「エリオット波動のルール」というフレーズをよく耳にしますが、そのルールとは何を指すのでしょうか。
エリオット波動には、必然的にそのような動きになるという基本原則と、必ずそのような動きになるわけではないが、そのような動きになる傾向が強いというフォーメーションにおけるガイドラインのようなものがあります。
フォーメーションのガイドラインとは、エリオット波動の数学的基盤であるフィボナッチ、チャネリング、波の個性、波の均等性、そしてオルターネーションなどのことを言います。
そして、一般的に「エリオット波動のルール」と言われているものは、必然的にそのような動きになるという「エリオット波動サイクルにおける衝撃波(推進波)の基本原則」のことを指していることがほとんどです。
エリオット波動には、必然的にそのような動きになるという基本原則と、必ずそのような動きになるわけではないが、そのような動きになる傾向が強いというフォーメーションにおけるガイドラインのようなものがあります。
フォーメーションのガイドラインとは、エリオット波動の数学的基盤であるフィボナッチ、チャネリング、波の個性、波の均等性、そしてオルターネーションなどのことを言います。
そして、一般的に「エリオット波動のルール」と言われているものは、必然的にそのような動きになるという「エリオット波動サイクルにおける衝撃波(推進波)の基本原則」のことを指していることがほとんどです。
実は、そのルールは驚くほどに簡単です。
しかし、「修正波のフォーメーション」などと同じく、「エリオット波動サイクル」と「衝撃波(推進波)の基本原則」は、エリオット波動のとても大事なポイントとなっています。
また、このサイクルとルールを知らないと、エリオット波動を使って波を数えることはできません。
しかし、「修正波のフォーメーション」などと同じく、「エリオット波動サイクル」と「衝撃波(推進波)の基本原則」は、エリオット波動のとても大事なポイントとなっています。
また、このサイクルとルールを知らないと、エリオット波動を使って波を数えることはできません。
エリオット波動を使って相場の波を数えようとされる方は、まずこの辺りをマスターすることから始めてみてはいかがでしょうか。
エリオット波動理論におけるサイクルとは?
8波で構成されるエリオット波動サイクル
アメリカ合衆国国務省付きの会計士(兼業で作家)の仕事をしていたR.N.エリオット(1871~1948 アメリカのカンザス州で生まれる)が病気になり、その療養中に創り出したのがエリオット波動理論です。
そして、アメリカの株式市場の75年間のデーターをもとにして書き上げられた「波動原理 The Wave Principle」という本によって、その理論は世に知られました。
その理論は「相場の値動きはランダムではなく、ある一定の法則に従って動いている」というもので、その法則がエリオット波動サイクルです(上の図は、そのエリオット波動サイクルのイメージ)。
エリオット波動サイクルの概念は、とても簡単です。
エリオット波動では、トレンドを押し進める5つの波を推進波(Motive Waves)、その動きを調整する3つの波を修正波(Corrective Waves)といいます。
この5つの波と3つの波の合計8波でひとつのサイクルが完成します。これがエリオット波動サイクルです。
そして、このサイクルが完成すると相似の8波1サイクルが再び現れます。
このサイクルの繰り返しにより、相場は波のように寄せては返しながらトレンド方向へ進んでいくというのがエリオット波動理論です。
さらに掘り下げて言うと、この8波1サイクルが繰り返されることにより、ひと回り大きな段階のエリオット波動サイクルが作りだされることになります(1波・2波・3波・4波・5波・A波・B波・C波)。
つまり、エリオット波動サイクルには段階があり、どれだけ上の段階を見ても、また逆にどれだけ下の段階を見ても、この8波1サイクルが現れてくるわけです(これをフラクタル構造といいます)。
このエリオット波動サイクルは、ガイドラインとは異なり必然的なもので、エリオット波動理論の根幹をなすものです。
※R.N.エリオットは、グランドスーパーサイクル、スーパーサイクル、サイクル、プライマリー、インターミーディエット、マイナー、ミニュット、ミニュエット、サブミニッエットの9つの段階に名称を付けています
次に、エリオット波動サイクルにおけるトレンドと推進波の役割について考えてみます。
サイクルにおけるトレンドと推進波の役割
