになります。まさに絶好のエントリーポイントであったわけです。
こうしてみると、まさに典型的な展開であったことが分かります。ユーロドルは取引量が最も多く特に注目される通貨ペアなので、市場をリードすることが多く理想的な展開になり易い通貨ペアであると言えそうです。
4波はときに深くなる その要因は?
売りと買いが激しく交錯するこの波動は、理想的なポイントから切り返すことができず、ときにルールギリギリの1波終点付近まで深くリトレイスしてくることもあります。
そこでここからは、売りと買いが交錯する理由、またリトレイスが深くなる要因について考えてみます。
5-3-5後の売り方と買い方のイメージ
新しいトレンドが始まって最初の推進波(1波又はa波)を確認できれば、遅かれ早かれ次の推進波が展開されることを推定できます(3波又はc波)。
これは、3波又はc波を狙うトレードは優位性が高いということを意味しています。
しかし、5-3-5と続いた後の展開は可能性のあるいくつかの展開があり(リーディングなど、また段階の違う推進波が並ぶこともある=見込み波)、トレーダーによってその後の描くイメージは変わってくることもあります。
その中で特に意識されるのが、衝撃波とジグザグの2つの展開です。
上の図は上方向に5-3-5と続いた局面。
売り方から見ればジグザグ(5-3-5)で「この上昇は一時的なプルバックだ! 売っていこう!」となります。
逆に買い方から見れば衝撃波(5-3-5-3-5)で「まだ5波動目が残っているぞ! 買っていこう!」という戦略になります。
売り買いが交錯する理由のひとつはここにあり、ときに修正4波はその許容範囲いっぱいの1波終点付近まで深くリトレイスしてくることになります。
修正4波が深くなるその他の要因
この他にも理想的なポイントから切り返せない要因はいろいろあります。
調整パターンによるもの
そのひとつに、調整パターンによるものがあります。通常、修正2波は急こう配の調整パターン、そして修正4波には横這いの修正パターンによくなりますが、ときに修正2波が横這いの修正パターンになることがあります。
そのような場合、次の修正4波がジグザグなどの急こう配の調整パターンとなり、理想的なポイントから切り返せないことがあります(オルターネーションの法則)。
前の3波の衝撃波の種類によるもの
また、前の3波動目の衝撃波の種類によるものがあります。3波動目の衝撃波の種類が5波動目に延長波を内包する5波延長型衝撃波である場合、次の修正4波はリトレイスが深くなることがあります。
為替などの大きなレバレッジをかけられる市場の相場はこの傾向が強くみられます。
為替相場の特徴によるもの
この投稿の序盤にも触れましたが、為替相場の特徴によるものもあります。株式相場などとは異なり、為替相場は関連通貨が影響し合いながら波動が進んでいくため、その影響で理想的なポイントから切り返せないことがあります。
市場をリードしている通貨(たとえば、延長波を展開している)に引っ張られて深くリトレイスしたなどという展開はよく目にするところです。
市場を主導している通貨は理想的な展開なり易く、そうでない通貨ペアは引っ張られ理想的な展開になり難いというわけです。
深い4波動目=5波動目の延長波を示唆
このように、修正4波はときに思いもよらない道のりで深くプルバックしてくることがある難しい波動です。
しかし、修正4波が深い場合、次の5波動目は往々にして大きなチャンスとなります。
なぜなら、深い4波動目の後の5波動目はエリオット波動で最も勢いのある延長波(エクステンション)に発展する可能性が高くなるからです。
5波動目の延長波を予めイメージして、その頭でエントリー、そして尻尾で利益確定。このようなトレードができれば波動使いの強者です。
※5波動目のエクステンションについては、エリオット波動「衝撃波のエクステンション」を徹底解剖!をご覧ください。
修正4波攻略のハウツー
修正4波は理想的な展開ばかりではなく、ときに深いリトレイスとなる難易度の高い波動であることがおわかりいただけたと思います。
ここからは「いかにリスク減らして4波を攻略するか」について考えてみます。
