修正波はその調整局面がスタートした段階で、その後抜けていく方向は基本的に決まっています。つまり、その修正波までのカウントに間違いがなければ、基本的にはその抜けていく方向でポジションを建てておけば必ず収益は上がる訳です。
ただ、出来るだけいいタイミング(修正波終点付近)でそのポジションを建てないと、一時的ではありますが損益を抱えることになってしまいます。
そんな修正波ですが、その中でも終点の予測がし易いフォーメーションがあります。それは「トライアングル」です。
前回の修正波ジグザグトレードに続き、今回はこのトライアングルのエントリーポイントや注意点などをまとめてみました。
トライアングルの詳しい説明は「エリオット波動 トライアングルはE波終点を狙え!」をご覧ください。
トライアングルE波終点付近を狙う
トライアングルには、推進波のダイアゴナルトライアングルなど幾つかの種類がありますが、今回は最も現れる修正波のトライアングルとランニングトライアングルに絞って掘り下げてみます。
トライアングル基本フォーメーション
トライアングルで最も現れるのが上のイメージ図の収束型で対称型のトライアングルとランニングトライアングルです。
トライアングルは、ジグザグやフラット修正波等の3波動構成とはと違い、内部波動が3-3-3-3-3(A~E)の5波動構成となる特殊な修正波です。
左が通常のトライアングル。右は、副次波のB波がA波の始点を越えてくるランニングトライアングル。 FXでは意外と右のランニングトライアングルがよく現れてきます。
最後の波動E波からの反転でエントリー
トライアングルは大きく動く波動の先立つポイントに現れるため、この修正の終点付近でエントリーできれば、その後の大きな利益に繋がっていきます。しかも、エントリーポイントはとても簡単です。
チャネルを引いて、後はAから順番にカウントしていき、最後のE波がチャネルにタッチしてからの反転を確認してからエントリーします。
そうなんです。トライアングルは抜けていく方向が前もって分かる上に、さらにエントリーのポイントまでが分かり易いチャンスフォーメーションなんです。
ただ、展開途中の早い段階で「これはトライアングルだ!」と断定してエントリーするのはリスクがあります。なぜならその途中までは他の修正波パターン(フラット系など)と同じ波動構成であるためです。
トライアングルは、D波3波動がチャネルにタッチで終了してからエントリーの準備を始めるくらいで丁度いいと思います。
以上がトライアングルトレード入門編です。 ここまで読んでいただければ、トライアングルでタイミングよくエントリーして頂けるようになると思います。
ここからは少し難しくなりますが、さらに深く掘り下げてみます。
こんなところにもトライアングルが
トライアングルチャネル
チャネルに関して少しだけ触れておきます。
一般的な収束型対称トライアングルのチャネルラインは、E波=C波×0.618やC波=A波×0.618、そしてD波=B波×0.618の関係によくなります。
トライアングルはどこに現れる?
トライアングルは為替チャートの様々な場所に現れてきます。
衝撃波2波動目と4波動目
衝撃波は、オルタネーション(交互の法則)から、修正2波動目が急こう配の調整(ジグザグ系修正など)、修正4波動目が横這いの調整によくなります。修正2波動目がトライアングルになることはあまりありません。つまり、トライアングルフォーメーションを見つけることができた場合、そのポイントが衝撃波の修正4波動目である可能性が高いと言えるわけです。
3波動目が1波動目の1.618倍以上の大きさで、このトライアングルを見つけることが出来れば、5波動目を狙うトレードチャンスとなります。
ABC修正のB波
修正4波動目以外では、修正波(ABC)のB波もトライアングルになることがあります。ジグザグ修正のB波がトライアングルになるのはその一例です。複合修正波の一部
横這いの複合修正波(WXYやWXYXZ)の最後の波動、またダブルジグザグやトリプルジグザグのX波にも現れてきます。ジグザグB波トライアングル
衝撃波修正4波動目のトライアングルは皆さんよく目にすると思いますので(ドル円2011年からの上昇衝撃4波動目など)、ここではABC修正のB波がトライアングルになっているチャート載せています。
E波からの反転後に(C)波がスタートして、(A)波の1.00倍まで大きく下降していることが分かると思います。
このトライアングルを見ると気になることがあります。それは、E波がチャネルを越えてきていることです。実は、トライアングルのE波はチャネルを越えてきたり、また逆に届かないこともあります。
E波チャネル越えに要注意
トライアングルの内部波動構成は、3-3-3-3-3です。 その多くはジグザグの3波動を展開してきます。※A~Eのうちひとつは複雑な展開になる(特にC波。拡大フラットなどになる)
チャネルが収束してくる最後のE波でジグザグを展開してくると、E波がチャネルを越えてしまうことがあるので注意が必要です。
トライアングルは修正波動です。 つまり、その対する衝撃波を確認すれば、抜けていく方向は分かります(例えば衝撃波の4波動目のトライアングルは、内部波動3波衝撃波に対する修正波)。
エントリーは落ち着いて、チャネルなどを使いながら、E波完成後の反転を確認してトレンド方向にポジションを建てるとよいトレードが出来ると思います。
修正4波トライアングルその後の展開
修正4波動目がトライアングルである場合、その後の5波動目の目標の大きさは、トライアングルの最も広い部分の値幅がひとつの目安となります。
しかし、トライアングルからの5波動目は、エクステンションしてさらに大きくなることがよくあります。
その場合には、5波副次波の修正2波動目はトライアングルチャネルでよくサポートされます(5波始点ラインを越えてくるまではエクステンションの可能性がある)。
また、大きくリトレイスすることなく、横這いの修正波からそのままエクステンションしてくることもあります。
エリオット波動については「エリオット波動を学ぶための完全マップ/基礎から応用までのまとめ」をご覧ください。
以上、トライアングルを掘り下げてみました。 参考になれば幸いです。
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