推進波は、トレンドを押し進めるフォーメーションであるということは既に触れました。
この推進波には、5つの波で展開されるという他に、ひと回り上の段階のトレンド方向に現れるという大きな特徴があります。
上の図は、エリオット波動サイクルにおけるトレンドを表示したものです。
「相場が進もうとしている方向=トレンド」という概念が考えると、エリオット波動サイクルには2つのトレンドがあります。
- 推進波トレンド(アクションとも言われる)
- 修正波トレンド(リアクションとも言われる)
上の図を見てもらうと分かると思うのですが、推進波はトレンドを押し進めていく役割があるため、それが推進波トレンドであれ、また修正波トレンドであれ、常にひと回り上の段階のトレンド方向に現れます。
つまり、その段階の推進波を確認できれば、ひと回り上の段階がどちらの方向に向かおうとしてるのか自ずと判断できてしまうというわけです。
※ひと回り上の段階が修正波トレンドの場合、そのa波は修正波が推進波の役割をすることがある(たとえばフラット修正波の3-3-5の最初の3)
このように、エリオット波動サイクルを理解すると、相場におけるおおよそ現在地や、トレンドの方向などが読めるようになってきます。
実際のトレードにおいて、このポイントが掴めていると、優位性のある視点でトレードに臨め、「相場を冷静に分析して、ポジションを建てる充分な根拠を持って、シナリオ描いてからエントリーする」ことができるようになってきます。
※エリオット波動サイクルを使った詳しい分析手法については「エリオット波動サイクルで読み解く相場の現在地とトレンド」をご覧ください
次は、衝撃波(推進波)の必然的なルールについて。
衝撃波(推進波)の必然的なルール
エリオット波動における2つの推進波
エリオット波動において、トレンドを力強く押し進めるのは推進波。この推進波は、必ず5つの波で構成されます。
そして、この5つの波の推進波には2つの種類があります。
- ダイアゴナルトライアングル(Diagonal Triangle)
- 衝撃波(Impulse Waves)
しかし、相場に現れる推進波のほとんどは衝撃波の形で現れます。
そして、一般的に「エリオット波動のルール」といわれるのは、この「衝撃波の3つのルール」のことを指す場合がほとんどです。
それでは次に「衝撃波の3つのルール」とはどのようなものか見てみましょう。
※ダイアゴナルトライアングルや衝撃波の3つの種類については「エリオット波動の推進波 その種類と特徴のまとめ」をご覧ください
衝撃波における3つのルール
衝撃波のフォーメーションは推進波なので、トレンド方向に進む1・3・5波動目自体推進波で展開されます。
そして、その衝撃波(推進波)には、以下の必然的なルールがあります。
- 2波動目は1波動目の始点を越えない
- 1・3・5波動目で3波動目は一番小さな波動とならない
- 1波動目と4波動目は重複しない
ルールといっても、とても簡単なこの3つだけです。
ただ、エリオット波動を使って相場を分析する場合、この3つのルールをもとに衝撃波をカウントして、その現れたポイントを確認することがとても重要になります。
それでは次に、3つのルールを図を使って具体的に見てみましょう。
2波動目は1波動目の始点を越えない
エリオット波動の推進波フォーメーションでは、2波動目は1波動目の始点を越えることはありません。
これは、衝撃波だけではなく、ダイアゴナルトライアングルも含めた全ての推進波フォーメーションのルールです。
上の図の上段左側は、2波動目が1波動目の始点を越えています。この展開を衝撃波の1波動目→2波動目とカウントするのは間違えとなり、改めてカウントをしなければいけません。
上段右側は2波動目が1波動目の始点を越えていないので、衝撃波として正しいカウントとなります。
但し、衝撃波のフォーメーションの1波動目から5波動目までには波の個性があり、2波動目は深い調整になるという特徴があります。
レバレッジをきかせてトレードされる為替相場などでは、相場をリードしている通貨の影響を受けて、稀にヒゲの部分が一時的に行き過ぎてしまうこともあります。
ちなみに、実際のトレードで3波動目を狙う場合、この2波動目終点付近がエントリーの絶好のタイミングとなります(1波動目の始点ラインを越えた場合は損切り)。
※ヒゲの部分の一時的な行き過ぎについては、ルールは破れることがある?「エリオット波動の行き過ぎ」を考察で解説。