衝撃波とジグザグの見極め
まずは5-3-5と続いた後の展開。
先程も触れましたが、衝撃波(5-3-5-3-5)とジグザグ(5-3-5)がイメージできる流れです。
ただ単に複数のイメージだけを描いているだけではトレードはできません。それらのイメージに優先順位を付ける必要があります。
海外の多くのトレーダーは衝撃波とジグザグを見分けるため、修正波の特徴である以下の2つのポイントに注目しています。
- 修正波は0-2チャネルがその終点となることが多い(a波=c波)
- 修正波のほとんどはc波=a波×1.618以内となる
ということは逆に、3波動目がこの2つのポイントをヒゲではなく実線で越えてくれば衝撃波である可能性がグッと高くなるわけです。
ただ、残念ながら、この要件を満たせば必ず衝撃波であるとまでは言い切れません。
なぜなら、修正波のc波は衝撃波の3波動目の特徴をもつため、稀にc波=a波×2.618などの大きさになることもあるからです(ジグザグや拡大フラットのc波などによく現れる)。
※また逆に、1.618ラインを越えないから衝撃波ではなく修正波であるとも言い切れません(5波延長型衝撃波の3波動目は、1波動目×1.00~1.618によくなる)。
なので、あくまでも目安として捉え、実際は上位の段階の波動展開を確認しながらフレキシブルに対応していく必要があります。
※上位の段階を確認して衝撃波とジグザグを見分ける手法は「エリオット波動の見つけ方 横と縦で次の展開を見極める」をご覧ください。
休むのも戦略のひとつ
「休むも相場」という格言がありますが、修正4波はまさにそれで、その途中ではトレードを休むのも戦略のひとつとなります。
なぜなら、ほとんどの5波動目は1-3チャネルを越えて(又はタッチで)スタートする、つまり、1-3チャネル内の上方向ポジションでいくら収益が膨らんでいたとしても、短期トレード以外は最終的に損益を抱えてしまうことになるからです。
なぜなら、ほとんどの5波動目は1-3チャネルを越えて(又はタッチで)スタートする、つまり、1-3チャネル内の上方向ポジションでいくら収益が膨らんでいたとしても、短期トレード以外は最終的に損益を抱えてしまうことになるからです。
また、たとえ短期のトレードだとしても、4波に現れる調整パターンは豊富で、そう簡単に展開を読み切ることはできません。
「1-3チャネルを越えるまではトレードは休む」という戦略はかなり有効です。
両建て戦略
エリオット波動を使った相場分析では、ガイドラインであるチャネリングやフィボナッチを併用すると波動の節目をピンポイントに予測できるようになってきます。
2波動目終点付近でポジションを仕込んた後、「副次波の3波動目が2-4チャネルの1波ラインにタッチした! ここで3波動目が終了した可能性が高いぞ!」という局面になることがあります。
この局面では様々な選択肢が考えられますが、まず頭に浮かぶのは利益確定です。
ここで収益の全部、又はその一部を利益確定する戦略は堅実です。なぜなら、3波動目と考えていた波動が、たとえジグザグのc波であったとしても、しっかりと収益が確保できるからです。
また、4波動目終点付近から再度エントリーすることも可能で、タイミングが良くポジションを建てることができればトレードの効率は抜群です。
しかし、衝撃波の3波動目であるという確信がある場合には、この局面で「そのままジッとホールドする」、または「一時的に両建てにする」という戦略も考えられます。
両建ては、単にリスクヘッジになるだけではなく、4波終点付近での選択肢を増やしてくれることにもなります(たとえば、3波終点付近で両建てにしたポジション分を4波終点付近で買い増しするといった戦略)。
この局面では様々な選択肢が考えられますが、まず頭に浮かぶのは利益確定です。
ここで収益の全部、又はその一部を利益確定する戦略は堅実です。なぜなら、3波動目と考えていた波動が、たとえジグザグのc波であったとしても、しっかりと収益が確保できるからです。
また、4波動目終点付近から再度エントリーすることも可能で、タイミングが良くポジションを建てることができればトレードの効率は抜群です。