1・3・5波動目で3波動目は一番小さな波動とならない
衝撃波のフォーメーションでは、トレンド方向に進む1波動目・3波動目・5波動目の中で、3波動目が一番小さな波動になることはありません。
上の図の中段左側は、波の大きさが5波動目>1波動目>3波動目で3波動目が最も小さくなっています。これはカウント間違えとなり、改めてカウントしなければいけません。
ただし、一番小さな波動とならなければよく、2番目の大きさであればカウント間違いではありません。
これは、衝撃波には3つの種類があり、エクステンション(延長)した波動が一番大きな波動となるためです。
※衝撃波のエクステンションについては、エリオット波動「衝撃波のエクステンション」を徹底解剖!をご覧ください
中段右側は3波動目が一番小さな波動ではないので、正しいカウントです。
衝撃波では3波動目が一番小さな波動とならないというのは、実際のトレードでは、この3波動目を狙うのが効率的であるということを意味しています。
また、たとえ推進波トレンドではなく、修正波トレンドのジグザグ修正(5-3-5)であったとしても、3番目の波動は推進波のフォーメーションです。
つまり、トレンドが変わった後の最初の推進波後のプルバックは、いずれにしてもトレードチャンスになるというわけです。
1波動目と4波動目は重複しない
衝撃波のフォーメーションでは、1波動目と4波動目は重複しません。
もうひとつの推進波であるダイアゴナルトライアングルは、1波動目と4波動目が重複するので、このルールは衝撃波だけのルールです。
上の図の下段左側は、4波動目が1波動目の価格帯に割り込み重複しているのでカウント間違えとなり、改めてカウントしなければなりません。
ただし、レバレッジをきかせる為替相場などでは、他通貨の影響など、様々な理由から1波動目と4波動目が重複してくることが稀にあります。しかし、そのような場合でも、重複するのはヒゲの部分だけということがほとんどです。
下段右側は、1波動目と4波動目が重複していないので、正しい衝撃波のカウントです。
衝撃波における4波動目は、横這いの浅い調整が現れ易いという波の個性がありますが、しかし、このルールから言えば、4波動目は1波動目終点までの広い部分が調整の許容範囲です。
つまり、5波動目の推進波を狙う場合は、予想外の大きな調整に備えて、リスク管理を万全にしておく必要があるというわけです。
一般的には、3波動目のFR38.2(又は0波動目→3波動目のFR38.2)の反転を確認してからエントリーするのが良いタイミングと言われ、またできるだけ相場をリードしている通貨ペアを選んでトレードするのが良いと言われています。
以上、このように、衝撃波は必然的な3つのルールによって構成されています。このルールに基づいて進行したフォーメーションは、衝撃波であることが濃厚であると言えそうです。
サイクルと必然的なルールのまとめ
- R.N.エリオットのエリオット波動理論は8波が1つのサイクルとなる
- そのサイクルは推進波(5つの波)と修正波(3つの波)によって構成される
- このサイクルの繰り返しで段階の違うひと回り大きなサイクルができる
- エリオット波動サイクルには2つのトレンドがある
- 推進波はひと回り上の段階のトレンド方向に現れるという特徴がある
- 5つの波で展開される推進波には2つの種類がある
- 推進波の多くは衝撃波のフォーメーションで現れる
- 衝撃波には3つの必然的なルールがある
- 1つ目は2波動目は1波動目始点を越えない
- 2つ目は1.3.5波動目の中で3波動目は一番小さな波動とならない
- 3つ目は1波動目と4波動目は重複しない
エリオット波動を使い始めると、ついつい修正波のフォーメーションばかりに注目してしまいます。
しかし、「エリオット波動サイクル」や「衝撃波の3つのルール」も、エリオット波動理論の根幹をなすとても大事なものです。
これからエリオット波動を始める方ばかりでなく、エリオット波動を使い始めて間もない方も、もう一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
ひょっとすると、トレードにおける新しいヒントが見つかるかもしれませんよ。
※エリオット波動についてのまとめは「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧ください
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