しかし、衝撃波の3波動目であるという確信がある場合には、この局面で「そのままジッとホールドする」、または「一時的に両建てにする」という戦略も考えられます。
両建ては、単にリスクヘッジになるだけではなく、4波終点付近での選択肢を増やしてくれることにもなります(たとえば、3波終点付近で両建てにしたポジション分を4波終点付近で買い増しするといった戦略)。
ただ、調整パターンの中には3波終点を越えてくるものもあるので、その点はしっかりとイメージしてシナリオを描いておく必要があります(拡大フラット、ランニングトライアングルなど)。
4波終点付近でのエントリー手法
次は4波終点付近でのエントリー手法です。
「1-3チャネルにタッチしたタイミングでエントリー」、「3波動目のFR38.2リトレイスラインにタッチしたタイミングでエントリー」、「0-2チャネルにタッチしたタイミングでエントリー」、このようなタイミングのエントリーではかなりのリスクを背負うことになります。
なぜなら、優先されるのはあくまでもフォーメーションの完成だからです(よく理想的な目安をヒゲの部分行き過ぎる)。
上のポイントは修正4波終点の理想的なポイントですが、あくまでも目安に過ぎず、深いリトレイスになることも考えられます。
できれば、下位の段階の推進波(5つの波)を確認して、その押し又は戻り(3つの波、又はその変形)でエントリーするのが理想的。
■まず反転後の波動が推進波(衝撃波、又はリーディング・ダイアゴナルトライアングル)の5つの波の展開であることを確認。
■その推進波の押し(又は戻り)でエントリー(推進波の始点にできるだけ引き付けて)。
反転後、最初の推進波の押しや戻りでのエントリーはかなりの優位性があります。修正パターンを確認しながら、その推進波の始点にできるだけ引き付けてエントリーするのが理想的です(損切りは推進波の始点ラインを割ったポイント)。
その後は、以下を確認します。
■反転後の波動がひと回り上の段階の推進波(5-3-5-3-5)に発展するかに注目します。ジグザグ(5-3-5)で終わった場合には早めに利益確定。
■修正4波のチャネル(0-2チャネル)を抜けてくるかなどに注目。
推進波はひと回り上の段階のトレンド方向に現れます。なので、推進波の現れる方向を確認することはリスクマネジメントとしてとても有効です。
上位の段階と両方の目線
エリオット波動を使っていると「この展開でほぼ間違いないだろう」と思えることがあります。しかし、意外とこのようなところに落とし穴が隠れているものです。
できるだけ「これだ!」と決めてかかることなく、冷静に相場を分析する必要があります。
- 上位の段階の波動展開を確認してみる
- 売り手と買い手の両目線で相場を分析してみる
上の2つの目線を使い、優先順位を付けながらできるだけ複数のイメージを描いておくことは、リスク管理の面からとても大事なポイントです。
こうすることで、「あれ!」という時にも冷静に対応できるようになり、また手堅く収益を上げていくことができるようになってきます。
こうすることで、「あれ!」という時にも冷静に対応できるようになり、また手堅く収益を上げていくことができるようになってきます。
関連通貨の展開にヒントがある
為替相場におけるトレードでは、関連通貨の展開にヒントがあることが往々にしてあります。
株式相場とは異なり、為替相場は各通貨、又は各通貨ペアが影響し合いながら進み、またタイミングを合わせて一斉に節目を折り返してくるということもよくあります。
なので、たとえばドル円の修正4波終点を狙う場合には、事前にクロス円やドルインデックスの波動展開を確認しておくことが望ましいわけです。
そして、反転後の波動が単独ではなく、関連通貨と連動した動きで推進波を展開してくるようであれば、期待大と言えそうです。
以上、修正4波の特徴と攻略のハウツーでした。
※エリオット波動の修正波については「エリオット波動で知っておくべき4つの調整パターン」をご覧ください。
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